31 Oct 2019
おひつじ座さんへ。11月のお手紙

アースカラー&ダークカラーの季節
秋がようやくやってきましたね。
最近の季節の移ろいは唐突過ぎて、戸惑いを覚えます。
ついこの間まで暑かったから半袖が出ているけれど、着てみると肌寒いのです。
夏は突然去って行って、気づいたら静けさと落ち着きのステージで、みんな制服のように茶系の色を当たり前のように着こなしています。
あなたのことだから上手にまわりに合わせていると思いますが、こっくりとした、ちょっとくすんだカラーを目にしたり、身に着けたりする度に、急に老けこんだ気分になってしまうのではありませんか?
昨日まで一緒にはしゃいで遊んでいた友達が「ウチら、もう受験じゃん? 遊んでいられないよ」と、今まで見たことがない顔で去って行き、毎日が急につまらなくなったあの頃のように。
永遠に続くと思っていた夏は去り、ぼんやりと心の痛みや喪失感、あいまいな孤独を感じたまま、秋は深まっていきます。
厚手の生地の服は、あなたには重く押さえつけられている気がするし、暖かさは生ぬるく、何か重大なごまかしがあるように感じるでしょう。
心の中のわだかまり、「ケッ」という思いが反復され、11月は、妥協と欺瞞のシーズンとなります。
あなたは、もっと身軽でいたいのです。
11月は追い越しをかけて
簡単に言えば、調子が狂っているということ。リズムやペースがズレていて、乗り切れません。
必死に合わせようとすればするほど、何が正解かわからなくなって手と足が同時に出てしまう……みたいなバツの悪さを味わいます。きっと気づいていないと思いますが、自分で決められなかったこともイヤなのです。
「今日からこうする!」と宣言するのがあなたのスタイルですが、秋には出し抜かれてしまうのです。まわりが先に動いて、後から合わせるしかないから、してやられた気分、悔しさ、もどかしさだけが残るのです。
が、誰よりも勝利にこだわるおひつじ座さんが負けっぱなしで終わると思いますか?
実はこれ、逆転勝利というパターンを学ぶためのレッスンです。
「ウチら、遊んでいられないよ」と見捨てられ、ショックに慣れ、ちょっと頭にきて怒りのパワーで奮起して、友人よりも良い学校に入っちゃう……みたいなのが、新しい戦法です。
大好きだったから憎くて寂しくて、最優先じゃなかったの?という問いかけは、自己解決で、最優先じゃなかったんだという諦めと悟りに落ち着いて、でも、結果は上々、おかげさまで人生順調みたいな感じになります。
秋、案外、悪くないでしょ?
章月綾乃 しょうづき・あやの
やぎ座生まれ。星占いを読んでもなんだかピンとこなくて「こんなはずじゃない!」と深追いしたら、うっかり、占い師に。雑誌やwebの心理テストを考えたり、占いを書いたりしています。星のお手紙、モグモグ食べないように気をつけます。オフィシャルサイトはこちら。
Illustration: naohiga Coordinate: Norie Sato