お正月には着物を♡“おめでたい”をたっぷり詰め込んだ文様の世界

下町散策が似合いそうなヤツデ柄の着物と帯。柄×柄の着こなしは着物の得意分野ですが、さらに一歩進んで、同じ文様を重ねる「◯◯づくし」も面白いもの。今回は「ヤツデづくし」のコーデです。
着物 ￥36,300(大山キモノちぇらうなぼるた)03-3479-8045／帯￥13,200、帯揚げ￥3,850(キモノ葉月)03-6265-8734／帯締め 参考商品(きものやまと)0120-18-8880／下駄(スタイリスト私物)

「八つ手(ヤツデ)」とは天狗がうちわにしているアノ葉っぱ。本来、ヤツデの葉は7枚か9枚のものが多いのですが、縁起担ぎが大好きな日本人。縁起が良かろうと末広がりの「八」の数字を当ててヤツデとなったようです。うちわのように大きな葉っぱが幸運を招き寄せると言われている縁起柄です。

街中にも馴染みやすいモノトーン感覚の着物。シンプルに品よくまとめた中にも文様が色々隠れています。
着物￥42,900、帯締め 参考商品(きものやまと)0120-18-8880／帯￥38,500円、草履￥30,800(大山キモノちぇらうなぼるた)03-3479-8045／帯揚げ(スタイリスト私物)

着物にはよく見るとナスがたくさん♡「事を成す(ナス)」の語呂合わせで実はナスも縁起柄。帯の柄はおめでたいといえばの組み合わせ「松竹梅」。定番のモーチーフもそれぞれ円形にデザインされてモダンな雰囲気です。

着物らしい賑々しさのある着こなし。着物に描かれているのは里山の風景。山も四季折々の花はもちろん民家でさえも、着物の図案家にかかれば暮らしを取り巻く全てのものが立派なモチーフです。
着物￥7,700、帯￥11,000、帯揚げ¥3,850(キモノ葉月)03-6265-8734／草履、帯締め(スタイリスト私物)

帯と草履には「亀甲文様」。読んで字のごとく亀の甲羅を意匠化した六角形の文様です。“鶴は千年、亀は万年”というように、長寿を表します。

揺らめく波に帆掛船が揺れる絵柄はアンティークの訪問着。ちょっとオトボケ顔の鯛の帯を合わせて、海の景色をイメージした着こなしです。
着物 ￥41,800、帯¥33,000(銀座円窓乃やゝ)03-6278-7612／帯どめ¥ 5,500(キモノ葉月)03-6265-8734／草履 参考商品(きものやまと)0120-18-8880／帯揚げ(スタイリスト私物)

船のモチーフは風を受けて物事が軽快に進む「順風満帆」を表す文様。また「船出」と解釈して新しいスタートにもぴったりの絵柄です。言わずもがなの鯛の文様は「おめでたい(タイ)」縁起柄。新しい船出を“おめでたい”と祝う、そんな絵解きの楽しみも潜ませています。

キリッと引きしまったブラックはきものではちょっと珍しい色使い。色とりどりの金平糖を散らしたようなデザインを受けて、様々な花を丸い形にデザインした花丸紋が並ぶ帯を合わせました。
着物￥38,500、草履￥30,800(大山キモノちぇらうなぼるた)03-3479-8045／帯￥39,600(銀座円窓乃やゝ)03-6278-7612／帯揚げ￥3,850、帯締め¥3,300(キモノ葉月)03-6265-8734

着物に描かれているのは「宝尽し」という文様。晴れ着では人気のモチーフで、組み合わせは様々ですが七宝(しっぽう)、隠れ笠(かくれがさ)、打出の小槌(うちでのこづち)などの宝物を集めて描いた可愛らしい図案です。

今日は主役！そんな日にこそ着て欲しいブルーが鮮やかなアンティークの訪問着。着物にも負けない大胆な構図の帯は竹がモチーフです。
着物¥55,000(銀座円窓乃やゝ)03-6278-7612／帯￥11,000、帯締め¥3,300、草履￥3,300(キモノ葉月)03-6265-8734／帯揚げ￥4,730(大山キモノちぇらうなぼるた)03-3479-8045

文様の中に文様を描くのも着物では定番の表現。着物は雲の文様の中に花々が、帯は竹の中に先ほども紹介した亀甲(きっこう)や七宝(しっぽう)が描かれています。縁起の良い柄同士を重ねることで、良いことが重なりますようにという思いも込められています。