料理研究家の有元葉子先生に、じゃがいもを無駄なく使った料理を教えていただいたあとの2人のプライベートトーク、どうぞお楽しみください。
料理研究家の有元葉子先生に、じゃがいもを無駄なく使った料理を教えていただいたあとの2人のプライベートトーク、どうぞお楽しみください。
有元先生はもともと
ファッションエディターだった!?
森 星「今日のじゃがいも料理も、シンプルなのにとってもおいしくて!切ったじゃがいもを塩水につけておく、揚げ具合は目と耳で判断する、(前回のように)キャベツに水を吸わせておく…。有元先生の料理って、素材としっかり向き合って、自分自身で考えてかたちにしていく感じがあって、それが楽しいし、すごいなあと思います」
有元葉子「まあ、うれしい。それはきっと、私が疑い深いからかも(笑)。たとえば、レシピに『混ぜる』と書いてあっても、ここは混ぜなくていいんじゃない?っていちいち疑って考えるタイプ(笑)」
森 星「そうなんですね(笑)。先生は昔、出版社で働いていらしたんですよね?会社員のときはどんな感じだったんですか?」
有元葉子「変わらないわね(笑)。婦人画報社(現ハースト婦人画報社)という出版社に勤めていて『MEN’S CLUB(メンズクラブ)』の編集者だったのだけど、最初から最後まで担当者に任せてくれるような社風だったのね。だから合っていたのかも(笑)。当時、働いている人も自由なマインドの人ばかりで、おもしろかったわよ」
森 星「おもしろそう!それにしても、先生が雑誌のエディターとは意外でした」
有元葉子「そうよね(笑)。そのうち、『MEN’S CLUB』に出ているような男の子と一緒に行動する女の子のファッション誌として『mc Sister(エムシーシスター)』が創刊されることになって、そちらをやるようになりました」
森 星「そうなんですか!?『mc Sister』ってとっても可愛かったですよね!女の子たち5、6人の表紙で…。子供の頃から大好きで、今もPinterestで追ったりしています」
有元葉子「あら、なんだかうれしい!当時は雑誌に勢いもあったのよね」
森 星「そうですよね。私、雑誌大好きで、中高生のときは学校に隠し持って行って、友達と回し読みしたりしていました(笑)。デジタルもいい面がたくさんあるし好きだけれど、やっぱり紙のファッション誌はファッションのパワーをダイレクトに感じられて魅力的ですよね」
有元葉子「そうよね。紙のよさってやっぱりあるわよね」
せっかく仕事にするなら
自分がおもしろがってやれることを
森 星「ちなみに、先生はそのときから、やはり料理上手だったのですか?」
有元葉子「とんでもない!朝から夜中までスタジオにこもって撮影をしていたり、街でモデルハントしたり…忙しかったし、仕事も楽しかったし、料理なんて全くしていなかったの。おいしいものを食べるのは好きだったけれど(笑)。当時の同僚からしたら、私が料理の仕事をしているなんて『え、嘘でしょ?』という感じだと思います(笑)」
森 星「え〜、そうなんですか(笑)!では、お料理と向き合われたのはご結婚されてからですか?」
有元葉子「そうそう。結婚を機に仕事は一切やめて専業主婦になったんです。基本的に家事全般が好きだったんだけど、中でも料理がいちばんおもしろかったのよね。クリエイティブで。あるとき近所に住んでいた声楽家の友人に、彼女の自宅で行う音楽イベントの打ち上げの料理を頼まれて…そこからいろいろ始まったような感じかしらね」
森 星「なるほど!人生って、いつきっかけが訪れるかわからないですね」
有元葉子「そうよね。私の場合はそんなことを続けるうちに、料理の仕事をさせていただくようになったのだけど、仕事って自分がおもしろがってやれることであれば、なんだっていいと思うんです。私だって、料理以外でも楽しくできる仕事があったかもしれない。だから、若いうちは興味のあることをいろいろやってみるのがいいと思いますよ」
森 星「〝実際に行動してみる〟というのは本当に大事ですよね。私も〈tefutefu〉を立ち上げて、実際に現地に行って職人の方と話をしたり、つくる過程を見せてもらったりすることで、新しい観点からものを考えられるようになったところもあって。アクションを起こすことは責任も伴うけれど、だからこそやりがいも感じられる。これからもっと知識と経験を深めて、小さくとも、世の中をよくするアクションを起こせたらいいなと思います」
有元葉子「星ちゃんのような、若くて影響力のある人が行動を起こすということは、とっても意義があると思いますよ。こちらも楽しみにしているわね!」
森 星「ありがとうございます!これからもいろいろ教えてください!」
1992年生まれ。東京都出身。モデルとして国内外の雑誌や広告等で活躍。途上国の女子を支援する公益財団法人プラン·インターナショナル·ジャパンのアンバサダーを務め、YoutubeやInstagramなどのSNSを通して体にも環境にも優しい生活を提案。創業者の一人としてCDを務めるtefutefuでは、日本の伝統的な食や文化を尊重しつつ現代に馴染む形に再編集し、世界に発信している。
Instagram:
@hikari
@tefutefulab
tefutefu HP: tefutefulab.com
YouTube: Hikari Mori
有元葉子(ありもと ようこ)
料理研究家。3人の娘を育てた専業主婦時代に、家族のために作る料理が評判となり、料理家の道へ。素材の魅力を引き出したシンプルでおいしい料理、洗練されたライフスタイル…。本質を見極めた軽やかな生き方は、多くの女性の憧れの的。著書に『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』(SBクリエイティブ)、『「使いきる。」レシピ』(講談社)など多数。
公式サイト: https://www.arimotoyoko.com/
Instagram: @arimotoyokocom