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パク・ソダムが俳優人生の転機だと話す映画『パーフェクト・ドライバー』。「私、もっとアクションがしたい! きっとやれるはず」

パク・ソダムが俳優人生の転機だと話す映画『パーフェクト・ドライバー』。「私、もっとアクションがしたい! きっとやれるはず」

『パラサイト 半地下の家族』の貧しい一家のタフな娘役で、世界にその名を知らしめたパク・ソダム。引き続き、かっこいい女性像を演じているのが、『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』です。初の長編映画単独主演作にして、本格的なアクションデビューを果たした今作。苦労もあったそうですが、それ以上に、これからの長い俳優人生を見据えての転機になったと話します。


──本日はお時間をいただきありがとうございます。

(日本語で)こんにちは、私はパク・ソダムです!

 

──よろしくお願いします! ソダムさんは『青春の記録』などのテレビシリーズで健気なヒロイン像を体現してきた一方、『パラサイト 半地下の家族』(19)などの映画では、タフなダークヒロインも演じています。普段作品を観るときは、ヒロインとダークヒロインのどちらに共感するほうですか?

ダークヒロインのほうに魅力を感じますね。演じた役で言えば、『プリースト 悪魔を葬る者』(15)や『パラサイト』にしても、今回の『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』にしてもそうですし。自分のことを「ダークヒロイン」と表現するのは、ちょっと照れくさいんですが(笑)。

 

──最新主演作『パーフェクト・ドライバー』で演じたチャン・ウナは、ワケありの荷物専門の配送会社で働く、天才的なドライビング・スキルを持った運び屋です。ウナを演じたいと惹かれた部分を教えてください。

シナリオを読んでまず印象に残ったのは、ページをめくるごとに「ウナ、ウナ、ウナ」という感じで、出ずっぱりだということ。この役を引き受けたとして、作品をちゃんと引っ張っていけるだろうか?というプレッシャーがありました。でも読み込んでいくと、そこにはさまざまな人間ドラマがあって。脱北者のウナを救ってくれたペク社長(キム・ウィソン)とのドラマ。そして、ウナの依頼主である賭博ブローカーの、幼い息子ソウォン(チョン・ヒョンジュン)とのドラマ。そこに、感情を深めて入り込める余地があると思いました。さらに、身体を張ったアクションやカーチェイスが思いっきりできることも魅力でした。一つの映画の中に、ここまで惹かれる要素がすべて入った作品に出合えるなんて!とワクワクしたんです。

 

──ウナというキャラクターに説得力を与える上で重要なのが、運転時のこなれた動作だと思います。たとえば映画の冒頭で、ウナは運転席に乗り、車内からドアを勢いよく蹴って閉めます。ほんの一瞬のことながらクールで印象的だったんですが、難しくなかったです?

そのシーンは、私自身も撮影前に「これってうまくいくのかな?」と心配だったんですが、ふたを開けたら、水が流れるかのようにうまくいってびっくりしました。あの動作一つでウナのキャラクターが伝わるし、そのままピューッとバックして車を走らせるっていう一連の流れがとてもかっこよくて、好きなシーンの一つです。

 

──驚くほどすんなりうまくいったんですね。では、苦戦したシーンはありましたか?

1週間くらいかけて撮った、駐車場のシーンは大変でした。ウナが上着を脱ぎ、火をつけてスプリンクラーを作動させるんです。夜のシーンで、なおかつずっとずぶ濡れのままでいるので、真夏にもかかわらず身体が凍えてしまって。いざ本番というときには、自分を奮い立たせてアクションに臨みました。濡れた床は滑りやすいですし、上着を脱いだら半袖のTシャツだったので、肘当てもできず、生身のまま転げ回らないとならなくて。俳優にケガはご法度なので、細心の注意が必要でした。そのあとウナは車に乗り込みますが、もうその瞬間、心から「ああ、暖かくて幸せ……!」と思ったのを覚えています(笑)。
駐車場という限られた空間での撮影だったので、キャストだけでなく、スタッフも準備に追われていました。全員なかなか睡眠も取れずに大変でしたが、完成したシーンを観たところ、とてもうまく撮れていて嬉しかったです。

 

──今回の撮影には、スタントダブル(難度が高いスタントを担当する熟練した代役)の方も入っていたと聞いています。具体的にどういうシーンを代役の方たちが演じたんでしょうか?

