ファッションはどこに向かうのか? think now fashion 02 -〈ネヘラ〉クリエイティブディレクター サムエル・ドゥリラさん

ファッションはどこに向かうのか? think now fashion 02 -〈ネヘラ〉クリエイティブディレクター サムエル・ドゥリラさん

コレクションからのトレンド提案、ストリートからの流行……同時多発的に新陳代謝を繰り返すファッション。その奥には時代の価値観や感性、私たちがまだ気付いていない、未来への萌芽が潜んでいる。ファッションの仕事に情熱を持って取り組んでいる方をゲストに、ファッションの今と未来を聞く「think now fashion」。第2回は、1930年代にチェコスロバキアで生まれ、2014年に復活した知的で品格のあるスタイルで注目を集めているブランド〈ネヘラ〉クリエイティブディレクターサムエル・ドゥリラさんにプロフェッサー栗山がパリコレの合間をぬって直撃取材してきました!

 

 

 

--2017年春夏コレクションは日本のイメージを取り入れているんですね。

 

着物や帯の要素を用いました。同時にテイラードにも挑戦したかったので両方を融合させています。

 

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また、インディゴ染めのアイテムもあります。日本も有名ですが、スロバキアでも伝統的な技法なんです。

 

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美しく、ソフトでとてもすばらしいフォルムを作り出してくれるので、デニムをはじめ、日本の素材も使用しています。日本のヴィンテージの綿布をパッチワークしたドレスもあるんです。日本の会社は約束どおりにデリバリーしてくれるというのも大変重要です。イタリアなどの場合は生地の配送でたびたびトラブルが起きますからね…

 

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--それは日本人としてうれしいですね!日本に行かれたことはあるんですか?

 

2年前、エルメスに在籍していたころショーを行なうために日本に行きました。東京はもちろん、香川県の豊島も訪ねました。風景も、人々の着こなしもとても美しかった。日本の方々はファッションを愛していると思います。

 

--美しくない面も多々あると思いますけど…

 

日本人のあなたはパリが美しいと思いませんか?きっとそれと同じでしょうね!うれしいことにネヘラは日本での反応がよいようですし、いつか日本でコレクションを発表してみたいと思っています。

 

--今季は黒や柄物なども差し込まれてシャープな印象もありましたが、ネヘラは基本的にナチュラルカラーが多いイメージです。こうした色味がお好きなんですか?

 

ピースフルだから好きなんです。それに、たとえば黒はたくさんのことを隠すことができますが、この種の色は失敗がすぐわかってしまうのでより誠実にものづくりをすることができます。

 

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--パリコレの主要ブランドでもここのところナチュラルカラーが目立っているので皆サムエルさん同様穏やかな心境にあるということなんでしょうかねえ…ところで今業界ではショー発表後にすぐ商品を発売する「see now buy now」システムを採用するか否かで騒がしいですが、サムエルさんはどう思われますか?

 

ネヘラのような小さなブランドには採用できませんね。バイヤーの反応を見て生産数を決めていますから。それに、ネヘラはたとえば2シーズン前のものでも、春夏物と秋冬物でも組み合わせてスタイリングできるような服を作っています。また、幾通りもの着方ができるアイテムが多く、時々僕がびっくりするような着こなしをしているお客さんを見かけてうれしくなることもあります。そうしたこともスタイリングの幅を広げ、長く着続けてもらえることにつながっているのではないでしょうか。このようにトレンドやシーズンに関わらない提案をしているのでこれまでのサイクルで問題ないように思います。

 

--なるほど。ではサムエルさんにとって「新しい」とはどういうことになるのでしょうか。

 

ブランドを復活させた当初は一から新しく作る必要がありましたが、今は改良を重ねている、というかんじです。これまでのものを継続している部分もある一方で、形やボリューム、素材などに毎シーズン変化を加えています。あくまでもファッションですから、人々を驚かせること、飽きさせないことが重要です。

 

--今後についてはどのように考えていらっしゃいますか?

 

何はともあれ次のシーズンをやるのみですが(笑)、もっとメッセージをはっきり打ち出したいと思っています。今、とても多くのブランドが乱立していますから、そのなかで他との違いをはっきりと感じてもらえるようになりたいです。

 

--私にはネヘラは充分アイデンティティを確立しているように思われます!これからも独自路線を貫いてください!

 

 

プロフェッサー栗山 Professor Kuriyama

GINZAで独断と偏見による論を自由気ままに披露している自称モード界のご意見番。その自らの好みを貫き通すファッションは周囲に「怖い」と恐れられがちで、「怖い女」の異名もとる。

Text&Edit: Itoi Kuriyama

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