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自分が着たいもの、着るべきものって何?「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」展

自分が着たいもの、着るべきものって何?「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」展

自分が着たいものを着る、ギンザ読者は日々そう思って服を選んでいるはず。それでも、仕事着とか、おでかけやデート、フォーマルな場面など、TPOをまったく気にしてないわけじゃない。それほど、服は着ている人を表し、その場を語るものだ。そして、何を着るか?どう見られるか?は、どこか駆け引きのゲームにも似ている。ドレス・コードと題されたこの展覧会は、そんなコミュニケーションツールとしてのファッションに注目している。

ドレスコード展 会場内の様子
展示風景 ©京都服飾文化研究財団、福永一夫撮影

この展覧会は、18世紀の宮廷服や20世紀初頭の紳士服、ストリートカルチャーから影響を受けた今の服まで、京都服飾文化研究財団(KCI)が収蔵する衣装コレクションからセレクトした約90点を中心に構成されている。これに、写真や映像などのアート作品、さらにはマンガ、映画、演劇といった現代の表現が加わり、出展するブランドは60、出品数は300点を超える。

ドレスコード展 展示会の様子
展示風景 ©京都服飾文化研究財団、福永一夫撮影

13のキーワードからなる展示の構成は、「裸で外をあるいてはいけない?」とか、どれも?で終わっていて、観る人に疑問を投げかけてくる。たとえば、「生き残りをかけて闘わなければならない?」というコーナーには、もとは軍服だったトレンチコートや迷彩柄がいまや定番のファッションアイテムになった転換を紹介している。

展示品 ビューティフルピープル
beautiful people(熊切秀典) 2017年秋冬 京都服飾文化研究財団所蔵、畠山崇撮影

展示品 コシェ

KOCHÉ(クリステル・コーシェ) 2018年春夏 京都服飾文化研究財団所蔵、畠山崇撮影
サッカーユニフォームを組み合わせたドレスは、「見極める目を持たねばならない?」というコーナーに登場。

現代ファッションのコレクションも、2018年とつい昨年のものまで、数多く紹介されている。それらは、学校や職場で制服やスーツを着るといったわかりやすい服装のコードをあえて破ったり、置き換えたりしていることが共通している。当時はなかった女性でも活動しやすい服を提案したシャネル、服そのものからショー、プレゼンテーションまで、モードの価値観を反逆的なスピリットで変えてしまったマルタン・マルジェラ。アートとのコラボレーションや、自由にストリートカルチャーと横断する、グッチやルイ・ヴィトン、コム デ ギャルソン、ヴェトモンといった人気ブランドのものもある。

展示品 マルジェラ
90年代のマルジェラのドレスとコート。Maison Martin Margiela(マルタン・マルジェラ) 1993年春夏(コート)、1993年秋冬(ドレス) 京都服飾文化研究財団所蔵、畠山崇撮影

展示品 ジェフ・クーンズ×LOUIS VUITTON
ジェフ・クーンズ×LOUIS VUITTON 2017年 京都服飾文化研究財団所蔵、畠山崇撮影

また、服そのものや人が着ることに注目した現代美術作品も多数展示されているのも面白い。石内都が撮ったフリーダ・カーロのカラフルな衣服、著名人に扮する森村泰昌など、アート作品は私たちに改めて着ることの意味を問いかけてくる。

展示品 石内都石内都《Frida by Ishiuchi #2》2012/2016年 ©Ishiuchi Miyako

展示品 ハンス・エイケルブーム
ハンス・エイケルブーム《フォト・ノーツ》1992-2019年 インクジェットプリント、作家蔵 © Hans Eijeklboom

演劇や映画、マンガなど、ある役=キャラクターが登場する作品では、服装はキャラクターの性格や行動、感情を表す要素となる。今回は、歴史マンガ『イノサン』 『イノサン Rouge ルージュ』とのコラボレーションや、演劇カンパニーのマームとジプシー、チェルフィッチュによるインスタレーションなども展示されている。

都築響一によるインスタレーション
都築響一(選)《ニッポンの洋服》2019年より《異色肌》2017年(C)Lamaski

SNSがこれだけ広まり、普通に自分のコーディネートを発信したり、人の着こなしに注目・拡散が繰り返される今、自分も他人もキャラ化してイメージを固定しちゃっているところもある。でも、ファッションはつねに既存の価値観を壊して先に進むもの。ファッションの力を借りて、自分自身を更新することだって可能だ。この展覧会を観て、時代ごとに新しい局面を迎えるファッションのその先を、あなたなりに想像してみてはどうだろう?

【「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町)】

開催期間: 開催中~10月14日(月・祝)
開館時間: 午前9時30分~午後5時 ※毎週金曜日、土曜日は午後9時まで開館(入館はいずれも閉館の30分前まで)
休館日: 月曜休館 ※ただし8月12日、9月16日、9月23日、10月14日(すべて月・祝)は開館、翌火曜日休館
https://www.kci.or.jp/dc/

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