毎日のご飯、どんな器で食べていますか?センスのいい料理好きな方たちに、お気に入りの器を使った食卓のワンシーンをSNAPしてもらいました。料理の連載を多数持つスタイリスト・宇藤えみさんの食卓とは?

宇藤えみ/スタイリスト
@emiuto
息子と食べる朝ごはん
【季節の一皿】余裕のあるときは庭にある紅葉を添えて、季節を感じられる朝ごはんに。最近は器の色選びも変わり、夏から秋へ、茶系で温かみのある色になってきていきます。この日のメニューはラップを使わずに手で握ったおにぎり、卵焼き、焼き魚、糠漬け。プレートは城進さん作で、親子ごはんのワンプレートに重宝しています。〈STUDIO PREPA〉さんのガラスポットは、シンプルなデザインで美しく、直火出来るので便利。庭のミントなどを入れてハーブティーにするとまた綺麗なんです。右の湯呑みは大村剛さん、 左は川口武亮さん作
【季節の飯碗】旬の食材を使ったさつま芋と舞茸の炊き込みごはんは、水出しの出汁さえ夜仕込んでおけば、時短できる最高の朝ごはんです。料理と気分で器を選びますが、この日使ったのは食卓の景色を思い浮かべながら一目惚れした飯碗たち。右上は小林耶摩人さん、左上は川口武亮さん、右下は山田隆太郎さんのもの。米好きなので、飯碗がだんだんと増えていきます
息子と二人で食べる事が多い朝ごはんは、お揃いや似ている和の器が登場することが多いです。我が家では三食の中で朝ごはんを一番大切にしていているので、メニューは旬を感じられるものを作るようにしています。とはいえ毎朝手の込んだ料理は大変なので、夜に魚を塩麹や味噌で漬けておいたり、出汁は水出ししておいたりと、毎朝30分くらいで作れるように準備しています。
ワンプレートのひとりごはん
【パクチーたっぷりもやし焼きそば】胡麻油・醤油・塩・ニンニク・生姜にナンプラーを入れて、タイ風に仕上げた焼きそば。たっぷりパクチーで高さを出し、角田淳さんの白い器で爽やかさを演出すると、食卓にアジア感が生まれます。角田さんの器とは〈BLOOM&BRANCH〉で出会い、少しずつ集めています
【あんこパンとミルクたっぷりカフェラテ】美味しいパンを買った日の楽しみは、お気に入りの器を使ったカフェ風ごはん。パンの器は有永浩太さん作、カフェラテの器は〈STUDIO PREPA〉さんのもの。ガラスの器は、料理をのせて光が入った時の色の変化や、テーブルに映る影がいろんな表情を見せてくれるので大好き。グラスはお花を飾って楽しむことも
【半熟目玉焼きごはん】半熟の目玉焼きを作って、美味しいかつお削りぶし(クラッシック節)と醤油(井上古式じょうゆ)を、黒米ごはんにのせただけ。素朴だけど料理の美味しさを大きく左右する調味料にこだわった、“美味しい”がいっぱいのごはんです。器は村上雄一さんのもの。シンプルなごはんのときこそ、器を丁寧に選びます。この地味〜な料理が綺麗に映える器選びが、どこか服のスタイリングに似ていて楽しいです
ひとりごはんはサクッと作り、ワンプレートで済ますことが多いです。3歳の息子はまだ大人と同じ味付けは食べられないので、自分だけの料理のときにナンプラーやスパイス、ハーブを使って楽しんでいます。器はそのときの料理に合ったものをセレクト。簡単な料理でも気分が上がる器だと、何倍も美味しく感じられます。
目にも鮮やかなおもてなしごはん
枝豆のワイン蒸しは翁明窯元さんの器に、塩麹と柚子胡椒チキンは松原竜馬さんのオーバルプレートに、生ハムと桃サラダを盛った白いお皿は村井大介さん作、彩りサラダのガラスの器は〈STUDIO PREPA〉のもの。最近モノを集める時、光が入ると色や影が綺麗だろうな、と思うモノに惹かれます。影まで綺麗で大切にしたい器が増えています
普段の料理は地味色ですが、ゲストが来る時は食材の色や器で食卓を華やかに演出。さらに、ゲストによって作る料理や器選びを変えます。お酒好きが来る日は、お酒に合うごはんを。癒しを求めている友人には、おふくろの味を意識した古民家の宿ごはん風にしてみたり。そんなことを考えながら料理を作り、器を選ぶのはとても楽しいです。