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教えて!SUPERORGANISM☀️ HARRY&ORONO、のびのびポップに過ごすには?

教えて!SUPERORGANISM☀️ HARRY&ORONO、のびのびポップに過ごすには?

スーパーオーガニズムの音楽は、どこまでもポジティブで自分らしさに満ちている。ポップで、サイケデリックで、それでいて切ない、聴いていると自由になれる気がする。その揺るぎない「自信」の秘密を知るために、ORONO(Vo)とHARRY(Gt)に話を聞いた。


極小だけど極大な
自分だけの世界へ

─ 最新作『World Wide Pop』、素晴らしかったです。みなさんの楽曲には無尽蔵のポジティビティがあると思うのですが、その点は創作をする上で意図していますか?

HARRY(以下H) そう言ってもらえるのは、すごくうれしいよ。僕らが音楽を作っている理由のひとつでもあるからね。毎日憂鬱になってしまう嫌なことが起こるけど、音楽の持つポジティブな力が何かを変えてくれるんじゃないかと僕らは信じてるんだ。

ORONO(以下O) 自分個人としては、誰かのために何かをしようと考えているわけじゃなくて、ただ正直なものを作ろうとしているだけなんだ。でも、聴いた人が前向きな気分になってくれるのは、いいことだと思う。

── 今作では、宇宙や銀河系がメインのモチーフとして描かれていて、どこかSF映画のサウンド・トラックを彷彿とさせます。お二人はこの作品をどのように定義づけますか?

O この作品について説明する時は、いつも「ディズニー・チャンネルのオリジナル映画のサウンド・トラックみたいなバイブス」と言っているんだよね。たしかに、映画的な部分はある。そこは意識的に作ったね。宇宙というモチーフやストーリー・テリングは、実はWeezer(アメリカのインディ・ロック・バンド)が『Weezer (The Blue Album)』(94)と『Pinkerton』(96)の間で作ろうとした未発表の作品『Songs From The Black Hole』というコンセプト・アルバムから着想を得ていて。そもそも、ロック・バンドの2ndアルバムってどれも似たようなテーマを歌っているよね。ツアーに出て、いかに世界を回ることが大変で、思い描いていたものと違うか、みたいな。リヴァース・クオモ(Weezerのフロントマン)は、映画的なアプローチを用いて、その苦しみを描こうとしたんだよ。ジョナスという男が仲間と一緒に宇宙に行って、ガールフレンドがたくさんできて、いろんなことが起こって─という筋書きでね。この作品がクールなのは、バンドで経験したつらい思い出がベースになってるんだけど、それが映画的あるいは演劇的な作りになっているところで……自分たちもクオモみたいに作りたいと思ったんだ。

H エスケーピズムもアルバムを説明する上で大事な要素のひとつ。ツアー中に僕らが安らぎを得られる音楽は、聴いていて現実から抜け出せるものなんだ。ツアー・バスの中でベッドに寝転んで、ノイズ・キャンセリング・ヘッドホンをつけて目を閉じれば、別世界に行ける─そんな作品を作りたかった。だから、IMAXで映画を観るようにアルバムの中に逃げ込んで、極小だけど極大な自分だけの世界に飛び込めるサウンド・プロダクションにしたんだ。

ジョン・シナに学べ
自分の信念を貫け!

─ フジロックでは、みなさんの確信に満ちた堂々たるパフォーマンスが印象的でした。スーパーオーガニズムのように自信を持って自由に生きるための秘訣を教えてください。

H いいよ、面白いね。でも、人生のほとんどを自信なく生きてるよ。

O 今、この瞬間が一番自信ないって言ってもいいぐらい疲れてる。というか、昨日、家帰ったら、生理が始まっちゃって。今日は本当にやってらんない。正直、早く家に帰りたい(笑)。日本の女性って、こういうインタビューで、生理について話す?

─ 率直に語る人は少ないですね。

O 「ORONOは生理で、帰りたがっていた」って、必ず書いてね(笑)。

─ 自信のない時に助けになるものってなんだと思いますか?

O Lizzo(米国のシンガー・ソングライター、ラッパー。セルフケアがテーマのアルバム『Special』を7月発表)を聴けば?あとはたくさん水を飲んで、運動することもメンタルヘルスを整えるためには大事だよね。まぁ、でも、かなりディープな問題だから、専門家の意見を聞くのが一番だし、人それぞれに自分に合った答えがあるから、一般化できるものじゃないとは思うけどね。

H そうだなー。やりたいことを、したいようにするしかないと思う。カニエ・ウエストとかを見ていても思うんだけど、このSNS時代においては誰かに批判されたり、文句を言われるのは当たり前だから、自己肯定感がなくなるのも自然なことで。でも、そういう時にこそ、信念を突き通すべき。後になって「間違ってた」と思ったとしてもね。

O ごめん、やっぱり「Lizzoを聴け」じゃなくて「ジョン・シナ(米国のプロレス団体『WWE』のプロレスラー、俳優)の試合を観ろ」にしてくれる?「Respect. Earn It(尊敬を、得よ)」「Never Give Up(決してあきらめるな)」。シナのメッセージを学んだほうがいい。最高だよ。

H 彼はムキムキだしね。次の作品では僕もORONOもシナを見習って、筋肉バキバキになる予定なんだ。

── 自信を持つためには筋トレも欠かせない、ということですか?

