「R-1」優勝おめでとうございます!
「ありがとうございます! でも、こんなおしゃれな雑誌に僕が出て大丈夫ですか?」
大丈夫です。「見えてない」んで。
「横方向はダダ漏れなんですけどね(笑)」
お盆1枚、素っ裸。「絶対に見せない」のがアキラ100%さんの芸。2015年、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の「山-1グランプリ」に「丸腰刑事」として登場しじわじわと人気が高まり、去年の年末に放送された『絶対に笑ってはいけない科学博士24時』では原田龍二さんとコンビを組んでの「丸腰刑事」で大晦日のお茶の間を笑わせた。そして今年2月、ピン芸人ナンバーワンを決定する『R-1ぐらんぷり2017』で見事優勝。もー、笑いました。お腹がよじれるほどに。
「笑ってもらえてよかったです。女性の場合、ウンともスンとも笑わない人とキッパリ分かれるんです。三振かホームランかで」
でも、アキラさんの裸はちっとも不快じゃない。ほどよく筋肉がついていて、髪も七三分け、お肌も毛深くない。妙な爽やかさが面白さに拍車をかけてると思うんです。
「色気がないんです。平均の平均、ジャストアベレージの体なんで。もともとスポーツクラブでバイトしてたんです。でも、真面目にトレーニングをしてないんでバキバキの体でもなく。中肉中背、40代にしてはまあまあ保ってるのかな、程度の(笑)」
埼玉県秩父市出身。高校時代に演劇部に入って芝居に目覚め、大学卒業後は俳優を目指し、椎名桔平さんの付き人も経験した。
「椎名さんの付き人は、自分的には大きなチャンスだったんです。でも、急ブレーキ急発進、縦列駐車が苦手、首都高もどこを走ればいいかわからない。椎名さんは本来、車内では台本を読んだり休まれたりされるんですが、運転席の真後ろに座られ、『そこ右。はい、ウィンカー出して。次左』っていつも声をかけていただきまして(笑)」
その後、30歳で大学の同級生とコンビを組み、お笑いの世界に足を踏み入れる。
「もともとチャップリンが好きで、コメディがやりたかったんです。だから、お笑いも大好きで。芸人になるのも自然の成り行きだなって。それで、お笑いライヴをやったり、テレビにも何回か出させてもらったりしました。でも結果がなかなか出せなくて。始めて5年くらい経って、『来年1年やってうまくいかなかったらやめよう』と。そしたら、ホントなにもなく終わりまして(笑)。でも僕は、これで終わっちゃうのはイヤだなって。それでなんとなくピンになったんです。36歳のときでした」
そして、〝裸芸〟に行き着いたのが40歳手前のとき。番組のオーディションで宴会芸のような笑いを求められ、ふと、コンビ時代のコントを思い出したという。
「『喫茶ナチュラル』というコントで、店員の僕が裸で出てくるネタだったんです」
あ、じゃあ、銀のお盆はそこから?
「そうなんです。でも結局、『面白いけど、 テレビだからね』って断られてしまうことがほとんど。僕も『そうですよね』って自粛するようになって。でも『山-1』のオーディションでスタッフさんに言われたんです。『去年やってた裸ネタはやらないんですか?』って。そのときハッとしたんです。売れない芸人が自分で制限を決めてどうする、ボーダーをつくっちゃダメだなって」
ちなみに、アキラさんが長年付き合っていた彼女と結婚したのは「山-1」のオーディション前、14年の年末のことだった。
「あきらかに結婚が転機になりました。それまでは、売れたいという気持ちはありつつ、どこかユルくて覚悟が足りなかった。結婚したからには、ずっと励ましてくれていたヨメさんを喜ばせたいなって。いまはお盆に全額ベットして、ギリギリのラインを歩いてます。完全アウト側かもしれませんけどね。でも僕、服を着るとなんの特徴もない42歳のオジサンですから(笑)」