17 May 2016
今月のG´s STORY「バタフライの効果」:ファッションが生命力に満ちあふれて見えるのは、動きの役割も大きいのでは

〈blugirl〉の今季のモチーフはバタフライ。いろいろなアイテムにいろいろな手法でバタフライが舞っています。
このまるで蝶の羽ばたきでふわりと浮いたように見えるのはワンピース。裾のふわっとしたフリルの広がりが春らしいですね。
これだけ蝶が人々に愛され続けているのって、その見た目の美しさやバリエーションの豊富さはもちろんだけど、あの宙を舞う姿にもあると思うんです。
蝶の飛び方ってとっても特殊なんですよね。アニメーションで蝶が出てくると、そのアニメーターがうまいかヘタかがはっきりわかります。ヘタな人が描いた飛び方はバサバサとまるで鳥のよう。うまい人が描くと、ふわっふわっとまるで花びらが生きているかのように、そこに漂う空気の流れまで感じることができるようです。蝶は胴体が軽いから重心が胴体ではなく羽の方にあって、それでああいう動きになるのでしょうね。
アニメーション(アニマ=生命・魂)は、その名の通り、止まっている「絵」に動きをつけることで、生命力を注入します。モチーフの動きを正確に描くと、そのモチーフの魂が乗り移ったかのように感じるわけです。
春から夏のファッションが、生命力に満ちあふれて見えるのは、その服の色や形だけじゃなくて、動きの役割も大きいのでしょう。バタフライのモチーフに風をたくさんはらませて、街に生命をみなぎらせてください。
“Joie de vivre”(生きる喜び)をコンセプトに掲げた〈ブルーガール〉の2016年春夏コレクションから、キーモチーフでもあるバタフライプリントのドレスが登場! あえてゆとりをもたせたシルエットに風が舞い込み、ヒラヒラと膨らむ裾のフリルに思わず胸キュン。¥82,000(blugirl)☎︎03-5771-3513 *価格は全て税抜表記です
Photo: Hiromichi Uchida Illustration: Yurikov Kawahiro Text: Gabin Ito Edit: Yu-ka Matsumoto
2016年6月号掲載