31 Oct 2019
みずがめ座さんへ。11月のお手紙

ずっと話したかったこと
お変わりないでしょうか?
実はずっとお話をしたかったことがあるのです。
今、私は映画館で映画を見るチャレンジをしているのですが、10月にルキノ・ヴィスコンティの「ベニスに死す」を観たのです。タイトルは、聞いたことがありませんか? 48年前に公開され、未だ、名画として語り継がれている作品です。
この中に、美青年が出てきます。
映画を見ながら、私はずっとみずがめ座さんのことを考えていました。
ギリシャ神話の中で、みずがめ座は美少年の持ち物です。若く美しいトロイアの王子は神々の給仕役に選ばれ、さらわれてしまいます。永遠の若さと命を与えられ、天に属するのです。
ヴィスコンティ監督が探し出した美少年・ビョルン・アンドレセンの美しさも社会現象を起こし、日本のカルチャーの基準を大きく変えてしまいます。
今、少なくない人たちが密やかに嗜んでいる世界の根底、ルーツのようなものが『ベニスに死す』に透けて見えました。
つまり、それが、みずがめ座さんのパワーなのです。
その存在が世界を変えていく、意識、物事の在り方を根底から崩してしまい、それを知った後は、もう元には戻れません。
硬質な美しさ、清らかさも、みずがめ座さんの領域です。
11月は、魔性の魅力を発揮して
11月のイメージは、貧乏くじ、でしょうか。
「えー、そんなことやりたくない」が回ってきます。
責任が重くなったり、仕事や役目に拘束されたり、気持ちが萎えることが多いでしょう。
そんな時にぜひ、試していただきたいのが、心の中の美少年の発動です。
爽やかで汚れなく、健やかさと清潔な妖艶さを宿す人物ならば、過剰に課題が課せられた時、どうするでしょう?
少し、困った感じではにかんでみる、あるいは、気弱に請け負う、まわりが「ああ、こんなにやらせてごめん。手伝うから!」、もしくは、「こんなこと、あなたにはさせられない!」など撤回する、そんな魔力を発動させるはずです。
あなたには、そういう回避能力があるのです。
時代を進化させるという意味でみずがめ座さんが持っている別の顔、たとえば、ITっぽいイメージ、科学者とか発明家とか、奇才、時代の寵児のイメージが強すぎて、最近は忘れてしまっていると思いますが、もっとも原始的で、もっとも強く働くのは、神々を魅了した王子様属性なのです。
ちょっとだけ戸惑ってみるだけで、世界は変わります。
軽減が可能なのです。
調べたら、ビョルン・アンドレセンもみずがめ座生まれでした。やっぱりねー!
章月綾乃 しょうづき・あやの
やぎ座生まれ。星占いを読んでもなんだかピンとこなくて「こんなはずじゃない!」と深追いしたら、うっかり、占い師に。雑誌やwebの心理テストを考えたり、占いを書いたりしています。星のお手紙、モグモグ食べないように気をつけます。オフィシャルサイトはこちら。
Illustration: naohiga Coordinate: Norie Sato