「目の届く範囲で、きちんともてなしたい」と、カウンター8席の小さなお店を開いた黒﨑一希さん。1万3000円のおまかせは、お鮨とおつまみが交互に出される約23種のコース。ふわりとしたシャリと、一つ一つ仕事したネタが一体化して口のなかで溶ける握りの食感がなんとも印象的。砂糖を使わずに仕上げた、後味の爽快感も新鮮だ。絶妙な頃合いで登場する季節の茶碗蒸しや〈毛ガニと赤貝の酢の物ジュレ掛け〉などの気の利いたつまみに、お酒もどんどんすすむ。
塩で〆て最後に1滴酢を効かせたサヨリ、最高の甘味と歯ごたえを追求してミディアムレアに火を通した車エビなどの握り。