O ハハハ(笑)。でも、自分に自信を持つのって、本当にタフなことだよね。「自分は自分、人は人」と思えればいいんだけど、難しい。

友達に相談するか
感情をぶちまけるか

 ── コミュニケーションが複雑化・多様化する世の中で、対人関係はこれまでになく難しくなっていると思います。他者と向き合う上で気をつけていることはありますか?

O みんな、苦しんでるよね。俺もめちゃくちゃセンシティブなタイプだから、メンバーやスタッフとのやりとりで「嫌だな」と思うことが多くて。でも、自分の気持ちは自分にしかわからないし、考えを人にきちんと伝えるのはすごく大事だと思う。

H 正直でいるのって、本当に大切。

O 内側にため込んでいると、もっと悪くなっちゃうから。俺は1stアルバム(18年発表『Superorganism』)の時にそれで頭おかしくなっちゃったんだよね。ステージの上で号泣しながらライヴやったりとか……。この2年ぐらい集中してセラピーを受けて、だいぶ改善されたけどね。人に気持ちを伝えることって最初はハードだけど、いったん乗り越えれば「ああ、こうすればいいんだ」って、必要なプロセスがわかるようになるし、どんどん伝え方も上手になる。

H まず、気持ちを共有しようと意識するのが初めの一歩。

── 伝え方で工夫している点は?

H 「全部吐き出しちゃえばいいじゃん!」って思うけどね(笑)。何かに腹が立ったり、悲しい気持ちになったら、ストレートに伝える。それに勝るものはないよ。ぶちまければ、5分後には冷静になれるから。

O (HARRYに向かって)でも、それが難しい人もいるでしょ?

H この方法が必ずしもポジティブな結果を生まないことはわかってるよ。でも、実を言うと、僕は人と対立することを気にしてないんだ。自分の意見を主張する方が大事。だって、その気持ちをお互いずっと内側に抱えていたら、遅かれ早かれ仲違いするって決まってるわけだから。

O 伝え方って、やっぱり難しいよ。俺がたどり着いた結論は、一番信用できる友達に「どうやってコミュニケーションをとったらいいと思う?」と相談するのがベストってこと。直接関係ない人に話を聞いてもらえば、自分を客観視できるし、伝え方も整理される。自分をわかってくれる本当の友達じゃないとダメだけどね。

H 相手と目指しているゴールが同じで、決して喧嘩をしたいわけじゃないという認識をお互いに確かめ合うのは、どんな関係においても大事。それを共有できてないと、言うべきことも、正直に伝えられなくなる。

O 必要だね。個人攻撃ではないと伝えないとダメ。

H あとは、自分のコンディションを整えようと意識した方がいい。僕の場合、イラついたり、気分がよくない時の大きな原因は、睡眠がとれていないか、お腹が空いてるかのどっちかだから(笑)。人間だって単純な動物なんだよ、結局のところ。

ローラーブレードして
ディープに語ろう

──これまでの人生を通して、自身を理解する上で手助けになったものは何でしたか?

O いい両親のおかげ。子どもの頃から「お前はこういうやつだよな」って分析されて育ってきたの。一時期それを内在化しすぎて、悪い方向に悩んだけど、今は自分に対する理解を一層深められた気がする。

H 正直、ミュージシャンって自分のことばっかり考えてる奴らだと思うんだ。感じたことや思考を音楽にするわけだから、必然的に己と向き合うしかない。でも、ORONOが言ったみたいに、家族や友人との関係に満足した状態でいるのは本当に大切。サポートしてくれる人たちがまわりにいてこそ、揺るがない自分を見つけられる。

O やっぱり、セラピーに行った方がいいよ。俺の言うことなんか聞かなくていい。まわりの人との関係もそうだけど、まずは自分と自分の関係をよくするのが先決だと思う。

H すごいすすめるね(笑)。

O 究極的には他人なんか大嫌いだし、人付き合いもしたくないけど、俺はそれで、ナイスな自分でいて、他人に親切にするって気分がいいことなんだと学んだからね。いいよ、オススメ。

──今からでも始められることって他に何かありますか?

O ローラーブレードだね。

H ハハハ(爆笑)。いや、でも、それめちゃくちゃよいアンサーかも!

O 今までやったことないものに挑戦すると、自信がつくよ。

H 本当にそうだよ。誰がなんと言おうと、自分が正しいと思うやり方で何かに夢中になれたら、自信になる。僕の場合は、それが音楽だった。始める前は微塵も自信がなかったけど、みんなに喜んでもらえて、自分も得意だと思えるものを、幸運にも見つけられた。僕らの自信の源はそこにあると思う。

O 悩んでいる人たちみんなで、スケボーパークに行こう。

H でも、危ないかもよ。転んで骨折りそうだし、僕は不器用だから絶対やらない(笑)。

O 一緒にローラーブレードして、おいしいご飯食べて、ディープに話をしたら、ちょっとは気分も晴れるはず。友達になろうぜ。

「他人より、まずは 自分のことを考えよう!」(ORONO)
「熱中できる何かが 自信につながるはず」(HARRY)

SUPERORGANISM

スーパーオーガニズム>> 2017年結成の多国籍インディー・ポップ・バンド。メンバーは、ORONO、HARRY、B、TUCAN、SOUL。17年発表のシングル「Something For Your M.I.N.D.」が話題に。22年7月に星野源やCHAIら各国の友人を迎えた2ndアルバム『World Wide Pop』を発表。23年1月にジャパンツアーを開催する。
Instagram: @sprorgnsm

Photo: Mikako Kozai Illustration: STOMACHACHE. Text: Jin Otabe

GINZA2022年11月号掲載

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