毎日のご飯、どんな器で食べていますか?センスのいい料理好きな方たちに、お気に入りの器を使った食卓のワンシーンをSNAPしてもらいました。デザイナーとして活躍する傍ら、映像や写真のプロップスタイリストとしても活動する・YUMI KUROTANIさんの食卓とは?
料理好きなあの人の器SNAP。デザイナー・YUMI KUROTANIさんの食卓
YUMI KUROTANI/デザイナー
@yumi.kurotani
美しく透けるガラスの器
光に透けて、きらきらと美しいガラス。いつものデザートやごはんが素敵に見える、魔法の器たち。彫刻のような佇まいは、美しく繊細で“丁寧に扱わないと割れてしまう”。そんな緊張感があって、大切に、大切に使っています。笹川健一さんのワイドリムボウルには桃のゼリーを、小林裕之・希さんの茶杯には苺サワーを。ガラス工房「fresco」さんのkasumiプレートとボウルには、目玉焼き・バタートースト・かぼちゃのナッツサラダをのせました。
ぬくもりを感じる木の器
心を込めて作られた木の素材感に、思わずうっとりします。トマトスープを入れた木工作家・堀宏治さんの深くるみ盆は、最初手に触れた時は、“削りたて!”という感じで、まっすぐ伸びた彫り跡に背筋が伸びました。使い込んでいくと今度は彫り跡が優しくなじんできます。長く、愛したくなるお盆です。茶器や日本食、スープにぴったり。
和菓子をのせた内田悠さんの器は、真面目に磨かれたことが伝わる、シルキーな触り心地。染めで色を入れるのではなく木が持っているタンニン質を引き出すことで、色合いがグレイッシュになるそうです。ずっと、ずっと使い続けたくなる器です。イチジクのお菓子は、和菓子が大好きでいつか自分で作れたらいいな、でも難しそうだな、と思っていたのですが、「HIGASHIYA」の棗バターを食べたとき、もしかしたら私でも工夫したら作れる!と思い、アレンジして私なりに作ってみました。ドライイチジクを切って、中に空洞をつくってそこに塩をまぶしたバターと素揚げした胡桃をはさみ、常温でしばらく置く。バターが少し溶けてきたら出来上がり。
色合いや形を楽しむ土もの
綺麗な色や形の焼き物は、忙しい日の簡単なごはんでも、食卓を一気に楽しくしてくれます。なかでも、土っぽくてマットな質感の器が好きです。トーストをのせた白石陽一さんの変形皿は、鋳型に液体状にした磁土を流し込む、という自然経過をそのまま作品にしています。自然から生まれる表面の質感と、人でしか作れない形状が魅力的です。さまざまな置き方で楽しめて、サイズも使いやすいので我が家での登場頻度はかなり高めです。
ぶどうをのせたルビー色の器は、この春迎えた一枚。ポエティックな淡い色合い、自然を感じるその模様に一目惚れしました。ずっと欲しかったフランス人のMarion Grauxさんの作品で、代々木上原の「AELU」で買いました。なんでもないいつもの朝ごはんも、洗っただけの果物も、大切な日の夕飯も、楽しく彩ってくれる器です。
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YUMI KUROTANI
多摩美術大学環境デザイン学科インテリアデザイン専攻卒業。在学中にフィンランドへ留学、アールト大学芸術デザイン学部ファニチャーデザイン・テキスタイルデザイン専攻。現在はVMD・ウィンドーディスプレーなどのデザイナーとして資生堂に在籍。その傍ら、映像や写真のプロップスタイリストとしても活動している。
instagram: @yumi.kurotani https://yumikurotani.work