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『THE BATMAN-ザ・バットマン-』ロバート・パティンソン&ゾーイ・クラヴィッツに直撃。「恐怖の感情は使い方次第」

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』ロバート・パティンソン&ゾーイ・クラヴィッツに直撃。「恐怖の感情は使い方次第」

先の見えない恐ろしい時代に、人はいかにして希望を見出していくのか。そんな本質的なテーマを、映画『バットマン』シリーズ待望の最新作、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は描いています。新生バットマン役には、『トワイライト』シリーズでブレイクし、『TENET テネット』も記憶に新しいロバート・パティンソン。キャットウーマン役には、ファッションアイコンとしても知られ、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などで異彩を放ってきたゾーイ・クラヴィッツ。「恐怖」と「希望」を軸に、二人に話を聞きました。


──今回、ロバートさんはバットマンを、ゾーイさんはキャットウーマンを演じました。歴代の素晴らしい役者たちが扮してきた、有名なキャラクターを演じることが決まり、どのように感じましたか?

ロバート 僕が正式にバットマン役に決まった日は不思議なことに、クリストファー・ノーランの『テネット TENET』(20)の撮影がスタートした日でした(※ノーラン監督は2005年から2012年にかけて、『ダークナイト』(08)をはじめ、『バットマン』シリーズの3連作を手掛けた)。超極秘のスクリーンテストのために撮影初日を休み、翌日現場に行ったら、クリスから「『バットマン』新作のスクリーンテストはどうだった?」と聞かれて、「え、なんで知ってるの!?」って(笑)。

ゾーイ それはクレイジーだね(笑)。私は、キャットウーマンを演じられるなんて夢みたいで、最初はただただ興奮しました。やがてキャストが公式に発表されると、スマホが狂ったように鳴り始めて。誕生日以上に、たくさんのお祝いのメッセージが届いたんです。最終的に、電源をオフにしたくらい(笑)。そこでようやく、この役を演じることは私個人だけじゃなくて、みんなにとって大きなことなんだと実感しましたね。責任を感じて少しナーバスになったけど、やっぱりワクワクする気持ちが勝っていました。

ロバート そうだよね。『バットマン』はたとえば『007』などと同じで、長い間、ずっと人気を博してきたシリーズです。バットマン役の役者たちは、それぞれにユニークな解釈で、役に全力投球してきたと思います。だからこそ、ジェームズ・ボンドもそうですが、みんなよく「お気に入りのバットマンは誰?」という話題で盛り上がるんですよね。そういう意味で、僕自身がバットマンにどんな要素を持ち込めるかと考えていくプロセスは、とても刺激的でした。ま、映画が公開されるまでは結局、何を持ち込めたかは分からないんだけど!

 

──この物語の主人公は、バットマンになってまだ2年目という、駆け出しの頃のブルース・ウェイン青年です。冒頭でブルースは「恐怖は武器だ」と語ります。つまり犯罪者たちを脅かすことが、彼が暮らしている悪事がはびこる街、ゴッサム・シティを守る抑止力になるのだと。この恐怖の捉え方をどう思いますか?

ロバート ブルースが言っていることも分かります。僕自身も実生活で、何かを成し遂げようとするときに、恐怖という感情をツールとして使っていますから。失敗への恐怖や、恥ずかしい思いをすることへの恐怖をバネに、もっと先へもっと先へと、自分を奮い立たせていくんです。個人的な話ですみませんが(笑)。

 

──華々しいキャリアを築いてきたロバートさんでも、失敗が怖くなることがあるんですね。

ロバート ブルース/バットマンも強いキャラクターなので、恐れ知らずに見えますよね。でも僕はいつも、実はブルースは極端に恐れているんだと解釈していました。何をかというと、子どもの頃に両親を目の前で殺されたときのように、無力感を感じることをです。彼はその恐怖に立ち向かい、というかむしろ突っ走っていきます。クモが怖いとか、山に登るのが怖いとか言いながら、ついそっちに注意がいってしまうのと同じ、直感に反した反応で、興味深いなと思いますね。

ゾーイ 私もロバートに同感です。権力とはつまり、人々が自分のことを恐れるように仕向けること。悪い方に働くことだけでなく、いい方に働くこともあるんでしょうけど、それこそが支配の基本的な仕組みです。政府も市民をコントロールするために、恐怖を使っていると思いますし。

 

──当初、恐怖によるコントロールの仕方が未熟だったブルースですが、物語を通じて成長していきます。それは、セリーナ・カイル/キャットウーマンも同じです。自身の役について、成長するきっかけはなんだったと思いますか?

