24 Jun 2016
話題のブランド、KOCHÉ(コシェ)のデザイナーのクリステル・コシェに直撃

Christelle Kocher クリステル・コシェ
2010年よりオートクチュールの装飾などを請け負う羽根細工工房「ルマリエ」のクリエイティブディレクターを務める。14年自身のブランドを設立。
WEBSITE: http://www.koche.fr/
instagram: @koche_official
――ブランドのコンセプトは?
「フランスのファッションの伝統であるクチュールとストリートウェアをミックスすることです。素材を吟味し、刺繡といった手仕事を駆使しています」
――秋冬のテーマを教えてください。
「シーズンごとに特別なテーマは設けていませんが、オートバイ競技のモトクロスが念頭にありました。私の兄弟がやっているので彼の写真をプリントに使用したんです。あとはマレーネ・ディートリッヒやグレタ・ガルボの映画のイメージも取り入れました。Tシャツの折り紙のようなディテールは、ルーマニア人アーティスト、エイドリアン・ゲーニーからの発想です。バンクーバー生まれのラッパーでヴィジュアルアーティストのトミー・ジェネシスの音楽もイメージソースのひとつとなりました」
――なぜ屋根付きの商店街であるパサージュでショーを行ったのですか?
「屋内にいるようでいて、ストリートでもある、という感覚がブランドイメージに通ずるものがありました。18世紀から存在する歴史のある場所にはさまざまな国籍の人々が集っています。〝カルチャーミックス〟であることも私にとっては重要なポイントでした」
ショー来場者に渡す「マニフェスト」。
――モデルもさまざまなタイプを起用していましたね。
「今日のグローバル社会では、国籍、体形、性別を問わないファッションの提案が必要です。ストリートキャスティングを行い、多様な人々にモデルになってもらいました。身長160cmの女優から日本人男性までいます」
――最近はコシェさんと同年代の若手が存在感を増していますが、今のモード界についてどう思いますか?
「昨日〈ファセッタズム〉の落合宏理さんに会いましたが、アイデアにあふれていて、とても興奮しました。業界の中にはコマーシャルに力を入れているところもありますが、面白いことをやろうとしている人もいる。消費者にとって、選択肢がたくさんあるのはよいことだと思います」

さまざまな素材をパッチワーク。
Tシャツ ¥110,000

「デニムを“特別なもの”にしたかった」。
トップ ¥90,000

ブルーデニムをオーバーダイ加工した「エイチ ビューティ&ユース」別注色。
デニム ¥75,000(以上コシェ | エイチ ビューティ&ユース)
Photo: Hiromichi Uchida Text & Edit: Itoi Kuriyama
2016年7月号掲載