秋がようやくやってきましたね。
最近の季節の移ろいは唐突過ぎて、戸惑いを覚えます。
ついこの間まで暑かったから半袖が出ているけれど、着てみると肌寒いのです。
夏は突然去って行って、気づいたら静けさと落ち着きのステージで、みんな制服のように茶系の色を当たり前のように着こなしています。
あなたのことだから上手にまわりに合わせていると思いますが、こっくりとした、ちょっとくすんだカラーを目にしたり、身に着けたりする度に、急に老けこんだ気分になってしまうのではありませんか?
昨日まで一緒にはしゃいで遊んでいた友達が「ウチら、もう受験じゃん? 遊んでいられないよ」と、今まで見たことがない顔で去って行き、毎日が急につまらなくなったあの頃のように。
永遠に続くと思っていた夏は去り、ぼんやりと心の痛みや喪失感、あいまいな孤独を感じたまま、秋は深まっていきます。
厚手の生地の服は、あなたには重く押さえつけられている気がするし、暖かさは生ぬるく、何か重大なごまかしがあるように感じるでしょう。
心の中のわだかまり、「ケッ」という思いが反復され、11月は、妥協と欺瞞のシーズンとなります。
あなたは、もっと身軽でいたいのです。