エネルギッシュな若者たちがいるから東京の未来は明るいのだ。彼らが集まるショップやギャラリーを一挙ご紹介。
モードでもストリートでもない。新しいユースカルチャーを追え!【東京ガイド2019】
この街には、ジャンルに押し込めることができないユースカルチャーのコミュニティが点在する。それぞれは交流することもあれば、独立していることも。絵画や彫刻などのアートとファッションブランドが交差したギャラリー「KAYOKOYUKI」と〈PUGMENT〉の関係性のように、異なるレイヤーが重なりあったものが、さらに違う何かと出合ったら、新たな化学反応が生まれるに違いない。そんな可能性に満ちあふれた場所が東京なのだ。
1. ミレニアル世代に
エールを送るセレクトショップ
モードでも、ストリートでもない!
カルチャー指数高めのラインナップ
中川えりなさんの『Making-Love Club』各 ¥350。
配色と首元の刺繡がクール。アノラックパーカ ¥33,000(エーエースペクトラム)
次世代を牽引するharu.さんが編集長を務める『HIGH(er) magazine』¥2,000。
『HIGH(er) magazine』や『Making-Love Club』などのZineも並ぶ店内には、〈クードス〉をはじめとした日本の若いブランドを中心に、フラットな感覚で選び抜かれたユニセックスのアイテムがそろう。また、若いアーティストが集い、音楽・アート・社会をつなぐ都市型フェス「THE M/ALL」の運営にも携わっている。
「12XU ワンツーエックスユー」
住所: 東京都渋谷区上原1-33-16
TEL: 03-6804-7130
若手の表現者たちとつながる
オーナーが歌舞伎町から発信する
一番のおすすめは、ロンドンの27歳が手がけるブランドの1着。ニット ¥59,000(チャールズ・ジェフリー・ラバー・ボーイ)
小物類も充実。
ブルーの看板が目印。「ラブホテルの入り口をくぐり抜けると出現!」
雑誌『STREET』のフォトグラファー兼編集者だったオーナーの藤田佳祐さん。前職で、新しい感覚の若者たちをいち早く発掘してきた経験を生かし、東京の〈パーバーズ〉ほか、中国の〈ノー ドレス〉などの若手ブランドを積極的に広める。
「THE FOUR-EYED ザ フォーアイド」
住所: 東京都新宿区歌舞伎町2-8-2 パレドール歌舞伎町 1F
thefoureyed.shop
2. “ミュージックフレンドリー”なお店
PathDJ活動もするオーナーのこだわりが
ぎゅっと詰まった代々木八幡のビストロ
ターンテーブルを設置。「レコードを見たお客さんからPuma Blueの来日公演でのDJ 依頼を受けました」と彼の“好き”がつながる店内の一角。
カフェにベーカリー、バーにフレンチレストランが融合。オーナーのひとりの原太一さんは、海外のインディロックのレコードから店内 BGMを選ぶ。3月中旬には、白金台BIOTOPの3階に新店「LIKE」をオープン予定!「小さなライブスペースもあるような場所にしたい」
「Path パス」
住所: 東京都渋谷区富ヶ谷1-44-2 A-FLAT 1F
TEL: 03-6407-0011
おしゃれなグラフィックを
刺繡で取り入れてみて!
カナダの女性プロデューサーCielをゲストに招いたイベントで制作したロンT(非売品)。
リフレクター素材に刺繡をしたウェストポーチ ¥9,800。
過去のイベントのフライヤー。次回は5~6月を予定。
工房を構える刺繡屋で持ち込みでオーダーすることも可能。ワッペンのほか、古着や雑貨も扱う。店主のKonidaさんは、〈C. E〉のスタッフKoko MiyagiさんとSF出身のアーティストJRさんと折衷的なハウスイベント「Procare」を不定期開催。
「葵産業 あおいさんぎょう」
住所: 東京都渋谷区神宮前2-13-7 本州ビル2C
aoi.black
ブランドの背景にあるカルチャーも伝えたい
Tシャツ ¥6,500(ヤードセール)
シューズ ¥79,000(アデュー)
店内には、ラックの影にVHSプレイヤーが。BGMも、アナログにこだわりレコードやカセットで再生。
昨年7月にリニューアルした予約制のセレクトショップ。エイジレスかつジェンダーレス、女性でも着られるメンズアイテムが並ぶ。広くなった店内で音楽イベントを行うことも。「ジャンルは問わず音楽を愛するブランドとともにDJイベントを計画中」とマネージャーの奥山達也さん。
Jackpot
住所: 東京都新宿区新宿3-22-11 サンパーク7F
www.jackpot1994.com
3. ギャラリーから生まれる、新たな潮流!
