人気モデル、森 星さんの連載がスタート!サステナブル・フードトラック「edain」を運営するなど地球環境を守るための活動を、日頃から積極的に行なっている星さんと「だれにでもできる、身近なサステナブル」について考えてみます。そこでテーマに選んだのは、だれにとっても欠かせない“食”。旬の食材を無駄なく、おいしく使いきるレシピを料理研究家の有元葉子先生に教えてもらいます。シンプルで洗練された料理はもちろん、哲学のある考え方、生き方にもファンが多い有元先生の料理へのアプローチは、ときに“目からウロコ”の勉強になることばかり!ナチュラルにハッピーに、明るい未来を目指してサステナブルと向き合う星さんと有元先生のセッションに乞うご期待です。レシピ編はこちらから。
森 星 × 旬の野菜「半径5mのサステナブル」VOL.1 ―TIPS編―
大根は皮も葉も、全部食べられる!
星 「ふだんから大根の皮も食べたりするんですけど、それを人に話すと驚かれることも結構あって…(笑)。『えー、皮も食べるの!?』って。それでなんだか、恥ずかしく思えてきちゃうこともあるんです」
有元 「それって、大根の皮=捨てるものっていう単なる“思い込み”よね。皮も葉っぱも全部、大根。どこもおいしいんだから、そんなに差別しないであげて(笑)。私はにんじんの皮とかはすの皮とか、野菜の皮だけのお料理がすごく好きなんです」
星 「それいいですね!おいしそう!」
干さないなんて、もったいない!
星 「“野菜を干す”という発想が自分のなかにありませんでした」
有元 「“干す”ってすごく便利なのよ。旨味がぎゅっと凝縮されるし、生とはまた違った食感が楽しめるうえ、保存もきくようになる。それに水分が抜けた状態になるから、調理時間の短縮にもなるんです」
星 「わ〜、いいことずくめですね!確かに、干した大根は火が通るのが早くて、びっくりしました」
有元 「生の状態と比べたら、半分ぐらいの時間で火が通るかもしれないわね。風通しのいい場所に半日〜1日程度置いておくだけでいいから、気軽に試してみてはいかがかしら?干し加減はお好みだけど、触るとまだしなっとするぐらいの“半干し”の状態なら、水につけて戻す必要がないので調理がラクよ」
味つけは最初薄め→味見をして調整
有元 「味つけは一度で決めようとすると難しいもの。だから、まずは薄味にしておきましょう。途中で何度か味見をして、自分の舌で判断して、調整するといいわね」
星 「分量は計らないんですか?」
有元 「もちろん計ることもありますが、それより、その野菜じたいがどんな味なのか、たとえば塩ゆでしたならそれによってどのぐらいの塩分がついているのか…、味見をしたうえでどういう味つけにするか考えたほうがおいしく仕上がります」
星 「分量を計っていないぶん、味見に集中できた気がします(笑)」
有元 「そうよね(笑)。それを繰り返すことによって、味つけの勘も冴えてくるし、自分らしい味というのも確立されていくもの。味つけの正解なんてないんだから、レシピに頼りきりにならず“自分の舌で決める”を実践してみましょう」
塩っけが足りなければ塩やしょうゆ、甘みが欲しければみりんや砂糖。「それなりにおいしい」と思えればいいぐらいの気持ちで、気楽にトライ。
目の前の素材としっかり向き合う
星 「鶏手羽中を炒めているとき、先生に『鶏肉をよく見て』って言われて。そういえば私、無意識にお鍋の中の鶏肉を動かしているだけで全然見てなかった!って、ハッとしました」
有元 「その食材をどういう状態にしたいのか、イメージしてみるといいわね。鶏肉を香ばしく仕上げたいならしっかり焼きつける、大根の葉っぱをパラパラにしたいならその状態になるまで炒る…。自分が『食べたい』と感じるイメージに近づけるようにすると、おいしくできると思います」
星 「私はふだん、すごく急いで料理しちゃうので(笑)、目の前のお鍋とじっくり向き合っている時間にすごく癒された気がします」
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森星
1992年生まれ。東京都出身。モデルとして国内外で数々のファッション誌や広告などで活躍。明るく天真爛漫なキャラクターで2015年から「公益財団法人プラン·インターナショナル·ジャパン」のBecause I am a Girlエンジェルに就任。また、発酵人の田上彩氏らとともにサステナブル・フードトラック「edain」を運営。「farm to table(新鮮でオーガニックな食材を、農場から食卓へ)」をテーマに、体にも環境にも優しい食を提供している。公式YouTubeチャンネル『Hikari Mori』では、自身の見ている世界・価値観をシェアするための、さまざまなコンテンツを配信。
Instagram: @hikari
YouTube:『Hikari Mori』
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有元葉子
料理研究家。3人の娘を育てた専業主婦時代に、家族のために作る料理が評判となり、料理家の道へ。素材の魅力を引き出したシンプルでおいしい料理、洗練されたライフスタイル…。本質を見極めた軽やかな生き方は、多くの女性の憧れの的。著書に『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』(SBクリエイティブ)、『「使いきる。」レシピ』(講談社)など多数。
公式サイト: https://www.arimotoyoko.com/
Instagram: @arimotoyokocom
Photo: Natsumi Kakuto Edit&Text: Sayoko Imamura