今日は展示会、明日は撮影、明後日はパーティー(端っこでドキドキしながら)、1年365日ファッションを追い続けるGINZA編集部 員。その現場で見つけた、リアルにおすすめしたい、いやすでに買ってしまった、買いたいが銀行口座が(いや、家族が)がそれを許さない、そんなナイスのア イテムたちを、K・Y・C、編集部三姉妹が週替りでご報告します。題今回は編集Yが思いを馳せるニューヨークブランドの話。
編集Yが見つけたマストバイ: 〈マリアム ナッシアー ザデー〉のオリジナルコレクション
初めてひとりで海外を訪れたのは10代最後の夏、2004年のニューヨーク。その頃わたしは写真に夢中で、William Klein幻の写真集『NEW YORK』の世界に触れたいというのが、行き先を決めたひとつの理由でした。Andreas Gurskyのオリジナルプリントを見たくてMoMAに行ったときは、ちょうど日本人建築家の谷口吉生さんによってリニューアルオープンしたばかりで多くのメディアが殺到していました。たまたまのご縁で日本の雑誌のMOMA取材に同行させてもらったのも忘れられない思い出に。
仕事での初海外もニューヨークで、それはなんと写真家Mark Borthwickとの撮影! 彼の自宅でプライベートな友人をモデルに、ひとりひとり衣装を自由に着こなしてもらうというフリースタイルなファッションシューティング。スタイリストさんが決めたコーディネートを紹介する企画とは違って、個性豊かな(へんてこな…?!)マークの友だちによるスタイリングがとっても生き生きしていて、「あー、おしゃれって着たいものを着たいように着ればいいんだなー」と痛感させられた撮影でした。
そうやって、ニューヨークは「みんな自分のスタイルで生きればいい」とわたしに教えてくれた場所。マンハッタンに〈Maryam Nassir Zadeh〉というセレクトショップがオープンしたのは2008年。オーナーのマリアムさんはデザイナーとしての経験もあり、アートディレクターのご主人に勧められてお店をオープン。はじめは自分たちの好きな本、音楽、アートや陶器、家具なんかを販売するアートギャラリーのようなお店で、自分たちのスタイルがいろんな人にインスパイアしていったらいいな、というのが始まりだったそう。その後、世の中の“ライフスタイルブーム”を受け、逆にファッション志向になっていったといいます。スピリットが宿っている洋服ばかりがセレクトされている “ファッションのアートギャラリー”のような、そんなお店の存在があることをGINZA9月号の「IT BRAND」特集でリサーチをしていたときに知りました。
というのも2012年、マリアムさんはそれまでの経験を活かし、プライベートレーベルとして自身がデザイナーを務めるコレクションを再開。残念ながら、撮影サンプルの都合で誌面掲載には至らなかったのですが、ロンハーマンで〈Maryam Nassir Zadeh〉のオリジナルコレクションが買えるんです! アーティスティックなマインドを持つ彼女が作る洋服は絶対に素敵なはず。マリアムの洋服を自由に着こなして、それで久しぶりにあの頃の初心に戻ってみたいなー。
ジャンプスーツ ¥83,000、ファーコート ¥143,000(ともにマリアム ナッシアー ザデー|ロンハーマン)、その他*参考商品
問い合わせ先
ロンハーマン
☎03-3402-6839