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新たなアプローチで挑む、JW アンダーソンのデザイナー、ジョナサン・アンダーソンにインタビュー

新たなアプローチで挑む、JW アンダーソンのデザイナー、ジョナサン・アンダーソンにインタビュー

COVID-19によるパンデミックで世界が動き、ファッション業界も大きく変化している今。そんな中、〈JW アンダーソン〉が、2021年春夏メンズコレクションと2021年ウィメンズリゾートコレクションをオンラインで発表。ブランドを手がけるデザイナーのジョナサン・アンダーソンは、この厳しい状況の中、何を感じながら制作したのか、彼のクリエイションとこれからについて話を聞いた。


コレクションのプレゼンテーションをオンラインで発表した〈JW アンダーソン〉。その前に手もとに届いたのは、文字が描かれた布で包装されたひとつのボックスだった。それを開けると、フォルダの中に紐や釘、マスク、押し花、コレクションに使われた生地、さまざまなサイズの紙に描かれたルック、メッセージカードがまとめて入っていた。このワクワクするような手法は、ジョナサンが私たちに向けた“メッセージ”でもあり、コレクションを披露する彼の新しいアプローチだったのだ。

今回のメンズコレクションはゆったりとしたテイストで、くつろげるような家で過ごすコンセプトの中に実用性と遊び心を盛り込んだもの。一方のウィメンズコレクションは、エレガントなバランスを重要視したクラシックなスタイル。ともにマスクを付けたルックで、ミステリアスな雰囲気も醸し出している。

JW アンダーソン 2021年春夏コレクション

JW アンダーソン 2021年春夏コレクション

制限される中で完成された2つのコレクションは、どのように創り上げられたのだろうか?

──パンデミックの最中に発表することになった、今回のコレクションについての概要やコンセプトなどを教えてください。

僕がファッションショーをするとき、普段はメディアのみんなを世界中から招待しているんだけど、今回はそれができなくなった。だからと言って、デジタルのショウもやりたくない。僕は、もっとパーソナルなもので、自分の家で体験できるようなものをやりたいと思っていた。家にいなければならない時間が増えている中、自分の時間を大切にして、自分の好きなようにコレクションを楽しんでもらいたいと思ったから、このようなプレゼンテーション方式にしたんだ。ゲストは届いたボックスを開けて、自粛期間に思ったことを綴ったメッセージカードに共感してくれるかもしれないし、同封した釘に興味を持つかもしれないよね。みんながボックスに詰まったクリエイションを楽しんでもらえればいいなと思っているよ。正直に言うと、ロックダウン中にコレクションを完成し、それを発表することができて本当にラッキーだと思う。チームは本当に一生懸命働いてきたんだ……こんな状況下だからもちろん、簡単なことではなかったよ。そういう意味でも、このやり方は僕からのファンメールのようなものなのかもしれないね。

──今回、モデルを匿名性のあるマスクで表現したのはなぜですか?

今シーズンは、誰かに投影するというよりは、キャラクターが欲しいと感じたんだ。動的なものより、静的なものにクリエイションを反映させることが重要だったから、架空のキャラクターを採用した。メンズでは、アーティストのPol Angladaにお願いして、ウィメンズのマスクは、アーティストのBertjan Potに依頼したよ。彼は本当に素晴らしい人。ずっと前から彼の作品を見ていて、スパイラルモチーフのアイデアがとても好きだった。それで、今回呼びかけて、一緒にコラボレーションすることを快く受けてくれたんだ。

──ロックダウン中はどういう時間でしたか? 考え方は変わりましたか?

自分のやっていたことのバランスを整えるのに、とても役立った期間だったよ。仕事に対する倫理観の面で、実際に学ぶことがたくさんあった。もちろん、普段と違う状況なので、おかしくもなったよ(笑)。でも、几帳面になったし、特に、解決策を考える上で、より積極的になる時間を与えてくれたと思っている。

──パンデミックによるストレスは感じますか?

僕は基本的に楽観的な人間なので、物事が本当に悪い時は、良くなるような気がするんだ。だから、自然と楽観的になるよ。最初の頃は、国をまたぐ移動に慣れていたから、それができなくなって状況に慣れるのに少し時間がかかったけれどね。でも、今は違うリズムを手に入れたような気がするし、今のリズムの方が好きだし、これからもこういうふうに過ごしていくのかな。

──“The future is unwritten”というメッセージメモが印象的でした。コレクションやデザインといった部分で、今後、どのようにクリエイティビティを発揮していきたいですか?

今年はこれまでとは違う方法でコレクションに取り組んでいるけれど、来年はショーで発表する形式に戻ると思う。僕は、ショー自体が芸術だと思っているので、キャスティング・ディレクター、スタイリスト、メイクアップ・アーティスト、プロダクション・カンパニー、アーティストなどの素晴らしい人たちが関わっていることに意味があり、ショーをやり続けることに責任があると感じている。そして、今はこれまでやってきたことを反省したり見直す段階で、そのために新しい方法を模索してクリエイティビティを磨いていく必要があると思っているよ。

Jonathan Anderson じょなさん・あんだーそん

1984年北アイルランド出身。2005年にロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業。2008年にメンズブランド〈JW アンダーソン〉を立ち上げ、2010年にウィメンズコレクションをスタート。2013年には〈ロエベ〉のクリエイティブ・ディレクターに29歳の若さで就任。ジェンダーレスなデザインと独特なクリエイションで魅了している。

Interview: Kurumi Fukutsu

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