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森 星 × 旬の野菜 「半径5mのサステナブル」VOL.4 「レシピの行間にある大切なこと」について、有元葉子さんとトーク

森 星 × 旬の野菜 「半径5mのサステナブル」VOL.4 「レシピの行間にある大切なこと」について、有元葉子さんとトーク

料理研究家の有元葉子先生に、手作りマヨネーズで楽しむ、蒸し料理を教えていただいたあとの2人のプライベートトーク、どうぞお楽しみください。


おいしい料理の最大のポイントは
「下ごしらえ」にあり!

森 星「私、高校生のときマヨラーだったんです。マヨネーズが大好きで、個包装のマヨネーズを持ち歩いていろんなものにかけて食べていたぐらい(笑)。このお仕事を始めてからは、さすがにやめましたけど(笑)。だから、今日は安心でおいしい手作りマヨネーズを学べて、すごく楽しかったです!」

有元葉子「それはよかった(笑)。貴重な卵も持ってきていただいて…」

森 星「春になって気候がよくなってきたせいか、実家の鶏たちの調子もいいみたいで、ポンポン産んでくれるんです(笑)。ところで、卵の大きさで仕上がりの量がだいぶ変わるんですね。今日、使った卵のなかで烏骨鶏の卵はいちばん小さいから、仕上がりの量も少なめでしたものね」

有元葉子「そうね、だからオイルを少しずつ加えながら〝ぽってりとした状態になるまで〟攪拌する、という感覚を覚えておくといいわね。オイルが多いほどかたくなるし、卵黄だけ使うと濃厚な感じ、卵白だけ使うと軽やかなマヨネーズになります。いずれも、たんぱく質+お酢+油という組み合わせで考えればいいので、卵が苦手な方やアレルギーの方は代わりに豆乳を使ったりとか、好みや体質に応じていろいろアレンジできるのが便利よね」

森 星「なるほど〜、マヨネーズだけでもいろいろなバリエーションができて楽しそう! こういう調味料類って、余らせて、いつの間にか消費期限がきれてしまったり…ということもよくありますが、これなら使いきる分だけ作ることができて気分がいいですね」

有元葉子「そうよね。私はだいたい1週間ぐらいで使いきっているかしら。数分あれば作れるし、何よりおいしくて、材料が分かっているから安心して食べられる。マヨネーズの概念がちょっと変わるかもしれないわね」

森 星「そう思います。それからこの手作りマヨネーズを、蒸した春野菜やお魚につけて食べるのが、シンプルなのにすごくおいしくて…! 幸せな気持ちになりました」

有元葉子「こういうシンプルなお料理こそ、下ごしらえがとっても大事。特に野菜は、筋やかたい皮が残ったままだと、仕上がりも美しくないし、盛り付けもうまくいかない、食べたときに口に残ってしまいます。下ごしらえは確かに地味で少し面倒な作業かもしれないけれど、怠るとそれがずーっと結果についてまわるのね。せっかくなら、見た目もきれいで、おいしい料理をつくりたいじゃない?」

森 星「本当にそうですね。1日のうちの食事の回数って限られているから、体も心も満足するものを食べたいです」

有元葉子「煮たり焼いたりという最終段階より、食材の下ごしらえが実はいちばん手間がかかるのよね。でも、そこがしっかりできていないと料理はうまくいかない。逆に言うと、それができていたら、あとはさっと調理して、シンプルな味付けをするだけで十分おいしく仕上がります」

森 星「食材のよさを最大限に引き出すためにも、下ごしらえが大事なんですね」

森 星 × 旬の野菜 「半径5mのサステナブル」VOL.4

目の前には必要なものだけ。
情報が整理されると、作業の流れもスムーズに

森 星「今日は〝蒸す〟という調理法に初めてトライしたのですが、野菜の色が鮮やかに仕上がって、甘みもぐっと増して。ふだんは野菜を生の状態で食べることが多いのですが〝蒸す〟効果に驚きました」

有元葉子「〝蒸す〟という調理法は熱量が強いから、食材に早く火が通るし、旨みが逃げずおいしくなります。星ちゃんが言ったように、色もくっきりときれいに仕上がって、料理をしていて楽しいわよね」

森 星「はい、それをすごく実感しました。こういう緑の野菜も、蒸すのとゆでるのでは色の鮮やかさが全然違って…。〝視覚で感じるおいしさ〟ってすごく重要なんだなって思いました」

有元葉子「そうね。目で見ておいしそうな状態にする、きれいな色に仕上げる、盛り付ける、目の前にあるまな板をきれいにする、使う材料をバットにひとまとめにしておく…。料理をするにあたって、目から入ってくる情報はとても大事なのよね」

森 星「野菜の下ごしらえのときに教えていただいた〝まな板の上をきれいにしながら作業をする〟というのが心に残りました。本当にシンプルなことなんですけど、確かに目の前がごちゃごちゃしていると、大切なことが見えにくくなってきて、作業が雑になったり、変にやりすぎてしまったり…。クリーニングしながら〝今〟に集中することの重要性って、お料理だけでなく、いろんなことに通じるような気がしました」

有元葉子「頭のなかの情報って目から入ってくるから、目の前がごちゃついていると頭のなかもごちゃついてしまう。そうすると料理に時間がかかって、料理をするのが億劫になって…、と全部つながっているんです。だから、作業しやすいように環境を整えながら料理をする。レシピには書いていない部分ですが、こうしたレシピの行間にある作業が、料理の〝流れ〟をよくしてくれるのよね」

森 星「それが少しずつ、わかるようになってきた気がします。本当に、毎回新しい学びがあって…。有元先生にお料理を教えていただくようになってから、料理が楽しくなりました。次回もよろしくお願いします!」

有元葉子「こちらこそ、よろしくね」

森星 もり・ひかり

1992年生まれ。東京都出身。モデルとして国内外で数々のファッション誌や広告などで活躍。明るく天真爛漫なキャラクターで2015年から「公益財団法人プラン·インターナショナル·ジャパン」のBecause I am a Girlエンジェルに就任。また、発酵人の田上彩氏らとともにサステナブル・フードトラック「edain」を運営。「farm to table(新鮮でオーガニックな食材を、農場から食卓へ)」をテーマに、体にも環境にも優しい食を提供している。公式YouTubeチャンネル『Hikari Mori』では、自身の見ている世界・価値観をシェアするための、さまざまなコンテンツを配信。

Instagram: @hikari
YouTube:『Hikari Mori

有元葉子 ありもと・ようこ

料理研究家。3人の娘を育てた専業主婦時代に、家族のために作る料理が評判となり、料理家の道へ。素材の魅力を引き出したシンプルでおいしい料理、洗練されたライフスタイル…。本質を見極めた軽やかな生き方は、多くの女性の憧れの的。著書に『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』(SBクリエイティブ)、『「使いきる。」レシピ』(講談社)など多数。

公式サイト: https://www.arimotoyoko.com/
Instagram: @arimotoyokocom

Photo: Keiko Nakajima Hair&Make-up: Mifune(SIGNO)  Edit&Text: Sayoko Imamura

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