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ゆるゆると、でも確かな足取りで我が道を行くバンド・ミツメ。気になる4人のメンバーたちに会ってきました。

ゆるゆると、でも確かな足取りで我が道を行くバンド・ミツメ。気になる4人のメンバーたちに会ってきました。

ミツメの音楽には、ゆるゆると心地よく浮遊させてくれる、ちょっと前向きな物悲しさがある。頑なさは垣間見えるのに、それを押し付けるあつくるしい感じはなくて、奥ゆかしささえ感じるそのセンス。エモーショナルなところからちょっと離れた距離感を与えてくれる。それがまた、個人の記憶と結びつきやすかったりするのかもしれないとも思ったりして。彼らはまさに奇跡的なバランス感覚を持ったクールなツインギターバンドなのです。そこらへんはもう音源やライブを聴いていただけば伝わると思うので、今回は、昨年のアルバム『A Long Day』の発表以降、国内にとどまらず中国、台湾、韓国、ロサンゼルスを回るツアーも行い、待望の新シングル「エスパー」をリリースしたばかりのミツメがいったいどんなバンドなのか、その片鱗を本人たちのお言葉でお届けしたいと思います!


ミツメ バンド
左から、川辺素さん(Vo/Gt)、須田洋次郎さん(Dr)、大竹雅生さん(GtSyn)、ナカヤーンさん(Ba)。この4人、なんだか雰囲気がよく似てます……

大学生ではじめたバンドが、
気づけば7年半続いてた。

ーそもそも、最初はこんなに続くとは思っていなかったとか。

 川辺素(以下、川辺):続けたいという思いはあったんですけど、最初は状況があまりそうしていることを想像できる感じではなくて。お客さんもいなかったし、曲もなかったし、僕らよりも前からバンドを始めて活躍してる人たちもたくさんいましたし。好きで続けていけたらいいな、という延長でリリースしたりライブをやってきて、お客さんにも恵まれて今に至るって感じです。

 

ーじゃあ、当時は普通に就職しようと考えてたんですか?

須田洋次郎(以下、須田):メンバーによってですね。ナカヤーンは年下で、ほかの2人は同じ年だけど、結果、僕は卒業したのが1年早かったんです。卒業してからどう生活していきたいのかはそれぞれ違うものがある中で、就職してもちゃんとバンドを続ける時間を作れる人もいれば、両立はできなさそうだし就職はしない、という僕みたいなのがいたりしたのかなと。

川辺:僕はアルバイトしながら続けていこうと。先は漠然としていて、とりあえず今はやるかって感じで。仕事をやりながら自分の好きな音楽を突き詰めることもあると思うし、そこはメンバーそれぞれの自由かなと。

須田:たぶんそれぞれが音楽が好きだってことはお互いわかっていたし、メンバーそれぞれがしっかり考えていることも付き合っている中でわかっていたから、みんなが自分の考えで生活と音楽のバランスを取るんだったらいいんじゃない?と当時は思っていました。自分自身が選んだ生活が自分には合っているだけで、それがほかの人にとって正しいと言えるわけじゃないから。

 

ーちなみに、メンバーの役割分担ってあるんですか?例えばナカヤーンさんは一番下だから末っ子キャラだとか。

ナカヤーン:今日はまだ何もできてないんですけど、盛り上げ係ですかね……(笑)。

川辺:各々得意分野はあると思うんですけど、誰が取りまとめるわけでもなくて、基本的には4人で話し合うことが多いですね。たぶん、そこが普通と変わってるところなのかもしれないと思うんですけど。

須田:ここ数年で倉庫のような場所を持ったんです。場所を持つことで、ちゃんとしなきゃねっていう目標がひとつずつできてきて、じゃあこれは誰が中心になって考えようかということを話しながら進めていくようにはなりました。でも、結局はどんな決断をするにも4人で話して決める感じなんです。幸い今はそういうみんなで帰ってくる場所ができたので、自然に4人で話す習慣がついているのもあるかもしれないですね。

ミツメ バンド

いいなと思うことは続けて、
違うなと思ったら止めての繰り返し。

年齢を重ねることで変化した部分はありますか?

