香りは魔法によく似てる。
目に見えないけれど、そこにあるイメージを出現させることができるから。
香りという言葉について考えようとするとき、どうしても立ち寄りたくなるのが、
「広辞苑では、嗅覚の匂いより先に視覚の匂いについて書かれている」という話。
かつては、匂いという言葉の使われ方は、色に関して使われることの方が多かったのでしょうかね。いろはにほへと(色は匂へど)っていうくらいだし、色と香りは切り離せない関係なのでしょう。
いずれにしても、美しさや、心地いいものという意味です。
ブルガリが新しく発売したレディースフレグランス〈ブルガリ ゴルデア ローマン ナイト オードパルファム〉は、調香師のアルベルト・モリヤスが、ミステリアスなローマの夜から着想を得たものだとか。
香りが面白いのは、嗅覚の香りを経由して、記憶と強く結びつきを持っていること。町中を歩いている時に、ふと鼻孔をくすぐる香りは、それをどこかで感じた時に記憶をダイレクトに呼び起こしますよね。
目に見えない香りが、空気中に漂って、それを嗅いだ人のあたまの中に次々とイメージを出現させてゆくのを想像するのはとても楽しい。杖からこぼれる魔法の粉が、そこにいる人たちに夢を見させるようです。