プロフェッサー栗山がモードのニュースをわかりやすく解説 – 新生ランバン初のルックが発表

プロフェッサー栗山がモードのニュースをわかりやすく解説 – 新生ランバン初のルックが発表

新生ランバン初のルックが発表される

GINZAでおなじみの自称モード界のご意見番プロフェッサー栗山による「モードそうだったのか!!」。独断と偏見を交えながら最新ニュースを嚙み砕きます。

ファッション業界においてここのところ伝統的なブランドのデザイナー交代が激しいが、そこで問題になるのが新任者とブランドイメージとの関係性だ。発売中の『GINZA』7月号 で2016-2017秋冬コレクションレポートを担当した際『朝日新聞』編集委員の高橋牧子さんにお話を伺ったのだが、それには大きく以下の2タイプがあるとおっしゃっていた。

  1. 個性が強いデザイナーがブランドイメージを一新・改革する
  2. 優秀なデザイナーがブランドイメージを緩やかに維持・発展させる

1は、たとえば〈バレンシアガ〉の新アーティスティック・ディレクター、デムナ・ヴァザリア。アイロニーに満ちたストリートスタイルを打ち出し、それまで業界全体に漂っていた「エフォートレス」礼賛なゆるい空気に水を差して話題をさらった〈ヴェトモン〉のデザイナーだ。彼が初めて手がけた2016-2017年秋冬の〈バレンシアガ〉はアーカイブを参照しつつも彼らしさが爆発。それまでとは全く違うコレクションとなっていた。

そして2の筆頭と思われるのが今年3月に〈ランバン〉ウィメンズ・コレクションのアーティスティック・ディレクターに就任したブシュラ・ジャラールである。

Bouchra-JarrarCourtesy of Lanvin

 

彼女は20年以上のキャリアを持ち、さまざまなブランドで経験を積んだ後、2010年自身のブランドを立ち上げ、2013年12月よりオートクチュール協会の正式会員となっている。ファッションの真髄の世界で腕を磨いてきたまさに実力派なのだ。

そんな彼女が初めて手がけた〈ランバン〉の2017年リゾートコレクションが先ごろ発表された。

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実物を見てはいないのだが、写真の印象で言えば、まさにフレンチブランド然としたシンプル、シック、そして知性的な感じがする。本物を知っている彼女のこと、シルエットは美しく、素材もきっと厳選されているに違いない。

 

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ところで彼女は強烈な個性を打ち出しているわけではないからこそ、上記のタイプ分けによればより一層〈ランバン〉らしさが期待されるはず。では〈ランバン〉らしさとはなんだろうか。

私は昨年パリで開催された〈ランバン〉の創始者ジャンヌ・ランバンの展覧会に行ったのだが、そこには彼女が手がけた絢爛豪華な刺繍や装飾が施されたドレスがたくさん展示されていて、まるで工芸作品のような精巧さ、華やかさに圧倒された。〈ランバン〉らしさとは、ひょっとしたら、その「華やかさ」、のようなものなのではないだろうか?同時に前アーティスティック・ディレクターのアルベール・エルバスは見事にこのムードを受け継いでいると感嘆したのだが、ジャラール氏はどうか。彼女のコレクションは、なんというか、「静」のイメージだ。ジャンヌ・ランバンやアルベール・エルバスのような、「陽気な華やかさ」はあんまり感じられないかも。

いやいや、これはよりデイリーに着てもらうためのプレコレクション。まだまだ前哨戦だ。というわけで、9月に発表されるという本コレクションでどれだけ〈ランバン〉らしい「動き」が出るか、勝手に期待している次第です。

プロフェッサー栗山

Professor Kuriyama
プロフェッサー栗山

Text&Edit: Itoi Kuriyama

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