もしも美大生が〈ピエール アルディ〉の広告を作ったら?写真展 『WALK WITH PIERRE HARDY』が開催

もしも美大生が〈ピエール アルディ〉の広告を作ったら?写真展 『WALK WITH PIERRE HARDY』が開催

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自由な発想で靴を咥えてみたり、ぐにゃぐにゃにしてみたり。豪華なトリプルコラボレーションの写真展が開催!

クリスチャンディオール、エルメス、バレンシアガなど名だたるブランドのシューズデザインを手がけてきたフランスのシューズブランド〈ピエール アルディ〉。そんな著名ブランドがスイス・有名美大「ECAL」のフォトグラフィー専攻の学生たちとコラボレーション。

彼らを引き合わせた仕掛け人は、フォトグラファー・Philippe Jarrigeon。フランスを拠点に2006年より、作品展示以外にもCHANEL, Chloé, DIORなどとの仕事も行っています。彼の作品は、セットデザイン・オブジェと人の距離感をうまく使ったシュールで色鮮やかな作風を特徴としています。

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Adam Prize 25周年を記念した展示作品。Photographer Philippe Jarrigeon, “Grand Magasin”, 2014

とはいえ、ハリウッド映画のようにダイナミックなセットデザインを使った大胆な構図ではなく、ファッションとも親和性がありながら、クスッと笑えるような絶妙な違和感・シュールさを表現しているように感じます。それは彼がマン・レイから影響を受けているといえば、筋が通るはず。I-Dのインタビューで語っている通り「マン・レイは、フランスでシュールレアリズムの活動と密接に関わっていたにも関わらず、彼は美しいポートレイト写真もブランドへの写真も撮っていたよね。」と彼自身の活動もそれそのもので、どぎついユニークさというよりどこか美しさを保っているように思えます。

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2016年カンヌ映画祭でのポスターコレクション。 Photographer Philippe Jarrigeon, “Chanel et le 7ème art”, 2016

そんな豪華なトリプルコラボの裏側には、「ECAL」のクリエーションに対する寛容的な志が。そもそも日本から程遠いスイスにある「ECAL」とは、一体どのような大学なんでしょうか?

「ECAL」卒業生でもあり、今回のプロジェクトの仕掛け人であるPhilippe Jarrigeonに聞いてみました。「ECALは、アート、デザイン、映画、ヴィジュアルコミュニケーションに特科した大学です。いつも学生は自由に様々なジャンルを行き来し、具体的なプロジェクトへの参加もできます。展示会、書籍、イベントなど。それに、個々の分野で活躍している若い教授が多いです。良い原動力が働いている場所だと思います。」

学校の施設として最大の広さを誇るのは、展示スペース「ELAC Gallery」。コンテンポラリアートからデザインまで多岐にわたる学生の作品展示にもってこいの場所。他にも積極的に他国での展示参加も促しているようで、すでに4月のスケジュールには5つ以上の展示・イベントが開催しています。

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ECAL/Jeanne Favre

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ECAL/Angélique Stehli

このようなプロジェクトは、よく行っているのか聞いてみると「そうですね。それがECALの魅力の1つでもあると思います。私の授業では、いかにコラボレーション、コミッションプロジェクトが自分のヴィジョンの出発点になるかということを教えています。

実際に、すでにBaccarat, BMW, The Opera de Lausanne, Swiss Institute in Rio De Janeiroとプロジェクトを手がけてきました。ECALには、それ以上のものがあります。なぜなら、すべての学部が互いに成長していき、ブランドや機関との様々なプロジェクトが行われているからです。」

確かに今までにコラボレーションを行ったブランドには、CAMPER, Centre Pompidou, EMILIO PUCCI, HERMES, IKEAなど幅広い分野の企業が並ぶ。そのように実践できる場所があるからこそ、実際に生徒は自分でトライ&エラーを実感しながら自分自身のスタイルに気づいていくのではないだろうか。おそらくコミッションワークもパーソナルワークでも両刀で活躍するPhillippeだからこそ、生徒に教えたかったことはそこにあるんだと思う。

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ECAL/Yasmina Gonin

そして今回のプロジェクトの魅力は、〈ピエール アルディ〉の過去コレクションをいかようにも使っていいという自由なお題。「実際、それが今回のプロジェクトのキーポイントのひとつでもあります。2015年秋に、アーカイブの中から15点シューズをセレクトし、くじ引きによってそれぞれ主題となる靴を割り当てました。プロジェクトは、スペシャルキャンペーンやトレンドというより、アーカイブとして機能していたので、全てのイメージと異なるアプローチが、〈ピエール アルディ〉の心のポートレイトのようなものを作り上げていきました。東京でのショーは、彼の作品にたいして素晴らしいオマージュになると思います。」

あくまでもブランドとのコマーシャルワークというより、学生たちにも〈ピエール アルディ〉にとっても両者ともに新しい刺激を見つけられるプロジェクト。会場では、オリジナルトートバックと作品をまとめたカタログを数量限定で発売。

ブランドのアイテムを変に気にする気概もなく、自由奔放にそして1枚ずつにピュアなスタイルを感じる作品群をぜひご覧あれ。

Philippe Jarrigeon
1982年生まれ。フランスを拠点にフォトグラファー・パブリッシャーとして活動。
2006年にスイス・ECALの写真学部を卒業後、国内外様々な場所で展示を精力的に行う。ほかにも、CHANEL,Chloé, KENZOなどファッションブランド、VOGUE, PURPLEなどファッション雑誌との仕事でも活躍している。

写真展 『WALK WITH PIERRE HARDY』

日時:  5月18日(木)~22日(月)12:00~19:00

場所: ピエール アルディ 東京 地下1階

東京都港区南青山 5-5-25 南青山郵船ビル A棟103 号

電話番号: 03-6712-6809

入場無料

 

cover photo: ECAL/Anaïs Leu

Yoshiko Kurata

1991年生まれ。魚座。プロデューサー/コーディネーターとして百貨店・ファッションブランドと仕事をしているほか、雑誌「QUOTATION」などでライターとしても活動している。学生時代に夢中になったロンドン、日本の2012年代ファッションからの影響が未だに続き、ファッション、カルチャー、フォトグラフィーなどを体系的に考えるのが好き。最近見に行った展示は、谷口暁彦、Ina Jang、Erin D. Garcia、GASIUSの個展。http://yoshiko03.tumblr.com/

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