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クロエ・セヴィニーに野村訓市がインタビュー|Richardson × Chloë Sevigny 仲間とつくるコラボレーション vol.1

クロエ・セヴィニーに野村訓市がインタビュー|Richardson × Chloë Sevigny 仲間とつくるコラボレーション vol.1

伝説的なカルト雑誌を起点とする〈リチャードソン〉から届けられたのは、旧友、クロエ・セヴィニーとのカプセルコレクション。野村訓市によるクロエへのインタビューとともに、ブランドの魅力に迫る。


クロエ・セヴィニーと野村訓市
ある日のカンバセーション

カルチャーを愛するキッズのための
カプセルコレクション

クロエ 久しぶり、元気?

野村 めちゃくちゃ久しぶり!元気だけど飽きてるよ、この生活に。ちっとも夜に遊べない。最後にクロエに会ったのいつだろう?

クロエ たしかニューヨークで会ったわよね。

野村 アヴェニューAにあった「ピラミッドクラブ」の80sナイトだ(笑)。クロエは1人フロアで踊ってたよね。あそこも今年閉店したって聞いたけど。

クロエ そう。残念なことに。けどマネージャーの2人、隣の店の地下で同じパーティやってるから。場所はタカハシって名前の店の地下だったかな。

野村 ならよかった。随分と街も変わったと聞くし。こんなに長くNYに行かないのも初めてだしな。

クロエ みんな同じよ。どこにも行けてない。

野村 どう?お母さんになって。

クロエ ほ、ん、と、うに楽しいし、めちゃくちゃ可愛い!ちょっと見たい?

野村 もちろん!

クロエ こっちおいでー、日本の友達に挨拶して!

野村 可愛いなー。今いくつ?1歳くらい?

クロエ そう。もう夢中よ。見て、この笑顔!

野村 いいお母さんになるとは思ってたけど、クロエがママってなにか信じられない!

クロエ あなただってパパしてるでしょ?もうティーンだっけ?

野村 まだ小学生だけどブラックピンクしか聴かないし大変だよ(笑)。じゃあ最近はずっと家にいてママしてる感じ?

クロエ みーんな家にいたわ、NYでは。それでベビーシッターがいるんだけど彼女はココ(キム・ゴードンとサーストン・ムーアの娘)のルームメイトなの。で、私はココの最初のベビーシッター(笑)。

野村 超NYな感じ。

クロエ ずっとNYにいたけれど、息子を産んだあたりはコネチカットにいたの。何をするにも難しい時期だったし、誰かに手伝ってもらおうと思っても誰も電車で移動すらできなかったから。だから私の母親の家の近くに数カ月は住んでたのよ。兄(ポール・セヴィニー)やその家族もいたしね。

野村 少し前は一緒にカラオケで騒いだり、踊ったりしてたのになぁ。しばらくはパーティはお休み?

クロエ たまにはカクテルを飲んだりはするけど、タバコもやめたし、そうね。

野村 ところで今回の〈リチャードソン〉とのコラボなんだけど、そもそもアンドリュー (・リチャードソン)とはどこで知り合ったの?

クロエ・セヴィニー リチャードソン

〈リチャードソン〉初となるドレスは、アメリカのチアリーダーがインスピレーション源。ドルマンスリーブ、ハイウエスト&プリーツミニで、ストリートウェアをガールに表現。クロエ自身もお気に入りのアイテムだとか。ドレス ¥44,000(共にリチャードソン | リチャードソン・トーキョー)

クロエ ハーモニー (・コリン)と私はプリンスとクロスビーストリートの角に住んでたの、あれはたぶん95年かな。近所に行きつけのビリヤードバーがあって、そこにアンドリューとその仲間もよくいて一緒に玉突きをするようになったのね。アンドリューたちはイギリスのスキンヘッドみたいな格好で、アティチュードもあるし、必然的に友達になって。その後はしばらく連絡をとり合ってはいなかったんだけど。私的には彼がその後やり出したことをこう横から見てた感じね。挑発的な雑誌とか(笑)。

野村 じゃあ出会った当時はアンドリューが売れっ子のスタイリストだとは知らなかった感じ?

クロエ 知らなかった(笑)。ただのスキンヘッドのパンクスだと思ってた。

野村 俺も(笑)。最初会った時はスキンヘッドでテコンドーや柔術の話してたし、おっかないやつだと。

クロエ (笑)。でも彼はすごいいろんなことに知識があって、話し上手というか頭がいいし、あらゆることのディテールに自分流のこだわりがある人よ。と同時にこのくそ野郎!っていうパンクスのアティチュードも持ち合わせてる。そしてハンサムよ。

野村 とにかく付き合いは長いんだね。

クロエ そう。それでね、私が〈オープニングセレモニー〉で服を作り始めた時、アンドリューが「何でそんなストリートウェアを作るんだ!」って言ってきたの。ちょうど彼がいつもスーツを着ている時期で。「Tシャツとか作ってどうすんだ!」って。それが今じゃどう、自分がストリートウェアのキングみたいになってる(笑)。