ゾーイ この映画を、成長の物語と捉えるのは面白いですね。セリーナは、行方不明になった親友を探し出すためになんだってやる覚悟で、当初は渋々バットマンと一緒に事件に立ち向かいます。大事に思う人のために他のすべてを犠牲にし、自分の命さえ危険にさらそうとしたその瞬間にこそ、彼女は成長したんだと思います。さらに、だんだんバットマンと絆で結ばれ、彼に弱みを見せることを自分に許していく。彼女にとって、誰かにそういう感情を抱いたのは初めてのことなので、それも大きな一歩だったんじゃないかなと。

ロバート ブルースは自分を犠牲にすることが正しいと信じているからこそ、あんなにも孤独に生きられるんだと思います。それはつまり、両親を守れなかったことを償うためです。だから、(自分がバットマンの正体だという)プライバシーを守らなければならない、一人ぼっちの生活で十分だと考えていて。でも映画の後半、ある過酷な出来事をきっかけに、外界とのつながりを完全にシャットアウトしたままでは生きていけないと気づくんです。そうすることで、逆に、彼が家族のように大切に思っている一部の人たちを危険にさらしてしまうから。

 

──セリーナとブルースの切迫した状況が、マイケル・ジアッチーノさんの作曲による、荘厳な雰囲気のメインテーマとすごくマッチしていました。デモ音源は撮影前に出来上がっていたと聞いていますが、この曲がお二人の役作りに貢献した部分はありますか?

ロバート ええ、間違いなく。これまで僕らが観てきた映画の中のバットマンは、もっと純粋にヒロイックな存在でしたよね。でもバットマンのグラフィックノベルを読むと、ノワール(※犯罪や暗黒街を題材とした、小説や映画の一分野)の要素もありつつ、どこか悲劇的なムードが物語全体に広がっているんです。そもそもバットマンの人生そのものが悲劇ですよね。コウモリみたいな格好なので(笑)、というのは冗談ですが、たった一人であらゆる悪事と戦うんですから。僕がメインテーマを初めて聴いたときも、ある種のメランコリックな、切望のようなものが感じられました。希望も読み取れるのですが、それはとても儚い希望で。曲を聴いてすぐ、これこそ僕がブルースについて感じていることだと思い、その感覚を元に役作りをしていきました。

ゾーイ メインテーマは本当に素晴らしいですよね。でも私は、撮影前にはまだ聴いていなくて。ただ(劇中で流れる)ニルヴァーナの『Something In The Way』のことが脚本に書いてあったので、頭の中で曲を流しながら演じていた気がします。マット(・リーヴス監督)が、ニルヴァーナのイメージを通じて物語に持ち込んだ、若さ溢れるパンクなアプローチがすごく面白いと思いました。

 

──ロバートさんだけが撮影前にメインテーマを聴けたんですね。

ロバート ええ。デモ音源の、ほんの断片だけですけどね。

ゾーイ 特別扱いを受けていたって言いたいんでしょ?(笑)

ロバート 君がそう言うなら、そうかもね!(笑)

 

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』 ロバート・パティンソン ゾーイ・クラヴィッツ インタビュー

ゴッサム・シティ有数の裕福な家に生まれた、優しくもミステリアスな青年ブルース。彼は幼少期に殺害された両親の復讐を誓い、夜に黒いマスクで素顔を隠し、犯罪者を見つけては力でねじ伏せ、 悪と敵対する存在の“バットマン”になろうとしている。ある日、権力者を標的にした連続殺人事件が発生。その犯人を名乗るのは、史上最狂の知能犯リドラー。犯行の際は必ず“なぞなぞ”を残し、警察やブルースを挑発する。 一体なんのためにリドラーは犯行を繰り返すのか? そして暴かれる政府の陰謀と、ブルースにまつわる過去の悪事や父親の罪……。追い詰められたそのとき、彼の心の中で、何かが音を立てて壊れ始める――。あなたは世界の嘘を暴き、人間の本性を見抜けるか?

監督・脚本: マット・リーヴス
出演: ロバート・パティンソン、コリン・ファレル、ポール・ダノ、ゾーイ・クラヴィッツ、ジョン・タトゥーロ、アンディ・サーキス、ジェフリー・ライト
配給: ワーナー・ブラザース映画

3月11日(金)全国公開
© 2022 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

公式HPはこちら

Robert Pattinson ロバート・パティンソン

1986年、イギリス・ロンドン生まれ。映画『トワイライト』シリーズ(08〜12)で演じた、主人公の恋人の、吸血鬼の美しい青年役でブレイク。その後、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『マップ・トゥ・ザ・スターズ』(14)、アントン・コービン監督の『ディーン、君がいた瞬間』(15)、ベニー&ジョシュア・サフディ監督の『グッド・タイム』(17)、ロバート・エガース監督の『ライトハウス』(19)、クリストファー・ノーラン監督の『TENET テネット』(20)など、作家性の高い有名監督の作品に相次いで出演。人気と実力を兼ね備えた、ハリウッドのトップスターの一人。

Zoë Kravitz ゾーイ・クラヴィッツ

1988年、アメリカ・ロサンゼルス生まれ。2007年、『幸せのレシピ』で長編映画デビュー。その後、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)、『ファンタスティック・ビースト』シリーズ(16〜)などの大ヒット映画や、エミー賞を受賞したテレビドラマシリーズ『ビッグ・リトル・ライズ』(17〜19)に出演し、際立った存在感を放っている。2020年にHuluで 配信された、同名映画のドラマ版『ハイ・フィデリティ』では、主演と製作総指揮を兼任。また先ごろ、オリジナル映画『Pussy Island』で監督デビューすることが発表された。シンガー、ファッションアイコンとしての顔も持つ。

Text&Edit: Milli Kawaguchi

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