〈ガブリエル ドゥ シャネル〉というココの本名ガブリエルから名付けられたこのバッグ。エイジド加工されたカーフスキンにキルティング、熱成形されたボトム部分、そしてゴールドとシルバーのメタルに編み込んだストラップという、実にシャネルらしい凝ったものですね。
なんですけど!
リリースを読んでいたら、 「インスピレーション源となったのはAR(拡張現実)のメガネ型デバイスや、競馬場で紳士たちが肩にかけているような双眼鏡ケース」
という聞き捨てならない一文が!
まず、AR(拡張現実)のメガネ型デバイスという最先端でありつつも、どこかゴツ過ぎてユーモラスなアレを早速モチーフにしちゃうとか流石としか言いようがありません。
さらに、その最先端デバイスと紳士の双眼鏡ケースが同じようにインスピレーションの源になっているのがたまらないですね。真逆のようで、似ているふたつが。
思えばガブリエル・シャネルは、女性服にジャージー素材という機能性を持ち込んだ人物。当時はとてもおしゃれとは思われてなかったモチーフや素材を確信犯的に取り入れるのが、シャネルの歴史でありコードなんですね。
ガブリエル・シャネルはずっと冒険的に生きた人だったけれど、その冒険はまだ続いているんですね。そしてこれからも。