31 Jan 2023
さそり座さんへ。2月のお手紙

ジェネレーションギャップ
お変わりはありませんか?
少し前の話になりますが、岡本太郎展の話をさせてください。「すごくよかった」と言われて、東京公開の最終日に駆け込んだのです。ところが、何も響きません。
よくよく考えたら、無理もないのです。子供の頃、70年代カルチャーとしてリアルタイムで体験しているから、新鮮味はゼロなわけ。勧めてくれたのは、10歳下のネイリストさん。なるほど、これが世代差かと妙なところで感心してしまいました。
唯一興味を惹いたのは、作品作りのモチーフ、インスピレーションのもととなった昔のスライドでした。
土着の祭、恐山や久高島、ドロッとした日本の原風景。50年前にはあったものが、今、どれほど残っているのでしょう? 土地の風習として継承していくのも大変な時代ですよね。
いくつか手のモチーフの作品があったので、「おお、これはますかけの手相!」「青だから人差し指を強調かあ」など、占い師っぽく楽しんできました。
2月は、あなたのセンサーで
誰かにとっての新しさが別の人間にとっては懐かしさになる面白さがここにあります。
どのタイミングで出会ったのか、どう関わったのかで、得られるもの、つかめるものも違いますよね。
初岡本太郎ワールドに感性を刺激されて、大感動するほうがお得な気もしますが、「ああ、そうそう、あの頃って、とにかくあくどくて」と思い出の紐を解くのも悪くはなくて。もうそれは、その人それぞれの巡り合わせで、ズレてしまうのは仕方がなく!
そういう自分の感覚、良くも悪くも全部ひっくるめて、あなたがどう感じたのかを大切にしていきましょう。
人のオススメがイマイチだった、自分のイチオシがスルーされた、両方あってよく、だからこそ、「イイ」と感じたものが、特別になっていきます。
共感や理解に至らなくても焦らずに、媚びずに「いろいろあるよね」な多様性、包容力で次へ進む原動力に変えていきましょう。核を大事に、原点を意識して!
恋も飾らず、等身大で。
章月綾乃 しょうづき・あやの
やぎ座生まれ。星占いを読んでもなんだかピンとこなくて「こんなはずじゃない!」と深追いしたら、うっかり、占い師に。雑誌やwebの心理テストを考えたり、占いを書いたりしています。星のお手紙、モグモグ食べないように気をつけます。オフィシャルサイトはこちら。
Illustration: naohiga Coordinate: Norie Toriyama