13 Oct 2016
今月のG´s STORY – 「皮はパリパリで中身ジューシー」- 〈マルニ〉のミンクのフスベットサンダル

マルニのフスベットサンダルです。
ミンクファーを張り合わせて作られた技術的にも高度なもの。今季のマルニのテーマは「不釣り合い」ということで、このサンダルの中にも小気味良い「不釣り合い」が混入されていますね。
サンダルとファーと高度な技術の不釣り合いなバランスが楽しいです。
このフスベットサンダルをみて思い出したのが、ハリネズミくんのこと。
ハリネズミは、それを自分の手のひらに載せてみるまでは「一見かわいいけど、実はすごい怖い存在なのでは」と訝(いぶか)しんでいたんですよ。なにせ私、ネズミが大の苦手でして、いわゆるげっ歯類全般がちょー怖いんですね。
だから、友達の家で、なんの流れか手のひらにハリネズミくんを載せることになった時も、内心ぎええとかマジこええとか思ったんですけど、よく見てみたらとんでもなくかわいかった。
聞けばハリネズミくんはネズミというよりモグラさんに近い動物だそうじゃないですか。どーりで、かわいい。
まずあのハリでしょう。あれ毛が固まってトゲ状になったものなんですね。パンクスのモヒカンみたい!と知ってホッコリ。そしてそのハリに守られたカラダがねーやわらかくてあったかくてサイコウです。まとめると、皮はパリパリで中身ジューシー的なかわいさ。ハリと中身のバランスがよいっ。
というわけで、そういうバランスもまた、不釣り合いがもたらすかわいさだなあと思った次第であります。
「不釣り合い」がテーマの今季の〈マルニ〉から登場したのは、貴婦人もびっくりのミンクのフスベット。ファー同士を張り合わせるという高い技術で完成したゴージャスさと、ころんとした愛らしいシルエットのギャップにメロメロです。全2色展開。各¥283,000(マルニジャパン ☎03-6416-1024)
Photo: Hiromichi Uchida
Illustration: Yurikov Kawahiro
Text: Gabin Ito
Edit: Yu-ka Matsumoto
2016年9月号掲載