14 Jun 2021
夏の定番“白”は遊びを取り入れて|上質モノトーン講座 vol.2

もっともベーシックで身近な白と黒。無難にこなしていませんか?そのパワーを最大限に生かし、素敵に着るアイデアを提案。美術博士・筒井亜湖さん、洗濯ブラザーズさん、スタイリスト・木村舞子さんらによる色彩心理における印象や、気になるお手入れ法のレッスンもチェックして。
Sporty White
夏の白はスポーティなアウターで
Big Collars
ロマンティックな白襟ブーム
左 大きな白襟がトレンド。ギョーム・アンリが手がける〈パトゥ〉がブームを牽引。フレアパンツやメンズライクなボトムに合わせるとさらに今年らしくなる。左 肩まで覆うケープのようなつけ襟とギャザーブラウスの重ね着が乙女心をくすぐる。ブラウス ¥60,500、つけ襟 ¥20,900(共にパトゥ | イザ)中 ロールカラーとウエストを絞ったシルエット。パフスリーブがロマンティック。ブラウス ¥64,900(アディアム | アディアム 東京ミッドタウン店)右 フローラルカラーをコードで結ぶデザイン。ラウンドヘムのショート丈。ブラウス ¥25,300(ニアー ニッポン | ニアー)
Crochet & Lace
レーシーなテイストが新鮮
ちょっと懐かしいクラフト感に注目。
上から時計回りに ビンテージのようなクロッシェで70sマインドを取り入れて。カーディガン ¥41,800(ビリティス・ディセッタン | ビリティス)/ストラップからウェッジソールまでレーシーを極めた1足。サンダル ヒール5.5cm ¥79,200(クレジュリー | ブルーベル・ジャパン)/スウェットやジャケットの上につけるのが今年流。つけ襟 ¥2,200(ダブルクローゼット | ウェアーズ)
Pure White
小物はピュアホワイトで
小物は「真っ白」にこだわりたい。くすみのない発色がコーディネートを一気に垢抜けて見せてくれる。
左から時計回りに 白のチェーンがアクセント。ストラップを収納してクラッチとしても。バッグ H15×W20×D5cm ¥97,900(ヌメロ ヴェントゥーノ | イザ)/グラフィカルな〈ビュル〉シリーズにバケット型が登場。ライニングはキャンバス地。ショルダーストラップ付き。バッグ H20×W13×D13cm ¥107,800(ピエール アルディ | ピエール アルディ 東京)/白さが際立つパテントレザーは手入れが楽なのもうれしい。シューズ ヒール2.5cm ¥121,000(ジェイエムウエストン | ジェイエムウエストン 青山店)
Lesson 1
定番の白はデザインで遊ぶ
「明度の高い白は色彩感情でいうと弛緩を表し、柔らかさ、軽さなどの意味を持つ色。白を着ることを色の対比の観点から語ると、肌色をやや濃く見せるので健康的な印象を与えます。逆にフォーマルに見せたいならファンデーションをワントーン明るくしてもいいですね」(筒井亜湖)
今シーズン注目すべきアイテムとは?
「最近の流れとして機能性が求められていると感じます。スポーティな白のアウターは爽やかなだけでなく、撥水性や汚れにくさもあり、今からの時季にとても使える1着。ロマンティックマインドも気になります。つけ襟は手軽にプラスできるアイテムで、カジュアルなスウェットやアウターと合わせるのもおすすめです。同じ流れでクロッシェやレースも。甘さやハンドメイド感を前面に出すのではなく、ちょっとだけ取り入れるのが今の気分。白の強さを生かすなら小物。コーデに洗練された抜け感をプラスしてくれます」(木村舞子)
Lesson 2
クリーンな白をキープするには
「大事なのは汚れの段階で落とすこと。皮脂や汗などを放置すると酸化して黄ばみの原因になります。コットンなどの普段着には洗浄力の強い弱アルカリ性の洗剤がおすすめ。リキッドよりも粉の方がより洗浄力が高いです。綺麗にするために洗剤を多めに入れるという話をよく聞きますが、繊維に洗剤が残ってシミの原因に。洗剤は適量を守ってしっかりすすぐことが大切です。自動洗濯機やドラム式は節水モードになっているものが多いので、水量のレベルを一段階上げたり、注水すすぎを選ぶのも洗浄力アップにつながります。また、洗剤と水を1対1で混ぜたものをスプレー容器に作っておくとプレウォッシュ剤として便利。襟や脇の下にスプレーして10分置く、洗濯ブラシでトントン叩くとさらによし」(洗濯ブラザーズ)
筒井亜湖さん つつい・あこ
美術博士。多摩美術大学、東京工芸大学、武蔵野美術大学で色彩学の講義を担当。配色や絵画作品の評価について、心理学的な方法論を用いて研究を行う。ステイホームでは愛猫と過ごし、外出時にはハイヒールを愛用。
洗濯ブラザーズ せんたく・ぶらざーず
茂木貴史、茂木康之、今井良の“三兄弟”が日々の洗濯を楽しくするため結成。オリジナル洗剤はスタイリストの間でも話題に。著書に『日本一の洗濯屋が教える 間違いだらけの洗濯術』がある。sentakulife.com
木村舞子さん きむら・まいこ
スタイリスト。百々千晴氏に師事後、独立。カジュアルからモードまで黒をシャープに着こなす達人。このページのスタイリングを務める。ginzamag.comで連載中の「サステイナブルライフへの道!」も話題に。
Photo: Yuka Uesawa Styling: Maiko Kimura Edit: Naoko Sasaki
GINZA2021年5月号掲載