もの選びひとつにも独自のセンスや嗜好があふれている、男の愛用品。私たちが取り入れるうえでのアドバイスも聞いてみた。#ファッションのプロが愛用するアイテム
👗FASHION
〈ターク〉デザイナー/森川拓野はヴィンテージのカマーバンド。ファッションのプロが愛用するアイテム vol.2
ヴィンテージの カマーバンド
森川拓野
〈ターク〉デザイナー
古くは、シルク製が一般的。今では、リネンやニットも登場。テーラードを得意とする〈サンローラン〉などのブランドでは、レディス展開もあり。
むしろ女性の方が自由に取り入れられる
レディスよりも細かなルールのあるメンズのドレスコード。そのもっとも格式の高い正礼装(フォーマル)で欠かせないのが、ウエストに巻くカマーバンドだ。
「シャツをタックインした腰まわりを隠すように巻いて着こなしを飾るメンズ特有のドレス小物です。フォーマルのルールを重んじる男性にとっては、これを巻くことが“キメキメの正装”というイメージが脳裏に焼きついてしまっているため、なかなか普段使いしにくいアイテムではあります。おまけに、社交場の少ない日本の生活シーンでは、着用する機会が少ない」と、冠婚葬祭以外ではほぼ身につけることがないという。
その点、「そもそもなじみのない女性は、きっとそのような先入観がないでしょう。ベルト同様のアクセサリー感覚で、自由に着飾れると思います。服装は、ジーンズにシャツ、ワンピースなど、あえてカジュアルなスタイルに合わせてマニッシュなムードを出すと、バランスよく取り入れられる。なかなか紳士服店に入るのは勇気がいると思うので、テーラードを得意とするハイブランドの路面店やWebでの購入がおすすめです」
ウエストをギュッと絞れば、腰高に見えて、脚長効果も期待できる。
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森川拓野
1982年神奈川県生まれ。文化服装学院卒業後、〈イッセイ ミヤケ〉に入社。独立後、2012年に〈ターク〉を設立。19年にFASHION PRIZE OF TOKYO受賞。
Illustration: Tatsuya Koiso Text: Keiichiro Miyata