川辺:そうですね。個人個人で見ているものも違いますし、ただそういうものを持ちつつもバンドにどう返していけるのかということだと思うので。自分が思っていること、やりたいこと、得たものを持ち帰ってバンドに出せるといいなとは思っています。

 

ーあまり年齢にとらわれることはない?

川辺:とらわれてもしょうがないかなと。バンドを始めた時点で世代というのから少し離れてしまった部分があって。多くの同級生たちとは違った人生にはなってるとは思うので。学生の頃はよく考えていたんですけど、時間が経つにつれて僕は考えなくなりました。みんなはもしかしたら考えているかもしれないけど。

ナカヤーン:僕は…年を重ねるごとに知的な人になりたいと思っていましたが、しょうもないままです。みんなは…頑張ってると思います。

須田:末っ子から頑張っているというお言葉を頂戴しました(笑)。

ミツメ バンド
Photo: トヤマタクロウ

ミツメってこういうバンドですよ、
というシングルです。

ーミツメはあまり多くを語らないイメージが勝手にあったんですけど、新曲「エスパー」はちょっとだけお喋りな印象を受けました。

川辺:キャッチーってことですかね。前作の『A Long Day』の制作が終わって、次はどうしようかなと考えていたら、「次は2曲入りのシングルを出すのが面白いかもね」とマネージャー(仲原達彦氏)が提案してくれて。楽しめそうだなと思ったので。

 

ーまずはアイディアがあって。

川辺:はい。シングルで曲をリリースするってどういうことだろう?ってことは1曲でバンドの名刺代わりになる、ミツメはこういうバンドですよっていうのを知ってもらえるようなものにしたいなっていうのがあったから、少しお喋りだったのかもしれないです。

ー歌詞は川辺さんが書いていらっしゃいますが、いつも言葉数が少ないし、タイトルもとてもシンプルですよね。

川辺:自分が落ち着く感じでやっているというのが一番大きいですね。

 

ー言葉のイメージをあまり押し付けたくないというのがあるんですか?

川辺:すごい引っ張られちゃうなという強い単語だったり、あまり歌っていて意味が入ってこないものは使わないようにしたりとか、いつ聴いてもわかるようにはしたいと思っていて。すっごい時代の最先端を表現したいというよりは、ずっとあるようなことを歌詞にできたらいいなと思っているので、段々具体的から離れていっている、ぼやけている感じになっているのかなと思います。

 

ーどういうふうな感覚で組み立ててるんですか?

川辺:この言葉があると限定的になるけど、外してみたら急に開けた感じで意味が何通りも出てくるなと思ったときに面白いなと思うので、そういうところを何回も考えてやっていく感じがあります。ちょっとゲームみたいな感じでやっているところがある。

 

ーできた歌詞に関して、意見を酌み交わしたりも?

須田:歌詞の内容や作り方は初めてバンドを組んだときからは変わってきているとは思いますけど、変わる前も変わってからもそんなにしっくりこないってことがそもそもないから言わずに今に至るという感じでしょうか。あと、レコーディングの歌入れのときに初めて歌詞をしっかり見ることが比較的多いので、川辺がブースで歌っているときに他のメンバーで歌詞について喋ったりはしてます。

ミツメ バンド

自分たちがいいと思える作品を、
シンプルに追求していきたいだけ。

ーミツメは、バンドメンバー以外のエンジニア、デザイナー、カメラマン、グッズ製作などのスタッフも変わらず同じ方々と一緒に制作をされていますが、新しいスタッフと組むことへの興味もありますか?