野村 嫌いだったしね(笑)。

クロエ でもとても良いものを作っているし、ストリートウェアに貢献してると思うわ。実際にいくつか持っているし。ゴルフシャツみたいな黒のポロシャツを気に入ってよく着てるの。あとはブレザーも持ってるし、「RICHARDSON HARDWARE」ってプリントされてるショップTも着てるわ。それで去年の夏に、なにかコラボで作れないかって連絡がきて。インスタとかでの様子を見て、そこにはセクシーな女の子や男の子が映し出されていて、今でもこういうのにキッズたちは本当に興味があるのかな?って考えたのよ。そしてブルックリンの知り合いのキッズに会ってみると、みな〈リチャードソン〉のものを何かしら身につけてたの。彼らは本当にクールなキッズたちだから「オーケイ、本当に浸透してるのね」ってなったわけ。ストリートに確かに根づいてるし、着てる子たちがみな可愛く、セクシーで、挑発的に見えた。それはきっと雑誌の世界観からもたらされたものだと思うけど。

野村 それで悪くないアイデアだと思ったんだ。

クロエ そう。〈オープニングセレモニー〉で服を作った時も若い子たちが喜んで着てくれてたし、もっとやってよっていつも言われてきたのもあった。私はキッズと何かを作ってつながっていることが好きだし。ファッションって、映画がリーチできない層にまで手が届くのよ。いろんなブランドと何かを作ることは楽しいわ。

野村 そうだよね。コラボの商品をいくつか見たんだけど、印象深いのがクロエが踊ってる姿のフォトT。あれは「スウェイ」でのモリッシーナイトの時?

クロエ・セヴィニー リチャードソン

インタビュー本文でも語られているNYのクラブ「Sway」で踊るクロエの写真をプリントしたクルーネックスウェット ¥22,000

クロエ そう。私がイアン・カーティスのダンスをしていた時ね(笑)。

野村 NYを訪れる度にモリッシーナイトに行って、なんて楽しいんだろうと思いながらも、どんなコンセプトで始まったんだ?って疑問に思ってたんだよね。初めて行った時はザ・スミスの「This Charming Man」が何度もかかってたし。

クロエ きっとDJが変わった時に知らずに同じ曲をかけたのね(笑)。

野村 かもね。けど、それでとにかくめちゃくちゃ盛り上がるわけ。いろんな客層がごちゃごちゃで、他のクラブの雰囲気とは違う、本当にNYらしいパーティだったなぁ。

クロエ あのパーティが特別だったのは、ただ踊って夢中になれるってことで、あの写真にはその瞬間が閉じ込められてると思う。音楽に夢中で、誰と踊るなんて気にもしてないっていうね。みんなもあの写真をすごく気に入ってくれてるわ。

野村 俺が覚えてるのは、モリッシーナイトが終わる頃、フロアには3人くらいしかいなくて。でもその3人は真剣に踊っているわけ、脇目も振らずに。イカした人たちだと思ってよく見たら、その1人がクロエだったんだよね(笑)。

クロエ 私は本当に踊るのが好きだったから(笑)。10年以上続いたモリッシーナイトの始まりはこう。DJだった兄(ポール)に、私とその友達で「ザ・スミスの曲をかけて!」って頼んでて、そりゃあもうウザかったらしいわけ(笑)。それで彼が「スウェイ」のパーティのオーガナイズを頼まれた時に、「わかった。俺がパーティをオーガナイズしてやる。誰も夜遊びしない日曜の夜にな。それをスミスナイトと呼ぶ。それでモリッシー全般の曲ばかりかけてやるよ。そうでもしなきゃお前たちがウザいからだ」(笑)。それでベンジャミン・チョーとGang Gang DanceのブライアンにDJを頼んで始まったのよ。「スウェイ」がなくなるまで、ずっとそれを続けたってわけ。でも、ポールがまた始めたのよ、モリッシーナイト。

野村 え!「Paul’s Casablanca」で?

クロエ そうよ、先週の日曜にもあってブライアンがDJしたわ、まったく一緒。変わったのは昔は月曜の朝5時まで踊ってたけど、今はもう無理ってことね(笑)。ベビーシッターが7時に来ちゃうし。

野村 次にクロエが日本に来る時はモリッシーナイトをやらないとね、本当のNYスタイルの。

クロエ 早く日本に行けたらいいけど、とにかく〈リチャードソン〉とのコレクションを楽しんでね。今回特別にドレスを作ったの。女の子にとっては最高でしょ?ブランドでドレスは作ったことなかったみたいだし。着心地のよい生地だし、簡単に着られるし、どんな体型にも合う。もちろんTシャツもいいし、ジャケットも最高よ。全部黒と白。お気に入りの色よ!ごめん、子どもが泣いてるし、もうひとつインタビューがあるから行かなきゃ、またね!

Profile

野村訓市 のむら・くんいち

1973年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部在学中からバックパッカーとして世界を旅する。2004年に「TRIPSTER」を設立。店舗デザインのほか、編集者、ライター、ラジオパーソナリティとして活動中。

Photo: Tim Barber Hair: Dennis Lani Make-up: Devra Kinnery Text: Kunichi Nomura Text&Edit: Sakiko Fukuhara

GINZA2021年9月号掲載

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