1939年兵庫県生まれ。文化服装学院で服飾デザインを学び、64年に渡仏。70年パリにブティックを開き、初コレクションを発表する。
1939年兵庫県生まれ。文化服装学院で服飾デザインを学び、64年に渡仏。70年パリにブティックを開き、初コレクションを発表する。
マッピー 今回賢三さんが手がけた〈セットプルミエ〉には花のデザインがたくさん使われていますが、お好きなんですか?
賢三 パリの自宅にも花を飾っていますし、テラスで植物を育てています。服を作るときも花は必ず入ってきますね。とくにシャクヤクが大好きです。今日マッピーに着てもらった服にはそれにトラやヒョウの柄を交ぜています。
マッピー とってもかわいいです!
賢三 自分らしく着こなしていてとてもいいね。
マッピー ロックっぽくしてみました。まだ背が低いからヒールでごまかしているんですけど。
賢三 面白いバランスだと思います。ぐっとモダンになっていてうれしいです。
「1年間コラボするんだって!」
マッピー ありがとうございます! 私は今中学生なんですけど、賢三さんはどんな子どもでしたか?
賢三 学校から家に帰ったらずっと絵を描いていましたね。当時中原淳一さんという画家が作っていた『それいゆ』や『ひまわり』といった女性誌がすごく好きで、それをまねしていました。目がぱっちりしていて、まるで夢の中にいるような女の子たちの絵がたくさん載っていたんです。そういえばマッピーは中原淳一さんの世界に出てきそうだね!
マッピー 本当ですか!?
賢三 映画も好きでした。『若草物語』(49)などを見て、夢のような世界があるんだなあ、と外国にあこがれていました。それで、高校に入った頃から、外国に行けるような仕事に就きたいと何となく思うようになったんです。中原淳一さんの影響で、絵やファッションの方向がいいな、と考えていました。
マッピー その後、文化服装学院で服作りの勉強をしてパリに行かれたんですね。私もジャズの勉強のために去年1カ月NYに行きました!
賢三 そうなんだね! 1カ月ぐらいいるといろんな面で変わるんじゃないですか?
マッピー 大いに刺激を受けました!
賢三 僕はパリに住み着いてかれこれ51年になります。ちょくちょく日本に帰ってきていますが……。
マッピー 日本で必ず食べるものは何ですか?
賢三 懐石料理やお寿司はもちろんですが、ラーメンとか、カレーライスといった洋食も好きです。関西出身なのでお好み焼きやうどんも。
マッピー ちなみに私はタコライスが好きです! パリでの生活のほうがすっかり長くなったんですね。
賢三 当初は半年の滞在のつもりだったのですが、帰る間際にオートクチュールコレクションを発表していたルイ・フェローというデザイナーのお店に飛び込んで、絵を買ってもらえたことで人生が変わりました。それで道が開けてパリで仕事をもらえるようになったんです。
マッピー そしてブランドを設立することになったんですね。デザイナーとしてやっていくために必要な素質は何ですか?
賢三 僕はやりたいことや夢がいっぱいありました。それが仕事のプラスになったと思っています。これからもいろいろなものに好奇心をもち、夢を大切にしたいです。
マッピー 私もジャズピアニストの夢に向かってがんばろう! ありがとうございます!
「イトーヨーカドー、そごう・西武で買えるよ!」
やっぱり何事も本場で勉強することが大切なんだなあ。私もNYで成功して、50年後に「来日」インタビューを受けられるようなビッグな人になりたい! そして賢三さんみたいに後輩に優しく教えてあげよう!
プリントブラウス ¥16,000、プリーツスカート ¥19,000(共にセットプルミエ バイ ケンゾータカダ | 西武池袋本店/イトーヨーカドー)/その他*本人私物
Photo: Hiromichi Uchida Text&Edit: Itoi Kuriyama