30 Nov 2019
しし座さんへ。12月のお手紙

冬至の話
真夏生まれのしし座は、太陽の落とし子です。
お天気がいいとなんだか元気になって、曇り空や雨の日には、憂鬱になることが多いのではありませんか?
キラキラの日差しの下なら、自分を無敵に感じられるのに、どんよりとした空模様だと無力でちっぽけに感じるでしょう。暖かい日が好きだし、強い日差しに励まされます。
それくらい、シンクロしているのです。
一年の終わり、お正月に先立って冬至がやってきます。
ユズ湯に入ったり、カボチャを食べたりするあの日です。地域によっては、小豆粥が食卓に上ることもありますよね。一年で一番、昼が短くなって、夜が長くなります。冬に至る、それが、冬至です。
ユズ、かぼちゃ、小豆、これらは太陽の象徴です。
昼が短い、つまり、太陽のパワーがもっとも小さくなるから、おひさまに属するものを食べることで、内なるエネルギーに変えるのです。寒さや闇に抗う力をつけるための風習です。
古くからの言い伝えには、秘められた意味があるのですが、獅子座さんにとって、実は当時は大事な節目なのです。
12月は、不死鳥のように!
冬至を境に、古い太陽は死に、新しく生まれ変わります。
さながら、燃え尽き、灰の中から新しく燃え上がる不死鳥のように、節目を迎え、再起動がかかるのです。
だから、今、なんだかわびしい気分、すべてを他人事のように感じたり、何もかも終わった、自分の手から離れてしまったと考えたりするのは、非常に正しく、この上なく、感覚が研ぎ澄まされているといえます。
古い太陽が終わりに向かうように、あなたの心も、体も、精神も、緩やかに弛緩していきます。無理は効かないし、したくないでしょう。
プライドが高く、負けず嫌いですが、この時期は、勝敗はさほど気にならないはず。
打ち勝てば、実力や経験を再認識しますし、仮に負けても、相手のファイトを素直に評価できるのです。
イメージは、引退した大物。
派手に活躍する役目は、誰か他の人に任せて、あなたは、プロデュースや相談役、まとめ役に回りましょう。いつもなら、「やりたい!」と感じることを「任せる」と人に委ねるのです。
すると、何が起こるかといえば、再評価が始まります。
なんでも自分で仕切らないと気が済まなかった人が!
一番オイシイところ、かっこいいポジジョンは譲らなかった人が、一歩引いた!
これは、事件です。
でも、「このまま、裏方コースかな?」と考えるのは、早計というもの。
「やっぱり、しし座さんじゃなければ!」が来ます。
「しし座さんのすごさがわかりました!」も来ます。
潔く引くことで、かえって際立つのです。というわけで、素晴らしい冬至を、そして、年末をお迎えください。
章月綾乃 しょうづき・あやの
やぎ座生まれ。星占いを読んでもなんだかピンとこなくて「こんなはずじゃない!」と深追いしたら、うっかり、占い師に。雑誌やwebの心理テストを考えたり、占いを書いたりしています。星のお手紙、モグモグ食べないように気をつけます。オフィシャルサイトはこちら。
Illustration: naohiga Coordinate: Norie Sato