ボッテガ・ヴェネタの小ぶりなバッグです。前面に小花の刺繡。それを縁取るようにウォータースネーク。で、側面はおなじみのイントレチャートという凝りに凝った作り。
非常にチャーミングなんだけれど、ボッテガ・ヴェネタのことだから、凄まじい職人技が炸裂しているんだろうなあと思うと萌えざるを得ません。
職人技といえば、むかし糸繰り人形というか所謂マリオネットの芸を見て衝撃を受けたことがありました。
マリオネットって、いろいろとレベルがあると思うのですが、まずは素人の下手くそなんだけどどうにか演技に見えなくもない、ってレベルがありますよね。その次に、操者と人形の息がピタリとあった上手な演技というレベルがあります。これがつまり上手いマリオネットというものでしょう。
でも、この先に、操者と人形がまったく違うことをやっているように見えるのに凄い、という世界があります。人形を操っている人のタイミングや動きと、人形の動きの関連が見えない。
それゆえに、まるで人形が独立した生命をもって生き生きと動いているように見える……というレベル。最高。
つまり何が言いたいかというと、職人が目指してる世界は、僕の常識の上手い下手という価値の基準を、軽々と超えていくなあというお話。
このパッと見、かわいらしいバッグに、どんな職人の世界が拡がっているんでしょうね。