〈ミュウミュウ〉のショートフィルムプロジェクト『女性たちの物語』。第22弾として公開されたのはチュニジア人映画監督カウテール・ベン・ハニアが手掛けた作品。
〈ミュウミュウ〉のショートフィルムプロジェクト。21世紀の男女のコミュニケーションを問う
国際的に活躍する女性監督が鋭い視点で制作した映画を発表する〈ミュウミュウ〉のショートフィルムプロジェクト「女性たちの物語」。
女性たちは自分自身をどのように見ているのか?お互いをどのように見ているのか?そして、外見は常に女性たちの思想や知性を示すもので、官能性や悦びと容易に切り離せないのではないか?……作品はどれも21世紀の虚栄とフェミニニティを追求し、時代とともに変化してきた女性の在り方について問いかけてきた。
そして、先日第22弾『I AND THE STUPID BOY』が公開された。手掛けたのは、チュニジア人映画監督カウテール・ベン・ハニア。2017年には『Beauty and the Dogs』がカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門にて上映。最新作『皮膚を売った男』は、アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされている。
『I AND THE STUPID BOY』は、パリで少女が少年に向かって「携帯電話を返して!」と必死に叫んでいるのをハニア監督が目撃したことから生まれた作品だ。
カウテール・ベン・ハニア監督
新しい恋人ができたばかりの主人公ノラは、とびきりのおしゃれをして、デートに向かう。途中、近道をするため、廃墟となったビルを通り抜けようとすると、前の恋人のケビンが現れる。
作品では、21世紀現代の普遍的な男女のパワー、セクシュアリティ、恥じらい、辛辣なフェミニニティを加えたストーリーが展開されていく。
「あり得ないラブストーリーを作りたかった」とハニア監督。「この物語の女性はとても共感的な人ですが、青年は何から何まで自分の視野でしか見ていません」。この異なる性格の二人のコミュニケーションを探求している。
また、ストーリーの基盤となるのは〈ミュウミュウ〉のアイテムに身を包んだノラの雰囲気そのもの。「映画では風景や照明のように、衣装がとても力強いツールになります。ノラにはセクシーな魅力があり、クールでいたいと彼女は思っています。でもケビンに呼び止められた時、彼女の衣装は異なった表情を放ちます。私はこの矛盾がすごく気に入っています」と語る。
『I AND THE STUPID BOY』には、有害な人間関係と自己価値、スマートフォンやソーシャルメディアとの親密な仲、そして「秘密がワンクリックでいかに簡単に暴露されてしまうのか」という現代の若い女性たちが直面する身近な問題がいくつも詰め込まれている。どこかでハッとさせられることもあるのでは?