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“豚肉+海老”は相性抜群。新感覚のつくねレシピ。平松洋子「小さな料理 大きな味」Vol.30

“豚肉+海老”は相性抜群。新感覚のつくねレシピ。平松洋子「小さな料理 大きな味」Vol.30

小さな料理 大きな味 30

ごつごつ、つくね

焼き鳥を食べに行くと、つくねを一本頼みたくなる。

不揃いの、ちょっとごつごつとした風合いが好きだ。口に運んだときの、あのざらりとした感じも。

ひき肉をなめらかにして混ぜ、串のまわりに手できゅっとくっつけて形を整えるひと手間に価値がある。指の動作が、つくねという食べ物のおいしさをつくるのだ。そもそも、つくねという名前のおおもとは「捏ねる」。陶器の製法にも「手づくね」という言葉があるように、じかに指を使って生地を形づくる行為を指す言葉だ。  無骨で、素朴で、おおらか。

とかく小ぎれいにまとめてしまいがちなところへ破調をもたらすから、つくねに気を惹かれる。

面白いつくねを紹介します。たしか、タイで覚えたと思う。

豚肉と海老を半分ずつ合わせるところがポイントで、海老を混ぜると、淡白なのに海老ならではの香ばしい風味が加わる。

あるとき来客にふるまったら、彼女が言った。「これは何の肉? すごくおいしいけど、豚肉でもないし、海老っぽいけど違うし……うーんわからない」

不思議な顔をしているので、「どっちも正解!」と答えた。

じつは、意外なことに豚肉は魚介との相性がいい。私はときどき豚肉とあさりの辛い炒めものをつくるのだが、魚介という変数を得て豚肉がひと味濃くなる。「豚肉+海老」の場合は、香ばしさとともに、ぷりっぷりの嚙みごたえが楽しくて、箸の進むこと!ついでに、ビールも進んで困ります。

【材料】

豚ひき肉・海老のむき身各200g おろしにんにく小さじ1/2 ナムプラー小さじ1 醬油小さじ2/3 酒小さじ1 砂糖小さじ1/2 こしょうひとつまみ少々

【つくりかた】

①ボウルに豚ひき肉を入れ、調味料とおろしにんにくを一種類ずつ加える。そのたびによく混ぜることで、肉の繊維に味が染み込む。

②海老の背わたを取り、まな板に置いて包丁で粗く叩く。

③豚ひき肉と海老を合わせ、掌で握りこめるくらいの大きさにまとめてつくねをつくる。

④焼き網をコンロの上に置き、強めの中火で焼く。

不揃いがいい。無理にまとめようとせず、指の気分に委ねれば万事OK。あとは火の力がまとめてくれる。

魚焼き用の網でもグリルでもいい。直火で焼いてほしい。ときどきボッと火が上がったり、箸でひっくり返しているうち、焼き鳥屋さんの気分になっている。

平松洋子 ひらまつ・ようこ

エッセイスト。『味なメニュー』(新潮文庫)、『忘れない味 「食べる」をめぐる27篇』(編著/講談社)、『暮らしを支える定番の道具134』(マガジンハウス)など。近著『肉とすっぽん 日本ソウルミート紀行』(文藝春秋)は羊や牛、鹿や鯨などの動物が食用へと変わる現場を訪ね、見て、食べて、日本の肉食文化を考察したノンフィクション。

Illustration: Kanta Yokoyama

GINZA2020年11月号掲載

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