古着のイメージがあるメイリンさんのスタイルにはデニムがしっくり馴染みますよね。今日のスタイリングのポイントは?
チェックのネルシャツは明るい色調でデニムに合わせやすい一枚。茶色いウールの開襟シャツはシンプルで使いやすく、柔らかいウールで肌触りもよしです。どちらも友人から譲り受けたもの。レザーのシューズは〈ドクターマーチン〉のデッドストック。珍しい形だけれど、ベーシックなマーチンよりカジュアルでフェミニンさもあり、使いやすいんです。
普段デニムは履きますか?
よく履きます。迷ったとき、というか、デニムって迷いなく履けるので、すぐに手が伸びてしまいますね。10本くらい持ってます。ずーっと履いているデニムと、これは履いていないなあ、みたいな物もありますが、そういうデニムに限って来年すごくよく履くようになったりするので、すぐに捨てずに寝かせることが多いです。シルエットに旬はあるけど、その流れが回っている感じもして面白いですね。
デニムを着るときに気をつけていることはありますか?
最近はハイウエストで履きたい気分で。ウエストをきゅっと縛って、シャツやTシャツをぎゅぎゅっとインします。腰回りが安定して、なんだか安心するんですよね。なのでベルトはマストです。ぐぐぐっと履き上げるとその分、裾が短めになるので今日のように靴下で色を利かせたりして遊んでます。シューズはスニーカが定番ですが、レザーシューズを合わせることも多いです。デニムとレザーの関係って煮物みたいだなーって思うんですよ。革がいりこで、デニムが昆布みたいな。笑 存在感のあるお互いの素材を引き立てあって、合わせだしでさらに旨味アップ!色んなタイプのデニムを履きますが、トップスが大きめだったらボトムは細め。ショート丈なら太めのズボンとか、自分なりのバランス感があります。
今回履かれているこのデニムを選んだ理由はなんでしょう?
実はダメージデニムには抵抗があったんですよ。海外セレブがヒールを合わせて履くようなイメージで、カジュアルな雰囲気の自分にはちょっと不釣り合いかな、と。格好良いダメージの入っているものって、様になるんですけど、キメキメすぎない?とか。このデニムはダメージ加工もありルーズなシルエットなのに汚く見えない。立体感があるので履いたときにとってもしっくり着ました。肌がデニムからちらっと見えるのがヘルシーで、春夏にも涼しそう。
メイリンさんが今日選んだデニム「ALEX GRNA」は、Nirvanaからインスパイアされたモデルなんだそうです。今日合わせてくれたチェックのネルシャツとメイリンさんのブロンドが偶然にもカート・コバーンみたいでびっくり。
最近髪を切ってカート・コバーンみたいって友人に言われるので、嬉しい!カート・コバーンのグランジスタイルは、一つのものを大事に着て、長い間一緒に生活するような生活に寄り添うイメージ。私も使い込んだ風合いが好きで、古着を選ぶことが多いので自然とスタイルが似てきたのかもしれないですね。
デニムにまつわる思い出ってありますか?
お父さんがよくデニムを履いていて。どんなデニムかっていうと、ステッチやパッチワークでリペアしてあるタイプのもの。子供心にジグザグのステッチを見て、「コレはなんだろう?」と思ってました。ストレートタイプでかなり色落ちしていて、ファッションとして格好いいかどうかはわからないんだけど、はっきりと父のスタイルになっていましたね。人によっては直さないでボロボロになるまで履く人もいるし、古くなったら履かない人もいる。本当に人によって付き合い方が違うんだなあって。
あとは10代の頃、デニム好きの友人に勧められ、まずはインディゴの濃いノンウォッシュ・デニムを履いて育ててみようかな、と色の濃いものを選んで履いていたんです。履いていくと、当時の私が子供っぽくて膝歩きや、しゃがんだりの動作が多かったのか、膝だけやけに白く色が抜け、格好悪い色落ちに。「いい感じに色落ちしない!ワイルドな感じにヒゲとか付けたいのに〜」って。笑 でも、それだけ履いている人の個性、生活や性格がすごい出るんだなあっていう。
わかります。若いと床を転げ回ったり、しゃがんだりっていうアクティブなアクションをするからか、膝だけやけに摩耗する。笑 では、メイリンさんにとってのデニムの魅力ってなんでしょう。
小さい子からおじいちゃんまで、みんなが履いている本当にベーシックな服。履く人によって印象が違うし、あまりにも日常的すぎて見過ごしがちなんですけど、お休みの日に電車に乗ると、向かいの椅子に座っている人全員がデニムを履いていることってありません? それくらいみんな着こなしていて、生活に馴染んでいるのかなと。安心して履けるけど、それぞれの人のこだわりや履き方が垣間見れるところが魅力ですね。
ALEX GRNA ¥36,000 (画像クリックでデンハム公式WEBサイトへ)
ルーズフィットデニム、「アレックス」。股上は深く、全体的に太さのあるストレートシルエット。膝周りの大きなダメージ加工とパッチワークが特徴的で、脚の両サイドにリペア加工が施されていることから立体感も出るような作りになっている。裾を解いたようなフレイドへム加工も見逃せないポイント。これらの加工は90sのロックバンド、Nirvanaのグランジファッションからインスパイアされているそう。