〈ミュウミュウ〉によるショートフィルムプロジェクト「MIU MIU WOMEN’S TALES(女性たちの物語)」の最新作『THAT ONE DAY』が公開されました。
2011年にスタートし、今作で12回目となるこのプロジェクトは、国際的に活躍する女性監督たちが21世紀の女性らしさを表現したムービーを展開するシリーズ。
今年2月に発表された前作では日本を舞台に、監督・河瀨直美、女優・安藤サクラがタッグを組んで話題を呼んだことが記憶に新しいです。(見てない〜!という人はこちら。)
最新作『THAT ONE DAY』は、ニューヨークを拠点に活動するアメリカ人映画監督のクリスタル・モーゼルが手がけ、9月1日に開催されたヴェネツィア映画祭にて初のお披露目を終えたばかり。
主演はガールズスケーターのレイチェル・ヴィンベルク。
ニューヨーク郊外に住む17歳の少女、レイチェルが男性優位主義による差別に溢れた日常に嫌気が差し、スケートボードに乗って自分探しの旅に出るところからストーリーが始まります。そして旅先のスケートパークで恐れ知らずの女性スケーターたちと出会い、彼女らの揺るぎない強さに惹かれていくレイチェル。
部屋でくつろぐシーンでは、秘めていた想いを仲間に吐露する場面も。
彼女たちと過ごすことで自分らしく生きる強さに気づいたレイチェルは、「生まれて初めて、いつもの孤独感を感じなかった。」と言って涙します。
筆者もそうでしたが、多感な時期に影響を受けたモノやコトって一生、自分の格に残る気がします。
クリスタル・モーゼル監督が「私が思春期の真っただ中にあったとき、〈ミュウミュウ〉は少女から大人へと成長して行く私のストーリーにおいて、とても大きな存在でした。」と語るように、女性の一生に関わっていくブランドって稀有な存在だよな〜と、しみじみ。
劇中後半に登場する衣装はもちろん、秋冬シーズンの新作。なんといってもキャストそれぞれの個性を生かしたスタイリングが秀逸! モデルが着るのとは違った発見があり、〈ミュウミュウ〉の洋服たる着こなしの楽しさを感じさせてくれます。
プロスケーターたちの迫力のあるパフォーマンスもさることながら、主人公の繊細な心情を捉えた、情景的な映像美にも注目。リップを塗るこのシーン、意味深な間があって一瞬ドキっとしちゃいました。
キャストは本物のガールズスケーターたち。優美なガウンやワンピースを着ていながらも、機敏に滑る姿は圧巻!
女優やミュージシャンなど、人気の若手クリエイターも起用されています。
「女性の人生における思春期に、たまらなく惹かれます。少女でもなければ、女性にもなりきっていない、あの時期に。」− クリスタル・モーゼル −
撮影はチャイナタウンやダウンタウンのストリートなど、ニューヨーク市内で行われた模様。ニューヨークを訪れたことのある人には、馴染みのある場所が映っているかも?!
少女の“人生が変わる瞬間”を捉えた13分弱。
〈ミュウミュウ〉の公式ホームページでぜひチェックして。