川辺:もちろん入ってもらいたい気持ちはあるんですけど、関わってもらう方法はいつも慎重に考えていて。例えば雑誌とかでいろんな人と一緒に企画を作ったりはたくさんやっていきたいと思っているんですけど、幹となっている音源制作は自分たちが考えてこれを作りたいというものに最後まで徹底的に付き合ってくれる人たちとやりたいなと。それが今集まってきてくれている人たち。なので、毎回、これを作ったから次はこうしようかという感じで、すぐ次の話が始まってどんどん続けていけています。

須田:自分たちがいいなと思える作品をシンプルに追求していくことを考えたときに、今は自分たちでやったほうがいいという考えになっているので。だから、誰かの手が加わったほうが活動のためになるということが起きれば、バランスが変わってくる可能性はあると思います。バンドが一番大事にしたいことが続けられるなら、それ以外のことは変化してもいいことかもしれない。続けていくことは、なかなか難しいとも思っているので。

 

ーお互いをリスペクトしながら同じ方向を向いてモノづくりができるって理想だけれど、違う人間だから時間もエネルギーもかかるんじゃないですか?

須田:もちろん意見がぶつかって双方が全く折れずにグルグル話が回り続けることも時にはありますけど、ぞれぞれが何がいいと思うかはちゃんと意見しながら、いい着地点を探す。最終的に納得できるところはどこだろうと考える。そこを投げ出さずに毎回繰り返しているから、振り返ってみると1本バンドらしい芯ができてきたのかなと思います。

川辺:やっぱり民主主義的ではあるので。誰かがジャッジすることが毎回続いていると、その人と合わなくなったらその現場は終わりになっちゃうと思うけれど、そうせずにいれば、これからも上手くやっていけるんじゃないかなと思います。

 

ー社会生活で考えても、本当に学ぶところしかない……

川辺:我慢するか押し通すかで言うと、どっちかにならないよう新しい糸口を見つけるようにしてます。二極にならないように、というのは心掛けているかもしれない。意見が割れすぎるとどうしようもなくなっちゃうので、ちょっと違うことをやってみよう、みたいなのは早い段階で決めることが多いですね。でも、着地できたっていう経験値があるから、いつかはするんだろうなという気持ちで作業を進められるようにはなったかと。

ナカヤーン:これだけ長くやっていると、あまり話さなくても互いの好みや譲らないところがだいたい分かってくるので、そういう面では無駄が削がれてくる感じはありますね。

 

ー話さなくてもお互いのことがわかるというのは、ある意味エスパーだなと思うんですけど……、最後にみなさん何かエスパー体験があったら教えてください!

川辺:おじいちゃんが死ぬ当日に、自転車がパンクしたことならありますね。

ナカヤーン:僕、そういうの信じないんで……

須田:怖い話くらいしかないや。

大竹:この曲ずっと今日は頭に流れるなと思って生活していたら、カレー屋で同じ曲が流れていたとかはある。

川辺:それ、優しいエスパーだね(笑)。

ナカヤーン:ちょっとしたいいこと、みたいな(笑)。


NEW SINGLE 

ミツメ エスパー

ミツメ 5th singleエスパー
2017年12月20日リリース

LabelMitsume
CDPECF-1145 / MITSUME-016 / 1000 Tax
7inchPEJF-91020 / MITSUME-017 / 1500 Tax

Tracklist
A1. エスパー
B1. 青い月

 

EVENT

恒例の自主企画“WWMM(わくわくミツメまつり)も来年121日(日)に開催。

WWMM
日時:2018121日(日) OPEN / START 14:00
会場:恵比寿LIQUIDROOM, LIQUID LOFT
料金:前売4800 / 当日 5300(ドリンク代別)
【LIQUIDROOM】
LIVE:ミツメ / Mac DeMarco (Solo) / トクマルシューゴ / 柴田聡子inFIRE
DJ:矢島和義(ココナッツディスク吉祥寺) / 小柳帝
【KATA】
LIVE:JAPPERS / andy nagashima / Wool & The Pants / テト・ペッテンソン

 

Tour Esper 2018

2月24日 仙台 enn 2nd
3月3日 札幌 COLONY
3月10日 金沢 GOLD CREEK
3月11日 京都 磔磔
3月17日 鹿児島 SR Hall
3月18日 福岡 Voodoo Lounge
3月23日 名古屋 JAMMIN’
3月24日 広島 CAVE-BE
3月25日 大阪 umeda TRAD
4月25日 東京マイナビ BLITZ 赤坂

http://mitsume.me/

 

Photo: Kanna Takahashi Text&Edit: Tomoko Ogawa

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