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サスティナブルで気取らない〈マーレット〉のスペシャルなワンピースの秘密

サスティナブルで気取らない〈マーレット〉のスペシャルなワンピースの秘密

長く寒い冬を乗り越え、春を見据える今日この頃。軽く柔らかな素材を纏いたくなるこの季節に注目したいのは、ニューヨーク生まれのブランド「マーレット(Merlette)」のティアードワンピース。世界中で愛され、SNSでも話題のこのドレスをシグネチャーとするブランドが、いよいよ日本へ本格上陸する。サスティナブルな精神性や、女性に寄り添ったブランドアイデンティティを探るべく、デザイナーのマリーナ・コートバゥイ(Marina Cortbawi)氏にインタビュー。

What’s Merlette?

スーツケースに一番初めに入れる、大好きなワンピースのように

「私自身がよく旅に出るので、時代にとらわれないファッション性と着心地の良い天然素材を使用した、旅にぴったりなブランドを始めました。」そう語るデザイナーのマリーナ・コートバゥイは、オーストラリアのシドニー生まれ。大学を卒業後、仕事で各国を回る中で、コットンだけの旅の洋服のコレクションを作りたいという発想が浮かび、ロンドンでパターンメイキングを学んだ後、2016年に「マーレット(Merlette)」をスタート。キャリアの中で出会った様々な女性の友人や、自身のライフスタイルに寄り添った本当に欲しいワードローブを具現化した。

マーレット デザイナー

デザイナーのマリーナ・コートバゥイ(Marina Cortbawi)

 

「パリ、ロンドン、セイントピーターツバーグ、香港、マドリード、アムステルダム、ミラノ、ドバイ、台湾、ソウル、デリ、ムンバイ、リブソン…様々な世界中の美しい街を訪れ、そのほとんどの場所で感動し、旅を通して自身の性格まで変わりました。また、私自身がオーストラリアで生まれ育っている影響もあり、リラックスしたナチュラルなスタイルになっていると思います。」好奇心の赴くままに旅をし、グローバルに活躍する現代の女性たちをエンパワメントする、エレガントでストレスフリーなリアルクローズブランド。その信条は「スーツケースに一番初めに入れる大好きなワンピースのように」というワクワクするようなステートメントでも表現されている。

 

どの工程においても思いやりを持ち、考え抜かれていることが重要

コレクションは型数を無闇に増やさず、生地やデザインを無駄にしない。シーズンごとに再利用可能な生地を使用し、余っても各シーズンで再利用するなど、サスティナブルな取り組みもこのブランドの注目すべきアイデンティティ。「全ての素材はOEKO-TEX®に承認され、また多くの素材がBCI(ベターコットンイニシアティブ)に認可。アルパカウールは自然に優しく、害虫駆除の為に行われる残酷なミュールジングを一切行わない素材を使用しています。使用する素材はすべて、どこから来たものかを把握することができるんです。」

 

マーレット ワンピース

 

サスティナビリティという言葉が世界的ブームになり氾濫する中で、生産に関わる世界中の製造業者を訪問し、その土地土地で従業員を雇い、どの工程においても透明性を確保するという徹底した品質管理を実践している。「その製品を作るすべての人が健康で幸せでなければなりません。スローで良質なファッションには時間がかかりますが、関わる人々を繋げ、コミュニティの維持にも役立ちます。手刺繍など、昔ながらの伝統の技術を守ることも重要。着る人も、関わった人たちの仕事とその価値に感謝できると思うのです。」スモッキング刺繍はブランドのシグネチャー的な技術。職人たちと一緒に毎シーズン新しいテクニックを製作している。

メインとなる素材はピマコットン。素材の手触りの良さを大切にし、繊細で柔らかく、ハリがあり動きやすくも、デザイン構造を保てる生地をオリジナルで生産している。他にもウール、アルパカウール、シルクなどの天然素材を使用し、合成繊維は使用しない。「心地よい素材は着る人に自信を与え、気持ちを落ち着かせてくれるものだと思います。」

 

About Signature Dress

エレガントだけど気取らない2つのドレスについて

アイコンでもあるティアードドレス「SOLIMAN(ソリマン)」はファーストシーズンからあるアイテム。「ドラマチックで扱いやすく、簡単に着られる洋服を作る上で、素材を活かしたティアードのデザインを採用しました。何度もボリュームを変え、実験を繰り返しながら誕生したデザインです。丈を短くすることで、ワンピースとしてもチュニックとしても着られるように。」

また、ティアードを大部分に使用することにより、畳んだ時にシワになりにくい機能性も旅のワードローブとして活躍する特徴になっている。「ボリュームは服をドラマティックにできる効果的な技法だと思っています。1850年代から人気の普遍的なスタイルにヒントを得ました。当時の女性は、高低差のある層の連なりの長いティアードスカートを穿いていて、私はこの美的感覚が大好きです。」

「ESSAOUIRA(エッサオーイラ)」は、「SOLIMAN(ソリマン)」のティアードデザインをベースに、スニーカーと合わせてもおしゃれに着られるような長めの丈と、アイレットレースの切り替えラインがポイントに。「楽しくてファッショナブルなものを求めている方の新定番となりました。考え抜かれてデザインされた、エレガントだけど気取らないこの2つのドレスは、私たちのベーシックアイテムとして毎シーズンコレクションで発表しています。」

映画やアートなどのリサーチから色を決め、毎シーズンアップデートされるドレスの新色にも注目したい。「COLLECTION No7の強くポップなカラーリングとくすんだパステルカラーは、ウォルフギャング・フィルマンスの『Freischwimme』シリーズのインクジェットのカラーパレットからインスパイアされました。」

 

マーレット ワンピース

左:ティアードのミニ丈が軽快さとエレガントさを持ち合わせる「ソリマン」¥48,000、右;ソリマンよりも長く、フレアがさらにプラスされたミディ丈の「エッサオーイラ」¥65,000

 

本物が持つ魅力は、ブランドの情熱そのもの

最近ではそんな定番のティアードドレスのコピー品が現れているという。「コピー品の粗悪な肌触りは、袖を通した瞬間にすぐわかると思います。それらの素材はおそらく長持ちするものは使用されていないし、すぐに捨てられてしまうでしょう。今日のファストファッション市場によってもたらされた大きな問題でもあります。偽物は、着る人に安価な投資と一過性のものを提供しているだけで、単純にサスティナブルではないと思います。本物は、簡単に真似できない技術や情熱を費やしているので、私はコピー品なんて全く気にしません。Vivienne Westwoodが言っている通り、『少なく買って、良いものを選び、長持ちさせよう!』」

 

一見ロマンチックでエレガントなドレスは、技術や労働環境に真剣に目を向け、ブランドチームや工場の従業員までもが気持ち良く働くことに重きを置き、素材と美しさにこだわったブランドの情熱的なアイデンティティから生まれている。「シンプルで良いデザインをして、少ない仕事量にすることに挑戦し、メディア掲載やランウェイの為だけではなく、人が何を着るのかを提案していきたい。また、着心地のよさだけでなく、スタイリッシュでオリジナルであること。これはMerletteを続ける上で大切にしていることです。」ひとつひとつ愛情を込めて作られる特別な一枚の洋服は、着る人に寄り添い、自信と自由さを与える。気取らないスペシャルなワンピースは、あなたの人生という旅を彩る衣装でもあるのだ。

 

マーレット ワンピース

問い合わせ先

サザビーリーグ
Tel. 03-5412-1937

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Text & Edit: Aguri Kawashima

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