01 Mar 2021
てんびん座さんへ。3月のお手紙

品種改良
お元気ですか?
もう3月、世界が止まって時が引き延ばされているように感じるのに、気づくと季節が進んでいます。なんだか騙されているような気分になりますね。
最近の私のストレス解消は料理で、「こんなに食べきれないでしょう?」を作り続けております。
餃子からマカロニチーズ、マカロニサラダの時代を経て、マサラパパドにブームが移行しています。マサラパパドは、インドのおせんべいにスパイシーな野菜が載ったものです。
神保町のインド料理の老舗マンダラで出会ったのですが、あまりにもハマり過ぎて、葛西まで行って材料となるパパドとチャットマサラを買い込んできました。
そして、上に乗せるトマトを選ぶ段になって、ハタと行き詰りました。昔っぽい、酸っぱいトマトが合うと思うのですが、今どきはフルーティーなものが主流なのですね。
おいしさの定義が変わって、品種改良が進み、欲しいものを見つけるのは、すごく大変なのだと気づきました。
3月は、ビフォー品種改良で。
人々の嗜好に合わせて、変化した野菜のように、私たちも口当たりの良さ、食べやすさを奨励されてきました。
特に、協調性豊かなてんびん座さんですから、並々ならぬ努力を持って今があるでしょう。
感じの良さ、素敵さ、おしゃれっぽさ、かわいらしさに洗練、素敵を体現してきたはず。でも、そろそろ、「これは求められていないから」と押しとどめてきたものを復活させてもよさそうです。
欠点が長所に、アクの強さがクセになるでしょう。
たとえば、負けず嫌いなところ、あるいは、完全主義な一面、こだわると人にぶつかってしまうから、そっとなかったフリをしてきたもうひとつのあなたらしさを復権させてみましょう。
これくらいでいいか、この辺が適当かと、調整をかけ、やり過ぎないように、悪目立ちしないようにセーブしてきた部分が、この先効いてきます。
「そんな人だったっけ?」と聞かれたら、「知らなかった?」とアルカイックスマイルでとぼけるのがよさそう。
章月綾乃 しょうづき・あやの
やぎ座生まれ。星占いを読んでもなんだかピンとこなくて「こんなはずじゃない!」と深追いしたら、うっかり、占い師に。雑誌やwebの心理テストを考えたり、占いを書いたりしています。星のお手紙、モグモグ食べないように気をつけます。オフィシャルサイトはこちら。
Illustration: naohiga Coordinate: Norie Toriyama