先日、リノリウム版画を彫る機会があったのですが、大人になってからの版画ってたいへんヤバイです。彫ってるうちに気持ちよくなってきて、このまま机とかパソコンの筐体(きょう たい)とかなんでも彫り進めたくなってしまいました。あと自分のカラダとかにも。実際僕の友達の版画作家は自身で彫ったモノが身体のそこかしこにあってかっくいいんです。会うたび増えているので、毎回、最近増やしたのどこ?なんて聞いたりしてキャッキャッしてしまいます。
ところでヨーロッパの国々を訪ねると、昔と比べてタトゥーの入ってる人ってものすごく増えてないですか。大都市ではもうそこら中にいて、郵便局員さんとか、学校の先生とか、そういう人たちのボディがたいへん華やかな感じになってますよね。
90年代に盛んに言われていたことだけど、生活の電子化が進めば進むほど、身体に対するリアリティを求める気持ちが強くなるのかしらね?
フルラの新作バッグはそうした動きとは関係ないでしょうが、レザーに施された美しいレースカットは、モダンにも見えるけれど、同時にとってもトライバルな味わいがあります。
モダンでトライバルって、つまり現代的ってことなんですよね。ツルツルピカピカの未来でもなく、合理的なだけでもなく、むかしながらの幸せに回帰するだけでなく、モダンとプリミティブが共存する世界。
ちょっと大げさすぎましたか。