スタイリスト三田真一さんがすすめる、メンズ服のベーシック vol.1
「シーズン毎に改良される定番服の背景には、機能やディテールなど、奥深いストーリーが隠されています。なかでも、既製服の原点であり、普遍的な魅力をもつワークやミリタリーのエッセンスが流れるものを選びました。どれも、きちんと時代性が取り入れられているので着こなしやすい。身幅が広くても、ベルトでウエストを絞れば、女性らしいバランスに変わります」
アームホールまでゆったり!
is-nessのPコート
Pコートの元祖、と呼ばれる〈13スター〉がベース。「今は50州あるアメリカですが、建国時は13州でした。それにちなんで、13個の星がボタンに彫られています。男って、こういうウンチクに弱いんですよ」。ビッグシルエットのトップの上に重ねても、脇がゴワゴワすることなく快適に羽織ることができる。¥82,500(イズネス | アルファ PR)
あまりの肌触りのよさに頰ずりしたくなる
BODHIのフィッシャーマンカーディガン
防寒着として船乗りに愛された地厚なニット。「本来はガチガチに硬いウールが用いられますが、安心してください」。こちらは軽く、柔らかく、滑らか、と三拍子そろったホワイトカシミア製。だけど面構えはヴィンテージさながら。「Tシャツとジーンズに合わせただけでも簡素にならず、サマになる1枚です」。¥154,000(ボーディ | アルファ PR)
あえて柄合わせしていない胸ポケットが可愛い
Son of the Cheeseのネルシャツ
一般的なデザインに見えるけれど、女性が着ていても違和感のないドロップショルダーに。「ジェンダーレスの流れを象徴する1枚です。シルエットだけでなく、配色まで中性的。軽いフランネル素材のため、冷房が効いた季節も重宝します。ロングシーズン活躍するので、まず持っておいて損はない」。¥26,400(サノバチーズ | サノバチーズストア)
ジップは開けても閉じてもよし
steinのハリントンジャケット
スポーツシーンで用いられる“ジャンパー”の原型とされる。軽くて着丈が短い仕様はそのままに、ミリタリーを象徴するトレンチコートのディテールをちりばめて〈シュタイン〉独自のデザインに昇華。「ダブルジップ仕様なので、フロントの開き具合を調整しやすく、すんなり着こなせます」。¥74,800(シュタイン | carol)
街でも山でもこれ1枚で快適
Mountain Researchのフーディ
ブランド名の通り、アウトドアを背景に服づくりする〈マウンテンリサーチ〉には機能ウェアが充実。“天然のエアコン”と称されるメリノウールのフーディは、夏は涼しく、冬はポカポカで快適。「洗うほど柔らかくなり、味わいが増していくのでどんどん愛着が湧いていきます」。¥28,600(マウンテンリサーチ | ……リサーチ ジェネラルストア)
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三田真一
1975年東京都生まれ。独立後、97年渡英。ロンドンを拠点に活動し、2001年帰国。ファッション誌、広告、ミュージック・ヴィジュアルを主に手がけている。