22時に開ける冷蔵庫は明日からの元気をくれる宝箱だ。ほんのちょっとしたご褒美が入っている。
自分を励ますために、今日もまた扉を開ける。
蒸かし芋+マーガリン/スパイス 西村隆ノ介/くらちなつき「22時の冷蔵庫」vol.3
秋というものはどうしてこうも食欲を刺激するのだろう。
食欲の減退する暑さが和らぎ食欲が回復するだとか、寒くなる冬に備えて栄養を蓄えようとする本能だとか諸説ある。
どんな理由があるにせよ「秋だから」の一言が言い訳になりお腹をふくらませてしまう。
柿、林檎、きのこ、葡萄、秋鮭、栗。
秋の味覚は想像しただけでもよだれが出てくる。単純に美味しそうな旬のものが増えるから食欲も増すのだろう。
中でも特に好きなのがさつまいも。
蒸して焼いて。スイーツ系だけじゃなく食事系だって合う。
さらには保存性も高いときたら、まとめ買いをしない手はない。
いろんな調理法があるけれど、昔から大好きな食べ方がある。
[用意するもの]
・さつまいも…1本
・マーガリン…お好みで
・好みのスパイス…適量
ほくほくに蒸したさつまいもにマーガリンを少し乗せて、スパイスをひとつまみ。
贅沢な秋のおやつだ。
フライパンに水を1cmほど張って、クッキングシートを敷いたらその上にさつまいも。蓋をして簡易蒸し器の完成。
さつまいもは低温でじっくり火を入れた方が、ホクホク甘い蒸かし芋になる。
30分ほど蒸したら、竹串をさしてみる。
中まで蒸されている時の、スッと串が入る感触がなんとも心地よい。
熱々っと言いながら半分に割ると、ほわっとのぼる湯気。蒸気でほんのり頬が赤らむ。
その断面に冷蔵庫から取り出したいつものマーガリンを塗る。
バターではなくマーガリンというのがポイント。この時間に食べるものはすこしあっさりしてる方がいい。
すこしずつとろけていく様子を眺めているのも至福の時間。
このまま食べてももちろん美味しいけれど、スパイスを一振りかけてもグッと美味しくなる。お気に入りはシナモンとカルダモン。
さつまいもとマーガリンとスパイスの香りに包まれる夜。
秋の夜長、これをお供にすこしだけ夜更かしする。
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くらちなつき
広告、ウェブ、雑誌、アパレルなどを中心に活動中のファッションイラストレーター。
主なお仕事にファッションブランド「KEISUKE YOSHIDA」とのコラボレーションなど。
instagram: @natsuki_kurachi