一年でもっとも過ごしやすいと言われるこの季節、ファッション業界はパーティーやイベント、展示などが目白押し!素敵なものがあると聞けば、西へ東へ、どこへでも駆けつけるGINZAスタッフの「キラキラ」レポートシリーズです。
☆ヴィヴィアン・ウエストウッド アングロマニア☆深まる秋のキラキラを求めて(vol.14)ウィンターストリートコレクション
日本の伝統文化に高く関心を持っている〈ヴィヴィアン・ウエストウッド〉がいまの時代の問題として”BUY LESS CHOOSE WELL,MAKE IT LAST”=’よく選び必要なものだけを買い、長持ちさせること‘というメッセージの元、今後を担う世代に向けてイベントを開催!今回のキラキラは桁が違う。誰がどう見てもキラキラギラギラピカピカの世界に編アシNAが潜入して参りました!
〈ヴィヴィアン・ウエストウッド〉といえば、ユルゲン・テラーが撮る作品集『VIVIENNE WESTWOOD, ANDREAS KRONTHALER, JUERGEN TELLER by Juergen Teller』の表紙をヌードで飾ったことが話題になったばかり。年齢やカテゴリに捕われず真っ先に行動するパワフルな女性であることは有名である。そんな彼女に、または彼女の服に影響を受ける女性も少なくない。
アングロマニアの世界は流石アバンギャルドな空間。大東京音頭が流れる中、何やら怪しげな赤い照明に照らされながらやぐらでは盆踊りが行われている。それを囲むように立ち並ぶ屋台。人ごみの中、昔懐かしの風鈴売りが通り過ぎたかと思えばウェイターさんが飲み物を差し出してくれる。と、思うのも束の間、ドラァグクイーンが踊りながら横切る。ここは一体どこなのか。インビテーションに書いてあった”CHAOS”の文字を思い出した。
屋台は日本のお祭りの慣れ親しんだラインナップ。射的、輪投げ、ヨーヨー吊り、スーパーボールすくい…。ブランドのロゴマークであるオーブやイラストが描かれてるものなどアングロマニアフェスならではのオリジナルグッズが獲得出来る。今回屋台のそこかしこで見かけたグラフィックは今年6月にロンドンで行われた〈ヴィヴィアン・ウエストウッド〉2018SSに登場したルックでも見かけるお金のゼロを意味する円。こんなにも早くお目にかかることができるとは…!なんとも新鮮な気持ちになってしまう。
一段と賑わっているフロアではドレスアップしたインフルエンサーをキャッチ!
アングロマニアの文字がプリントされたフリースのワンピースにモンスター柄ロングスカートでコーディネートした高橋愛さん。
沙羅マリーさんはチェックのショートパンツとピンク色のトップスを合わせ赤を差し色にしたコーディネート。
ブラックを基調にしたコーディネートにイエローの柄ソックスを合わせたマドモアゼル・ユリアさん!
そして何と言っても今回の目玉はショー!会場は大きなミラーボールと共にレインボーの光。これぞキラキラ!キャバレーのような舞台とクラブのような照明に自然とテンションが上がってくる。
〈ヴィヴィアン・ウエストウッド〉2018SSルックを織り交ぜながらスタートしたショー。ロンドンで行われたショーのアーティスティックな部分は残しつつカジュアルに落とし込んだコーディネートが披露された。テキスタイル同士の組み合わせや素材のバランスは特に目を惹いた。
中でも気になったのはロンドンの時は男性が着用していたものを今回は女性モデルが着ているルックがいくつかあったこと。昨今、ジェンダレスという言葉も聞き慣れてきたがファッションにも性別の隔たりが自然となくなっていくのかもしれない。
ショーが終わると舞台にはドラァグクイーンの方たちがどこからともなく登場。
”CHAOS”と言えど国境や文化、性別などに境目がなくなってきた新しい今の時代を表しているのかもしれない。それは今回、日本の伝統文化が減少の一途を辿っていることを懸念しているヴィヴィアンが開いたイベントに対する思いと共にあるようにも思えた。
今日一番の「キラキラ」は、ショーのフィナーレのモデルさんたち。スタイリスティックスの「愛がすべて 」に身を任せながら踊る姿はまさに輝いていた。
Text&Edit: nicoA Photo: Kanna Takahashi / WAG, Inc.