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キーワードは「多様性」。Y/プロジェクト、グレン・マーティンスインタビュー

キーワードは「多様性」。Y/プロジェクト、グレン・マーティンスインタビュー

10月19日、ドーバー ストリート マーケット ギンザに世界中からデザイナーやクリエイターが集結し、さまざまなイベントやインスタレーションなどが行なわれる「オープンハウス」が開催された。GINZAはこのイベントのためにインスタレーションを披露したY/プロジェクトのクリエイティブディレクター、グレン・マーティンスに直撃。2016年のパリ以来、2度目のインタヴューが実現した。


--まずはインスタレーションについて教えてください。

グレン: ビデオはベルギー・アントワープ在住のビジュアルアーティスト、フレデリック・ヘイマンが撮影し、インスタレーションはオランダ・ロッテルダムベースのデニス・ファンデンブルックが手がけました。出発点は、インドの経典『カーマスートラ』に着想を得た2019-20年秋冬のエロティックなジュエリーです。人生はつながりからなり、人々を魅了し合い、流動的で愛情にあふれています。『カーマスートラ』は、人類の基本となるそうした精神を反映していると思ったんです。

フレデリック: ビデオはアクセサリーのキャンペーンとして製作したんです。ジュエリーなどを3Dスキャンして、仮想環境でデジタルインスタレーションを作り上げました。『カーマスートラ』を、ロマンティックなラブシーンを機械的にコントロールしているようなイメージに膨らませています。

デニス: 僕はそのビデオをリアルなインスタレーションに翻訳したような感じです。床に苔を敷き、中央に「Y」のロゴを形作るソファ、周りに上下に脈打つアームを設置しました。コレクションの官能的でメランコリックな世界観を表現したつもりです。


左から:グレン・マーティンス、フレデリック・ヘイマン、デニス・ファンデンブルック

--グレンさんとフレデリックさんはアントワープ王立芸術学院時代からの友人だとか。

グレン: 15年前から知っています。彼は僕の最初のコレクションを撮影してくれ、僕は彼の作品のためにモデルになったりしました。カリキュラムは大変でしたけど皆クリエイティブな学生ばかりで刺激になりました。

フレデリック: アントワープは小さい街なので皆が知り合いのようなものでした。写真家、ビデオ製作、デザイナーたちが一緒になってプロジェクトに取り組んでいましたね。

グレン: ベルギーの学校ですが、ベルギー人はほとんどいませんでした。世界中から学生が集まっている国際的な環境で、本当に幸運でしたね。

 

--2019-20年秋冬でGINZA読者におすすめのアイテムはありますか?

グレン: 似たり寄ったりのスタイルが多いヨーロッパに比べて、日本の人たちは多種多様ですからなかなか難しいですね…かわいい、セクシー、ボーイッシュ、コンセプチュアル、シック、いろいろなタイプの方がいますから。男性も大胆なスタイルで、自由。見ていて楽しいです。僕のお気に入りは透けるチュールを重ねたポロドレスです。ねじれたフォルムなので、柄の見せ方を遊ぶことができますし、丈の長さもいろいろ変えられます。「カーマスートラ」ジュエリーを合わせてもらえれば。

グレンさんのお気に入りのポロドレス

--世界中の7人のファンをモデルとして起用したキャンペーンは面白い発想でしたね。

グレン: Y/プロジェクトは多様性を重視しているブランドです。Y/プロジェクトというタグ付けをしてインスタで私服姿を披露していた異なる出身、経歴、目標、情熱を持つ人々から選びました。実はY/プロジェクトのチームも同様なんです。パリのブランドですが、クリエイティブディレクターの僕はベルギー人ですし、25人のスタッフは日本、アメリカ、アフリカなど、世界中から集まっています。それに、多くのブランドのファンは、そのブランドの色に染まってしまいがちですが、それと反対のことをしたかったんです。Y/プロジェクトの服の多くは自分の好きなように着方を変えられるタイプが多い。キャンペーンは私服を用いた自撮りとプロのカメラマンとスタイリストによるスタジオ撮影を組み合わせたのですが、同じ人間でも異なる印象になることがわかります。僕だって、ビジネスマンにも、労働者にも、クラブキッズにも、ゴッドファーザーにだってなれるはず。1人の人間における多様性も大切だと思うんです。

 

--「多様性」は今モード界で重要なキーワードとなっていますが、いつごろから注目されているのでしょうか。

グレン: 自然な流れですね。アントワープ王立芸術学院時代も目の当たりにしていましたし、現在のパリの友人たちの出身地もさまざまです。僕たちはこうしてパリや東京を自由に行き来できますから、もう世界は大きな国のようなもの。美しいことだと思います。インスタも携帯上で簡単に世界を旅行できるツールですよね。

 

--ちなみにインスタで好きなアカウントはありますか?

グレン: 動物や子供がバカみたいなことをするおもしろアカウントを思わずチェックしてしまいます(笑)。

 

--最後にブランドの今後について教えてください。

グレン: 小物も充実してきているのですが、特にバッグやシューズにもっと力を入れていきたいです。実は、来年すばらしいコラボを予定しているんです。今からとても興奮しているのですが….。1月のメンズコレクションで初披露の予定ですので、楽しみにしていてください!

Profile

グレン・マーティンス

1983年ベルギー・ブルージュ生まれ。アントワープ王立芸術学院を経て、2013年Y/プロジェクトのクリエイティブディレクターに。ツイストされたフォルム、歴史的なリファレンス、オーバーサイズのサイハイブーツ、存在感のあるジュエリーなどがブランドのアイコンとなっている。17年には「ANDAMファッション・アワード」でグランプリを受賞。今年ピッティ・イマージネ・ウオモでゲストデザイナーとして19-20年秋冬メンズ・コレクションを発表した。

Photo:Wakaba Noda(TRON) Text&Edit  Itoi Kuriyama 

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