代役の方は二人いて、アクション専門の女性と、カーアクション専門の男性です。二人とも、劇中の私と同じ髪型・同じ服装で。女性は髪をブルーに染め、男性はカツラをかぶって演じてくれました。目の前に自分と同じ格好をした人がいるというのは、なんだか楽しい体験でした。
できる限り自分で演じてはいるんですが、仮に運転が上手でも、さすがにカーチェイスには実際の危険が伴いますから、俳優本人がやるのは難しいんです。アクションにおいても高難度の場合、どんなに練習を積んだところで、もともとアクション俳優である代役の方のほうが、一つ一つの動作を、しっかり要点を押さえて表現できます。専門的なところを二人にお任せできたおかげで、私はむしろ演技に集中できました。

 

──女性スタントの方と一緒に写っていたインスタグラムの写真から、お二人の信頼関係が伝わってきました。

私にとって初めての本格的なアクション作品だったので、彼女には多くの面で支えてもらいました。そもそもアクションとは、俳優が演じるその感情を、身体で表現することだといわれます。つまり代役の方とはキャラクターの感情を分かち合うわけで、だからこそ近しい関係になるのかなと思います。ペク社長を演じたキム・ウィソンさんも、たしか「言ってみれば、代役の方は俳優にとって、その作品におけるベストフレンドだ」というふうに話していましたが、同感です。代役の方とは現場で、食事も取るときもメイクを落とすときも、まるで双子みたいにいつも一緒にいました。今でも仲良しなんです。

 

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──自ら身体を張り、またときに代役の方の力も借りながら、本格的なアクションに挑んだ今作。改めて感じたアクションの魅力だったり、あるいは逆に難しさだったり、ぜひ教えてください。

子どもの頃から身体を動かすのが大好きで。大学生のときに短編映画でちらっとアクションに挑戦して以来、ずっとチャンスを待ちこがれていたので、実際にやって難しいという感覚以上に、「私、もっとアクションがしたい!」という気持ちなんです。もっとやりたいし、きっともっとやれる。そう確信しました。このインタビューの前もジムで運動してきたんですが、今後もできる限りアクション作品に出たい。そのために、いつどんな形でオファーが来ても、応えうるような身体作りをしておきたいという気持ちでいます。この先、もっと年齢を重ねてからもアクションができる、そんな俳優であり続けたいなと思います。

『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』

パク・ソダム 『パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女』 インタビュー

ワケあり荷物を届ける特殊配送会社「特送(とくそう)」。天才的なドライビング・テクニックを持つウナがある日引き受けた依頼。それは海外ヘの逃亡を図る賭博ブローカーと、その息子ソウォンを港まで逃がすこと。しかし、思わぬアクシデントにより依頼人不在のまま、ソウォンと300億ウォンが入った貸金庫の鍵を抱えて追われる羽目に。貸金庫の鍵を狙う悪徳警官、冷酷非情な殺し屋、さらには「脱北」の過去を持つウナを秘密裏に調査する国家情報院までをも巻き込んだ、命がけのカーチェイスが始まる──。

監督・脚本: パク・デミン
出演: パク・ソダム、ソン・セビョク、キム・ウィソン、チョン・ヒョンジュン、ヨン・ウジン、ヨム・ヘラン、ハン・ヒョンミン
配給: カルチュア・パブリッシャーズ

2022年/韓国/109分/カラー/シネスコ/5.1ch/原題:特送[특송] /英題:Special Delivery

1月20日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
©️2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & M PICTURES. All Rights Reserved.

公式HPはこちら

Park So-dam パク・ソダム

1991年生まれ、大韓民国・ソウル特別市出身。韓国芸術総合学校演劇院卒業後、『スティール・コールド・ウインター~少女~』(13)で映画デビュー。主な出演作は『殺されたミンジュ』(14)、『京城学校:消えた少女たち』(15)、『愛のタリオ』(14)、『ベテラン』(15)、『王の運命 ―歴史を変えた八日間―』(15)、『プロミス ~氷上の女神たち~』(16)など。『プリースト 悪魔を葬る者』(15)では、悪霊に悩まされる少女を演じるため、丸刈りにして役に挑み、徹底した役作りが絶賛された。そして、アカデミー賞最多4冠、世界中の映画賞を席捲した『パラサイト 半地下の家族』(19)では、“貧しい家族”キム家の長女ギジョンを演じ、国際的なブレイクを果たす。今作は初の長編映画単独主演作となる。

Text&Edit: Milli Kawaguchi

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