映画のヒロインが魅力的な理由ってなんだと思う?少なからずとも、ファッションは絶対に関係あるはず!だって彼女たちの着こなしには、作品の世界観が詰め込まれているのですもの。
映画鑑賞はもっぱら自宅ののんびりタイム派、だけどお洒落でかわいい女の子が登場する映画チェックに余念のないスタイリスト早川さんによる、妄想シネマコーディネート企画。
第2作目は、1990年代の青春映画の決定版『リアリティ・バイツ』。とびきりキュートなウィノナ・ライダーと、ニヒルでかっこいいイーサン・ホーク、そしてザ・ナックやU2など劇中で使われている音楽も印象的な本作。飾らないヒロインを早川流にスタイリング!
Reality Bites
大学卒業後、地元のTV局で契約社員として働き始めたリレイラだったが、ふとしたきっかけでクビになってしまう。そんな折、リレイラと親友のヴィッキーが住むアパートへ、同じく職を失った男友達のトロイとサミーが転がり込み、強引に共同生活が始まるが……。当時“ジェネレーションX”と呼ばれた1961年〜81年生まれの若者を描いた青春群像劇。
「ヒロインのリレイラは、育ちがよくて秀才、しかも美人というキャラクター。なので、着飾る必要なんてない。ベーシックで媚びないファッションがキマってて、とってもステキです。うーん、ずるいっ。親友のヴィッキーが着てる、ヴィンテージアイテムとGapをMIXした、ちょいビッチなファッションもいいのでチェックして」
出演|ウィノナ・ライダー、イーサン・ホーク、ベン・スティラーほか
監督|ベン・スティラー
1994年製作/アメリカ/98分
販売元|ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
水玉がマニッシュなヘアにマッチ
ワンピース¥33,000(フィーニー)
大学の卒業式後、ビルの屋上でドキュメンタリー映画の撮影をしているリレイナの格好をイメージ。「高層ビルの上で撮影していたから、柔らかい素材のワンピースの裾がヒラヒラと揺れて、こざっぱりとしたマニッシュなショートカットとのバランスがすごくかわいくて印象的! 今シーズン注目の水玉はノスタルジックに着るのもいいけど、飾り気のないショートカットや、ローファーなどのトラッドなアイテムと合わせてインテリジェンスなエッセンスを差すと、都会的でステキ」
アメカジベースの新入社員スタイル
左:シャツ¥23,000(フランク&アイリーン|サザビーリーグ)右:ジャケット¥43,000(マーガレット・ハウエル|アングローバル)
TV局で働き始めたリレイナ。新入社員のお堅めで初々しい着こなしは、ちょっとした抜けポイントを作って。「工場を経営している社長の娘だし、新入社員だし、っていうのでリレイラ的にはきれいめなコーデだったのかもだけど、ベースは90sのアメカジ。真似するならシャキッとしているよりも、くったりとした素材感や、ゆる~いラフな着方でこなれた雰囲気を出して。合わせるボトムスは、ハイウエストで腰回りがゆったりしてるものが、彼女らしくなっておすすめ」
モラトリアム期のTシャツ
左:ブルーグレーTシャツ¥9,500(オーラリー)右:ボルドーTシャツ¥6,900(シティショップ|シティショップ 青山店)
仕事を辞めてしまった後のリレイラのファッションは、解き放たれたかのように思いっきりリラクシー。「自分のものなのか、同居人の誰かのものなのかわからない、ゆるいTシャツをよく着ていた彼女。ジャストサイズよりも身頃が太めのものや、ダメージ加工が施されたものだとそれっぽいかな。オーラリーのTシャツはツイストコットンを使っていて、とにかく柔らかくて、これを着てだら〜っとテレビを見てたら最高だろうなーという着心地。ソファの上のファッションですね」
やる気の赤トップス!
トップス¥15,000(エイチ ビューティ&ユース)デニム¥42,000(サイモン ミラー|エドストローム オフィス)サングラス¥21,000(レイバン|ミラリ ジャパン)
ガソリンスタンドでアルバイトを始めたリレイラは、赤が効いたコーディネートで、はつらつとして見える。「赤い服は、やる気がみなぎってる、というイメージを作りやすい。ガソリンスタンドでこのコーディネートだと、ちょっとお洒落過ぎかも!?って気もするけど、シティライクにアレンジして、リアルクローズに落とし込んでみました。トップスはちょっぴり女っぽく、深めのスリットが入っているから、フロントやサイドを軽くインして着るのもいいですね」
知的、だけど気負いのない一足
ローファー¥24,000(ファビオ ルスコーニ|ジャーナル スタンダード 表参道)
アンプスやレースアップシューズよりもラフ、スニーカーよりもキレイめ、そんな一足がリレイラのキャラクターにマッチ!「全編通してほとんど足元が映らない作品だったので、どんな靴を履いてるのかな〜、っていう妄想。着こなしの傾向的にも役のイメージ的にも、ローファーだと思うんです。バレエシューズも合いそうだけど、リレイラにはちょっと甘いかも。革が薄く、かかとを踏んでバブーシュ風にも履けるラフな一足は、かっちりしすぎなくてこの映画のイメージにぴったりです」
お問い合わせ:フィーニー03-6407-8503/サザビーリーグ03-5412-1937/アングローバル03-5467-7864/シティショップ 青山店03-5778-3953/オーラリー03-6427-7141/エイチ ビューティ&ユース03-6438-5230/エドストローム オフィス03-6427-5901/ミラリ ジャパン03-3514-2950/ジャーナル スタンダード 表参道03-6418-7958