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沖縄県うるま市で養鶏場を営む、話題の兄弟「ノーマンブラザーズ」にインタビュー

沖縄県うるま市で養鶏場を営む、話題の兄弟「ノーマンブラザーズ」にインタビュー

ノーマンブラザーズは兄のノーマン裕太ウエインさんと、弟のノーマン渉太トーマスさんのリアル兄弟。家業である養鶏や、地元・うるま市に興味を持ってもらおうと「Not a Chiken I’m a Challenger(臆病者じゃない、挑戦者だ)」を掲げ、SNSを中心に活動しています。オリジナルグッズもかわいくて、なんだか気になる!ので、兄のノーマン裕太ウエインさんに、話を聞きました。


──裕太さんは2016年、27歳のときに母方の実家が営む養鶏場を継いだそうですね。

大学卒業後は那覇市近くで英語関係の仕事をしていたのですが、10年後も同じことをしているのかな、とふと疑問に思いまして。そのタイミングで、基地で働くアメリカ人の父が海外転勤することになり母もついていくため、実家が空いたんです。それで地元のうるま市に戻り、養鶏場を継ぐことになりました。

母方の祖父が始めて50周年というタイミングだったんですが、挨拶回りに行っても、〈徳森養鶏場〉の名はほとんど知られていませんでした。それまで生産に特化し市場センターに出荷していたので、名前が出ていなかったせいもあります。

50年も続けてきたのに誰も知らないなんてすごく寂しかったし、僕の代で有名にしたいと思いました。

 

──最初にどんな取り組みをされたんですか?

小規模の養鶏場なので卵の安売り合戦には勝てませんから、目玉商品を作りたいと考えました。ただ卵を開発するには時間がかかるので、それに先駆けてオリジナルグッズの制作をしたんです。

 

──卵より先に!?

養鶏場を継ぐときに、未来を諦めているような後ろ向きな声ばかりが聞こえてきました。無理だよ、儲からないよ、みたいな。そういうイメージを、かっこよくて楽しい、生き生きしたものに変えたいと思ったことがきっかけでした。

農家は農家らしくしろと言われることもありましたけれど、養鶏家が手がけるアパレルブランドとして、「Not a Chiken I’m a Challenger」とか「ニワトリ」のロゴを入れ、オンラインやイベントなどで販売しています。

──裕太さんが2年がかりで開発されたというブランド卵、「くがにたまご」についても教えてください。

「くがに」は沖縄の言葉で「黄金」という意味です。うるま市の特産品である「黄金芋」をえさにした卵なので、この名前をつけました。

──黄金芋をえさにしようと考えついたきっかけは?

ブランド卵って全国で何千種類もあるんですよ。ビタミンがどうとかDHAが豊富などといった従来の方向性では、差別化できないと考えました。そこでこの地域の特産品をえさにした卵を作ってみようと思ったんです。

にわとりは知れば知るほどおもしろくて、えさを変えると2週間で卵が変わるんです。食べたものがすぐに反映されるので、もずく、ビーグ(沖縄いぐさ)、あまSUN(あまさん、柑橘)、津堅島(つけんじま)にんじんなどいろいろと試して、一番相性がよかったのが、黄金芋でした。

 

──甘み、風味、コク、黄身の色の美しさなどが評判だと聞きました。

おかげさまで、地元のうるマルシェ(うるま市を中心に沖縄県内の農産物を直売している)で、2年連続総合売上NO.1になり、地域の推奨品としても認定を受けるまでになりました。

わざわざブランド卵なんて作る必要ある?とか言われましたけれど、地域に根ざした取り組みは間違ってなかったと、うれしかったです。

 

──広く知られるようになったのは、ノーマンブラザーズとしての活動も影響していますよね。

ノーマンという名字のハーフの兄弟なので、子どものころから「ノーマンブラザーズ」とか言ってたんです。弟は県外で芸能活動をしていたんですが、去年のはじめに地元に戻ってきたので、一緒に養鶏のことをもっと知ってもらう活動をすることにしました。

営業や店頭販売、イベントでの売り子のほか、月に数回、くがにたまごや養鶏のこと、地域のおいしいお店の食レポ、プチ有益情報などをYouTube やTikTokで配信しています。

 

イベント風景

イベントでは、自ら売り子として「くがにたまご」の良さを発信中!ニワトリ姿になることも。

 

──今後の目標を聞かせてください。

沖縄といえば、卵といえば、徳森養鶏場のくがにたまごと名前が上がるように、日本一を目指したいです。地域にも雇用面などで還元したいですし、お客様にも自慢に思ってもらえるような卵を作りたいです。

笑門来福、笑う門には福来たるという言葉がありますけど、これをもじって笑門卵福(しょうもんらんふく)ってよく言っています。芸人ではないのでえらそうなことは言えませんが、みんなに元気を届けたいし、卵を通して笑顔になって福を呼べるような空間を作るチャレンジを続けたいと思っています。

「徳森養鶏場」

徳盛養鶏場ロゴ

 

1967 年、うるま市与那城で創業。

2017年に創業者である祖父の後を継ぎ、若々しい発想で新たなチャレンジを繰り広げている。

海まで200メートルという立地で、愛情込めて育てられる鶏が生む「くがにたまご」は甘みがあって、おいしいと評判。

 

公式HPはこちら

Profile

ノーマンブラザーズ

沖縄県うるま市で徳森養鶏場を営む兄弟。代表取締役社長である兄、ノーマン裕太ウェインさんは日本代表プロダーツプレイヤーでもある。弟、ノーマン渉太トーマスさんはモデルとしても活動中。

兄弟で、養鶏や地域のことをYouTubeを中心にSNSで発信。左の写真は収録風景。明るく素朴な雰囲気にファンが急増中。

 

Text :Mio Hasegawa

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