ファッションを見極める確かな目を持つ識者を「おすすめする人」として、身の回りにいる〝おしゃれバランスがいい人〟を推薦してもらった。さらに、推薦された「バランスがいい人」をポートレート撮影!それぞれに個性あふれる私服の装いは、オリジナルな魅力に満ちている。はたしてバランスのよさとはどこから生まれるのか?識者と推薦された人、双方のコメントから探ってみたい。
バランス巧者の私服SNAP。ユッタ・クラウスさん「自分の体型を知ってファッションを楽しみ尽くす」
バランスのいい人
ユッタ・クラウス
〈Bernhard Willhelm〉 CEO
「ドイツに住んでいた頃は自分に合うサイズの服を見つけることが難しく、いつも大きなトップをドレスのように着ていました。ワードローブは〈Bernhard Willhelm〉の服がほとんどですが、靴はシーズンごとにたくさん購入します。昔はヒールもはいてましたが、今はフラットばかり。
選ぶアイテムは年々変わりますが、その理由は年齢ではなく〝ファッション〟。新しいシルエットをどんどん試して、より個性的に、エキセントリックでいたいから。15歳になる娘は、私とは違ってメイクが大好き。彼女から刺激を受けて、最近はグリッターネイルにも挑戦しました。好きなことを好きな時に、年齢に関係なく楽しめるって素敵ですよね」
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ユッタ・クラウス
1972年ドイツ生まれ。1998年にベルンハルト・ウィルヘルムとともに〈Bernhard Willhelm〉を立ち上げる。現在はパリを拠点に、世界中を飛び回る毎日。
おすすめする人
谷崎 彩
スタイリスト
ファッションは脳を活性化してくれる
楽しく生きるためのツールが服ですから
「バランスについて考える時、まず自分の体型を知ることが何よりも大切です。首の長さや肩幅など、自分の骨格と向き合えば、自分にフィットするバランスが必ず見つかる。あと、素材感も重要。全身カジュアルな素材でまとめるのではなく、デニムだったら上質なシルクなどと合わせてみる。『硬い』と『柔らかい』といった兼ね合いも常に考えています。逆に、全身を上質な素材でまとめることも避けているかもしれません。
私の20年来の友人、ユッタ・クラウスは華奢な体にオーバーサイズの服をまとい、細くて美しい脚をだしていて、自分に似合う物を熟知しています。自分の魅力をよく理解しているからこそ、彼女の着こなしにはエレガンスも感じられますよね。
ファッションは脳を活性化してくれる。見たことがない服を着ると、刺激を受けて気分も高揚するし、どんな年代でもそれができる自由な心が大事だなって思うんです。自分が楽しく生きるためのツールが服ですから」
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谷崎 彩
1998年から代官山の隅っこで小さな輸入洋品店を開業。2000~04年頃まで、『Purple Fashion』のスタイリスト兼ファッションエディターを務める。