ファッションはどこに向かうのか? think now fashion 04 – 熊切秀典さん 〈ビューティフルピープル〉デザイナー

ファッションはどこに向かうのか? think now fashion 04 – 熊切秀典さん 〈ビューティフルピープル〉デザイナー

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コレクションからのトレンド提案、ストリートからの流行……同時多発的に新陳代謝を繰り返すファッション。その奥には時代の価値観や感性、私たちがまだ気付いていない、未来への萌芽が潜んでいる。ファッションの仕事に情熱を持って取り組んでいる方をゲストに、ファッションの今と未来を聞く「think now fashion」。第4回は、2017-18年秋冬コレクションより発表の場をパリに移した〈ビューティフルピープル〉デザイナー熊切秀典さんをプロフェッサー栗山が現地で取材しました!

 

--2017-18年秋冬のテーマを教えてください。

テーマは「WAFUKU」です。あえてローマ字にしているのですが、「和」でも「洋」でもない新しい服を作りたかった。たためるトレンチコートやチェスターコートを和服の直線的なラインや縫製テクニックを使って作ってみたらけっこうかっこいいものができました。日本では「円満」ということばのように「円」が幸せの象徴とされていて、婚礼の際にかぶる綿帽子のように丸い裁断もあるんです。そこで直線と丸を裁断のテーマにしました。

 

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--きれいにたためる服は旅行にも良さそうですよね…「和」を取り入れようと思ったのはパリ進出と関係があるのでしょうか。

パリにリサーチに行ったとき、「和」をやろうと思いました。海外で日本をテーマに発表するのはすごく単純な発想かもしれないのですが(笑)。自分の思いをパリという場で伝えるにあたって、洋服でも和服でもない勝負の仕方をしたいなと思ったんです。

 

--ランドセルも登場しました。

ランドセルは「お太鼓」と呼ばれる帯の結びのようにも見えたんです。

 

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--プレゼンテーションの招待状は使い捨てカイロでしたが熊切さんの優しさですか?!

アートディレクターの平林奈緒美さんと、服のテーマと同様に平らになるものでおもしろいものを探したんです。使い捨てカイロはパリにはないと聞いていたのでいいかな、と思ったのですが、たいして寒くないからあまり使われていないかもしれませんね…本当はファッションピープルがカイロで温まっている様子をスナップされたらおもしろいと思っていたのですが。

 

--なぜ今回スタイリストにカミーユ・ビドルト・ワディントンさんを起用したのですか?

パリで発表するにあたってスタイリストを立てたほうがいいというアドバイスを受けたのと、彼女がパリジェンヌだからです。スタイリングでも「和」と「洋」を組み合わせた「東京ポップ×フレンチシック」をやってみたかったんです。

 

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--これまではご自身でスタイリングされていましたが、やはり想像とは違うものになりましたか?

時々出したかったアイテムを「ネバー!」と却下されることはありました(笑)。キャップ付きのiPhoneケースがすごくかわいくできたのでiPhoneにメッセージを表示させてモデルにかぶせたかったんですけどねえ。

 

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--充電機能があったりするんですか?!

いえ、ただ付けるだけです。

 

--「東京ポップ」が過ぎたのかもしれませんね(笑)。海外の方々の反応はどうなんでしょうか。主要なジャーナリストも来場していたように見受けられましたが。

以前パリの百貨店ボンマルシェで少し取り扱いがあったのですが、今はヨーロッパに取引先がないので開拓できれば。〈ビューティフルピープル〉の売り上げの要であるライダースやトレンチもアピールしたいです。

 

--来季もパリで発表されるのですか?

はい。すでにおもしろいテーマを考えているんです。

 

--早いですね!今回はモデルの人数や客席、発表時間に規制があるプレゼンテーションという形式でしたが、次はショーでしょうか?

今回も本当は長いランウェイに映える服だったんですが、現地のPRと検討を重ねてプレゼンテーションを選択しました。次こそはショーを実現できれば…目標はパリでガーンとショーをやって、世界中に僕らの店ができることです。このゴブラン織りの地球柄のトレンチにはそうした思いを込めていたりするんです。

 

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--ブランドを設立して10年が経ち、東京で何度もショーを行なったうえで満を持してパリに進出されましたが、現地スタッフの意見やノウハウを取り入れて慎重に見せ方を考えられたのですね。とりあえずショーをやっちゃえ、というよりはスマートな方法なのかもしれません。ぜひ勝手知ったるスタッフを「利用」して〈ビューティフルピープル〉らしさをアピールし、世界で存在感を出していってください!パリでショーを拝見するのを楽しみにしています!

 

プロフェッサー栗山 Professor Kuriyama

GINZAで独断と偏見による論を自由気ままに披露している自称モード界のご意見番。その自らの好みを貫き通すファッションは周囲に「怖い」と恐れられがちで、「怖い女」の異名もとる。

Text&Edit: Itoi Kuriyama

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