31 Aug 2020
ふたご座さんへ。9月のお手紙

夏の終わりの夕暮れのように
夏は急ぎ足で去っていき、お馴染みの心細さがあなたにピタリと張り付いています。
体はまだ涼感を求めていますが、心はそろそろ、秋色にシフトしているでしょう。
こうしちゃいられない、もう帰らなきゃ、この季節は、そんな気分が強まっていくのです。
ただ、次に何をすればいいのか、パッと浮かばないし、やらなければいけないことは、それほどやりたくないし、もうちょっとしてから始めても間に合うし、どこに帰ればいいのか、よくわからないし、暑さと静けさのマーブル模様の中で、ふたご座さんは、軽く迷子になっているでしょう。
いつもの夏ならば、「たくさん遊んだから、頑張ろう」って、自分に言い聞かせることが出来るのです。
ところが、ずっと続く我慢と失望で、気分がアガり切りません。なんだかなあのボヤキの中で、ぼーっとしちゃう感じ。
無気力の沼の中にズブズブと沈んでいくのも、なんだか心地よく、まあ、いろいろ無理もないわけです。
9月は飛び級感覚で!
昔は、飛び級というのがあったらしいですよ。
すごく優秀な子供は、学年をスキップして先輩たちに交じって学んでいくのです。本で読んだだけの知識で恐縮ですが。
で、ふたご座さんも飛び級方式でいいんじゃないかなって感じるのです。
「まだ、夏をやってないし!」「GWも、花見もなかったし!」みたいに、順番にこだわるの、あなたらしくないですよね?
段取り上手、仕込み名人を目指すあまり、「天才」パート、忘れてませんか?
もう秋でいい。カーキ、ブラウン、ボルドー……
本読んだり、アートを感じたり、ちょい重めにいきましょう。
どうせマスクで隠れちゃうからじゃなくて、チラッと外した時のパーフェクト感を狙っていく。
人と深く向き合う、じっくりと語り合ってみる、恋もときめきではなく、安心と約束にシフトしていく、ホラ、やることが見えたら、気持ちが変わりませんか? あれもこれも、あっちもそっちも!
ヤル気、戻ってきたでしょ?
章月綾乃 しょうづき・あやの
やぎ座生まれ。星占いを読んでもなんだかピンとこなくて「こんなはずじゃない!」と深追いしたら、うっかり、占い師に。雑誌やwebの心理テストを考えたり、占いを書いたりしています。星のお手紙、モグモグ食べないように気をつけます。オフィシャルサイトはこちら。
Illustration: naohiga Coordinate: Norie Sato