アートギャラリー、Komagome SOKOと一棟をシェア。そこには、ファッションレーベル〈PUGMENT〉が所属作家として名を連ねる。彼らは、ネット上のランウェイ写真をプリントし、洋服として再構築した作品を製作するなど、デジタル世代らしい、軽やかな発想でアートに落とし込むセンスが新鮮だ。
ブランドが編集したアートブック 『SPRING 2018 COLLECTION BOOK』と『1XXX-2018-2XXX』
「KAYOKOYUKI Gallery カヨコユウキ ギャラリー」
住所: 東京都豊島区駒込2-14-14
TEL: 03-6873-6306
〈VAINL ARCHIVE〉が手がける
ギャラリー兼ショップ
ドイツの作家ステファン・マルクスに描いてもらったロゴがお出迎え。
フォトグラファーとしても活躍するスタッフMayuka Katanoさんによる『Night Breeze』¥1,500
ショップオリジナルのウェストポーチ ¥9,180
海外のストリートの動向を汲みつつ展示を行い、常設の本棚にはコアなアートやスケーターカルチャーに関するZineが。ほか、オリジナルのロンTやスウェット、雑貨も販売。〈VAINL ARCHIVE〉のデザイナー大北幸平さんが仕掛け人。
「SALT AND PEPPER ソルト アンド ペッパー」
住所: 東京都渋谷区恵比寿西2-5-2 今村ビル2F
www.sandp.tokyo
地下へ続く階段を降りると出現
左から高見澤さん、KAYOKOYUKI Galleryの結城さん、清水さん、小林さん。後ろにはキュレーターの濵田泰彰さんも。
2月17日までの合同展『苦労のない穴にさようなら』ではウィーンに焦点を。
国内外問わず、同世代の作家と展示を企画、開催。「この地のMisako&RosenやKAYOKOYUKI Gallery に続く存在になりたい」という作家の高見澤優海さん、清水将吾さん、小林優平さん。阿佐ヶ谷の Workstation.を母体に、昨年4月XYZ collectiveのCOBRAさんの誘いで、彼のスペースをシェアすることに。
4649 Gallery ヨンロクヨンキュー ギャラリー
住所: 東京都豊島区巣鴨2-13-4 B02
www.4-6-4-9.jp
4. 新感覚!カルチャー融合型の
エアビーアンドビー
築60年の古民家をリノベーションした
ショップとホステル
〈シーシー〉の室内用スリッパ。
フーディ ¥15,000/宿泊客だけが特別に聴けるカセット
ショップの入り口付近にリーバイスのキャラクターが鎮座
〈シーシー〉の軍手、手ぬぐい、ニット
ディレクター、三好良さんが出張先のエアビーアンドビーをヒントに昨年11月に開店。古民家を改装した宿泊施設の1Fにセレクトショップを構える。オリジナルのアパレルから、日本の若手ブランド〈ダイリク〉なども並び、宿泊客だけが聴けるカセットもあり。1組限定で3部屋同時貸し、最大8名でシェア可能。1泊 ¥60,000より。
セミダブルのベッド2台を用意した洋室、和室、ダイニング、バスルーム、さらにシャワールームも完備。
「SO NAKAMEGURO SHOP&HOSTEL ソウ ショップ アンドホステル ナカメグロ」
住所: 東京都目黒区青葉台1-6-52
Instagram @so_nkm
Photo: Celine O’Connor Text & Edit: Ayana Takeuchi