03 Aug 2018
麻生要一郎 ときめきの枯れ飯レシピvol.4 きのこのおろし和え、ハモと梅の鍋etc…

麻生さんのお弁当は、茶色多めで、一見ちょっと地味。でも、口にするととんでもなく美味しくて、じんわり沁みた。「こういうのが食べたかったんだ」撮影現場にいたスタッフ全員が口を揃えた。今月の”枯れ”ごはんは滋養って言葉がぴったり。
8月の献立
黒酢きゅうり
きのこのおろし和え
ハモと梅の鍋
今月も、麻生さんから献立が届いた。
夏に鍋とは、変化球。
すっぱいのと、しゃきしゃきの。
「6月の黒酢が余ってるんじゃないかと思って」
そういえば冷蔵庫の隅に、
干からびたきゅうりがあったな。
〈黒酢きゅうり〉
きゅうりは食べやすく切って、軽く塩を振ってもむ。じわっと水分が出てきたら軽く絞って、砂糖1をかけてなじませる。(酢に砂糖を煮溶かしたりしなくていいそうです)黒酢3、ごま油0.5を加えて、20分くらいおけばできあがり。酢はなかなか使い切れないんだけど、美容にいいことしかないから、どんどん漬けていこう。
〈きのこのおろし和え〉
好きなきのこをよく焼いて、食べやすく刻む。きのこを焼く間につくっておいた大根おろしと和えて、すだちを搾る。そのままでもやさしい味わいだし、食べる直前にポン酢や醤油をかけてもいい。
〈ハモと梅の鍋〉

ハモ、油揚げ、はまぐり、豆腐、板麩、水菜を鍋に並べ、昆布とかつおのだしをひたひたに注ぐ。水煮の山椒と梅干しを具の間にちょんちょんと配置し(このときは梅干し3個)、ふたをして火にかけるだけ。はまぐりの口が開いたらもう出来上がり。ほかの調味料は不要。関東のスーパーでもよく見られるようになったハモだけど、もし売り場になければ鯛など白身やうなぎの白焼きなんかでもいい。
さあ、いただきましょう。
夏に鍋。しかも梅の酸味と山椒のスパイスがきいたかなりの大人(枯れ)度。陶器じゃなくて、ガラスの小鉢によそって食べるなんてアイディアだと思う。野菜ときのこの副菜もあっさりして、食べ飽きない。すだちと梅の香りに満ちた食卓は、匂いだけでもう大変な御馳走。
■ワインのこと
オレゴンで生まれたオーガニックワイン、ソコール ブロッサー エヴォリューション スパークリング NV。クリーミーだけど切れがある。ステムのないグラスで飲むのも、家呑みっぽくていい。
■器のこと
黒酢きゅうりと、きのこのおろし和え、色違いで桑原典子さん
Profile

麻生要一郎 Yoichiro Aso
建築、飲食、宿業を経て料理研究家。
「毎日食べても飽きない家庭の味」がモットー。
Instagram @yoichiro_aso
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Photo & Text: GINZA